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リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
1章 目覚め ~ダンジョン初心の森 怒涛の三日間?~
1/117

1.新しい生活の幕開け?-1-

2015/3/18

大幅改定しました。

2015/6/2

ちょこっと改行入れてみた。

2016/7/5

最近の書き方にちょこっと書き直し。

 ・・・・ここ、どこ?

 空が覗く天井と、隙間から外が見える壁板にと、見覚え・・が・・・・て?

 ちょっ! ちょっと待て!

 あれ? なに? どういうこと?

 昨日、私、何してた?

 てか、メガネ、メガネ!

 て・・え? 掛けてない? え? え!


「えぇ!? 視力回復!!!?」


『ゴホン!よくぞ目ざめって、え!そっち?!』


 思わず出た声に重なるように聞こえてきた声にまたもや思考が停止しかけてしまった。

 誰かいたのだろうか?

 ゆっくりと振り返りながら周りをもう一度見渡してみる。

 そこには、人はいなかった。

 どう見ても、廃屋だ。

 よくホラーやサスペンス、ミステリーといったドラマで良くあるような廃屋である。

 意外としっかりとした板間に壊れた棚や、今し方まで寝ていた古びたベッドが置いてあり、その上にはほこりまみれではあるが枕に毛布がある。

 時代劇で出てくる長屋の土間と炊事場、それに大きな水瓶が一つドアのあっただろう穴の横に置いてあった。

 ここまでは・・・まぁ、まだ現実味のある・・かな・・・

 ありえないこともないかなと思う。生活もできるだろ・・う。

 自信ないけど。

 でも・・だ。

 その部屋にあってそれはひときわ異質な物に映っていた。

 古代ローマ風の飾り台にふかふかの真っ赤な飾り座布団。

 その上で頭ぐらい大きな丸い宝石が虹色の光を点滅させていた。

 虹色の宝石と言えばオパールか・・・

 いや、ちょっと待て。

 宝石は発光しないのだから、あれは宝石ではないだろう。


『ん~~と・・・そんなに見つめちゃイヤン?』


 ・・・・・・・茶目っ気なのだろうか?

 男の声で言われると無性に腹の立つ。


「なんか・・・壊せそうな物、無いかな」


『すみませんでした!』


 周りを見渡していることに怯えたのか、慌てた様子である。

 なんとなく土下座しているようにも感じれるので許そうか。


「まぁいいや、それで何?」


『え・・あ、と・・よ・よくぞ、目覚めた我が娘よ!我がそなたの父ぞ!』


 は? 娘? 父? 

 何言ってる・・・の・・・・・?

 てぇ・・・・手がちっちゃ! え!? 体縮んでる!!!

 どっかの探偵青年並に若返っちゃった! イエェイ!

 ・・・はぁ・・というのは

 ・・まぁ、横に置いとくとして・・・・

 それにしてもこの玉さっきまでとは違って、胸を張ってるようでなんかムカつくなぁ。

 んんっ・・・なにか嫌がらせになりそうなもの無いかな?

 この枕で叩いたら。

 ・・・て、あれ?

 枕の下に何か・・・あらぁ、良いのあるじゃない。

 ちょっと大きいけど。


『ん?どうした? 我の偉大さにぃて、うわぁぁ! 〈ゴトン〉うぅぅっん? て、え、うそ! それどこで!? てか、あわわぁわぁ! ちょっ待って何か僕が悪かったから、ノミ当てないで! 小槌は下ろしてください! 〈ガキン〉ぎゃあぁぁ! 壊れる! 消えちゃう! すみませんでした!! 調子に乗りすぎました!!!!』


 背が足りなくて届かないような飾り台で無くて良かった。

 見つけた小槌を使い、頭と同じぐらい高さにある玉を床に叩き落として、落ちた玉を太ももで挟んでと、・・・てか、うるさいな。

 下ろせって言ったから言われた通り振り下ろしてあげたのに・・・ま、すっきりしたけど。


「で?」


『・・・えぇ・・と、でっとは? ・・・・!!!! あわわゎぁわぁ! すみません、すみません! 僕のマスターになってください!』


「・・・どういうこと?」


 振り上げた小槌を今度は素直に床に下ろし聞く。

 ここはどこか? とか、どうしてここにいるのか? とか、ほかにも聞きたいことは山ほどあるが、まぁ、まずはしゃべってくれる事を一つ一つ聞いていけばいいか。


『僕は一人では何もできないダンジョンコアなのです! ですから、僕を使ってくれるマスターを探しておりました。しかし、こんな辺鄙な処に来る者たちは何も考えなしの野蛮人が多く、僕を使うことはとてもとても・・。そこで異界から魂を呼んで小さい頃から育てればっと・・・・』


 ・・・うわぁ、当てにできないからって、源氏物語か・・・


「自分に都合のいい主人がほしかったと。てか、魂?・・・えっと?ちなみに私は元の世界でどういう扱いになってるの?」


 コツンとノミだけを当てつつ、光り方を見る。

 一様に光っているが時折ひときわ光る筋というものがあるのだが・・・

 もしかしたらここら辺叩いたらパカッと割れるんじゃないだろうか。


『し・・死亡しています』


「それは、あなたが?」


『決して! 僕が手を下したということは!! 決して! 魂だったマスターを呼んだだけです! その体はその折に得た情報から作らせていただきました!』


「人名だけが出てこないのは?」


『分かりません! 本当です! どうか信じてください!!!』


 そう。

 本の題名とか、内容とか、日常生活とかは、それなりに覚えているのに、自分の名前とか、家族の名前が出てこないのだ・・・

 でもまぁ、良いか。

 この世界で生活する分には支障はないだろう。

 たぶん。

 冷や汗をだらだら流している様子の玉を見る。

 てか即答か・・・本当に知らないようだ。

 まぁ、あとはここの世界についてだけど・・・後で聞くとして・・。


「じゃ、最後。契約事項とかある?」


まぁ、私ほとんど読まずに契約するほうだけど。


『え?・・・・・・マスターになってくれるのですね!!ちょっと待ってください!』


 嬉々として、書類か何かをひっくり返しているような玉にため息をつきながら、これからのことを考え始めるのだった。まずは食をどうにかしないと・・・。はぁ・・・・。

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