11.気を取り直してクエスト!クエスト!
まぁ、このまま待つよりは他のクエスト進めよう。と、次のクエストはまた二つ。どちらも外ですることのようだ。
「外出ようか」
半地下の外へ通じるドアを開けて初めて外に出る。そこはまばらに草が生える空き地だった。その周りは鬱そうとした森である。入るのも躊躇うぐらいに下草が生えており、もしかしたらそこから野生の動物が出てきそうである。
「さて、クエストは・・」
「【野外のモンスター確保】と【物資採取】だね。どうする?」
詳しい説明を呼んでから・・・
「鑑定か・・誰か持」
「無いよ」『できません』
ステイタスから自分にはないことを確認して、聞こうとしてすぐさま否定が飛んできた。
「じゃ、することは一つじゃないか」
「だったね。あ、チケット使う?」
「もったいないし、こうって決まった人いないのに?そういや・・・確かランダムでも種族とか指定できたんだよね」
『はい、ただし初期モンスターと認知したモンスターのみとなりますが?』
「あ、そっちもそういう縛りあるんだ。初期モンスターて?」
「どんなダンジョンマスターでも最初はスライムだよ。まずはそっちから?それともランダムで呼ぶ?」
「ちなみにスライムにはどんなもの?」
『スライムとはどんなものでも消化し土に返す生き物です。正確な分類は魔導生物網細胞性菌目スライム科の生き物を差します。ちなみに魔導生物網には・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それらのその生態から粘菌から突然変異であるという』
「スト、ストツップ!ちょ、ちょっと待って、ようは?」
コアが嬉々として説明し始めてから数秒でついていけませんでした。専門用語か何なのか、分かるのは分かるかなと思うが今はそんなことを聞いているわけではないのだ。
『・・簡単にいえば主食によって分類が異なり、死骸や腐葉土といった物を主食にするスライム属、生物を主食とするジェム属、それらとは一線を画してプニュ属があります』
「あはぁ、ようはそこらじゅうに居てちょっと迷惑だけど無害なスライムと生き物を襲って食べちゃうジェム。それとは別に知性を持ってるプニュが居ると言うことだよ」
なるほど、そうなんだ。そして説明をタマがしていた理由が分かった気がする・・・・・・・・ん?
「ちょっと待て、プニュってどんなの?」
「えっと・・あ、ほらそこ。あれが・・・どっちだろ?まぁ、スライム属な・・・うんスライムだね。あれを丸めてちょっと平たくしたような形だよ。物事は感情で決めちゃうタイプが多いのが特徴かな」
『基本はそうですが、ある程度年齢を重ねると動物や人の形をまねたりします。生息している地域の属性を持ち、時に精霊と呼ばれる存在になるのがプニュの特徴です』
「ふぅん」
下草を揺らすことなく絞り出てきたそれは物を取り込んだ後だったから見えるようであった。ほぼ透明なそれの中には落ち葉が多く取り込まれている。体を伸ばし上の胴体をそちらに移してあとに残った足を引っ込める。そんな感じだが滑らかに進んでいき、落ち葉を見つけては取り込んでいく。
「そういや、能力に使役ってあったじゃない」
「あったねぇ」
「どう使うの?」
そう言いながら目でスライムを追う。他のところからも出てきているようだ。
「うん?使用したい能力を能力の欄にって、それはできてるね。あとは使役したい相手に手をかざして“テイム”って言って」
「テイム」
「そうそう、そしたら使役したいモンスターに対して成功判定がされてね」
~ピロリロリン~
【使役成功:スライム】
【使役失敗:スライム】
【使役成功:スライム】
【使役成功:スライム】
【クエストクリア】
【レベルが上がりました】
「おぉ!おめでと!こういう風に成功したらこうなるんだ。でもね、失敗したら逃げられるか反撃してくるかもしれないから慎重に使いなさいね。あぁ、あと人とか知性がある生き物は使役はできないから、ここも注意ね」
かなり渋い顔でタマが言てます。それは置いておいて、今の視界の中に4体居たようです。1体は逃げたようだけど。
「おいで」
そう言いつつステイタス確認っと。
リナ
種族:ダンジョンマスター
職業:学者
Lv3
技術:0
名声:1
HP:9
MP:12
攻撃:4
防御:5
知識:10
俊敏:4
【ステイタス:配下】
スライム1
種族:スライム
職業:なし
Lv2
HP:100
MP:23
攻撃:13
防御:22
知識:0
俊敏:13
スライム2
種族:スライム
職業:なし
Lv1
HP:80
MP:20
攻撃:12
防御:20
知識:0
俊敏:12
スライム3
種族:スライム
職業:なし
Lv4
HP:130
MP:25
攻撃:18
防御:23
知識:0
俊敏:14
タマ
種族:人形
職業:なし
Lv5
HP:240
MP:221
攻撃:30
防御:24
知識:???
俊敏:23
あれぇ?すごく理不尽だぁ。なんで私より誰も彼も上な訳?
「ん?どうじい!何で蹴るのさ!」
見上げてにっこり笑うとタマの脛あたりを蹴り上げる。タダの八つ当たりだってことは分かってる。でもムカつくんだよ!キッとタマを睨んでから、そのまますぐに近くまで来たスライムを触ってみる。スライムの表面はしっとりとした赤ちゃんのような肌である。手を放すとストンとすんなり剥がれた。ベタベタするかと思ったがそうでもない。逆にサラサラで綺麗な気がする。
「スライムの増やし方と育て方は?」
「・・・まぁ、基本は水と有機物があればどこででも生きるよ。ほっといたら増えていくし」
「ふぅ・・ん?」
有機物と水・・あ、うまくいったらアレどうにか出来るかな?
「この子達の巣って指定出来るの?」
「できるよ」
『活動範囲も指定できます。ダンジョンから設定できます』
その回答にダンジョンを開き、地下施設に彼らの巣を設定。どうやら可動範囲と時間帯も設定できるようなので深夜に風呂場を設定して・・。これで掃除しなくてもいいかな。あ、そういや・・・ランダム召喚どうしよう。クエストは今のところ何があるかな・・・
「あ、増えてる」
「スライムが?」
「いや?なんでそっち?クエストが増えてるの」
新しいクエストは【ダンジョンの拡大】、【モンスターの確保2】。つまり、スキル獲得か、領地拡大か、部下勧誘かどれかしろってことか。まぁ、明日にするか。崖の向こうに沈んでいく太陽を見てすぐに家へと帰って行ったのだった。今晩は何食べよう?
【とあるダンジョンにて】
レイアード:うむ、ここか・・
???:あら?いつの間にお帰りに?
レイアード:ん?あぁ、君か
???:姐さん!旦那をって!旦那!やっと見っけた!どこ行ってたんすか!
レイアード:どうした?
???:どうしたじゃないっすよ!てか若!そっちこそどうしたんすか!?
レイアード:気にすることでは・・ちょうどいい所に来たな
???:うわぁ・なんすかその顔、あ!ちょっと用事を思い出したんでこれでし
レイアード:いやいや、そう急ぐ事は無いだろう
???:ぐえ!
レイアード:ひょっとしたらここを元に戻せるかもしれんのだ。二人とも手伝え
???:えぇ?どういうことですか?
レイアード:さて、どうするか・・
???:姐さんもう聞く耳無いすよ。これじゃ
???:みたいですね、一応部下に出かけてくることを伝えてきます
???:あ、避難民のこともよろしくっす!
???:はぁ・・分かりました




