表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼虹結晶の樹の元で2人は契を交わす  作者: 片海 鏡


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/48

13話 共通点

 1人はバードテールに纏めたワインレッド色の髪に、平均的な身長と体格の少女。もう1人は腰まで波がかった黒髪で身長が高く細身の少女。最後の1人は、プラチナブロンドのセミショートヘアの少女は一番小さく、子供の体型だ。

 ネフィリアードには、その特徴に見覚えがあった。


「どう?」

「確かに知っている。昨日、挨拶を交わした」


 彼は眉間に手を当てた。

 この国唯一の獣人であり、男性であるネフィリアードは、何かと注目を浴びる。20歳を過ぎてからは大人として配慮されるようになったが、度々見知らぬ相手から挨拶をされる。今回もそれだと思い、特に気にも留めていなかった。 


「へぇ、彼女達は君の動向を伺ってたんだ? 挑発的な行動だね」

「花屋の事故も私と関係していそうだ」

「なにそれ?」


 ネフィリアードは先程あった出来事について、軽く説明した。

 花屋〈フロウレシア〉は、店主である四季の魔女の育てた花しか並ばない。

〈ネフィリアードの持っていた花束の花が綺麗だったから、どうしても欲しい〉とでも言って花の特徴を話せば、心優しい四季の魔女は用意してくれるだろう。

 アリュスの時同様に1人を囮に、残りの2人が見物する振りをして、じょうろか食虫植物の植えられた植木鉢に魔法を掛けた。そして、水やりの際に食虫植物が魔法を拒絶するか、感化され暴走したと推測される。


「その流れだと最初に花屋に悪戯をして、次に俺の所に来たのか……」


 魔法を使わずに徒歩となれば、買った店と向かう場所が近いのと想定できるだろう。周囲を探し、そして飾り気のない服屋の中に花束を見つけた。しかし、連続では疑いを掛けられやすいと考えたのか、次の日の午前中に行った。


「こうなっては、ツリーの一件も私か魔法騎士絡みに思えてくる」

「それについては考え過ぎじゃない?」

「ツリーの建設担当の1人に、学生時代の先輩がいるんだ」


 造形魔法は、建築の魔女の代表的な魔法だ。学生の時代に造形魔法の適性があると発覚したネフィリアードは、その先輩に何度か指南してもらっていた。

 ツリーが作られる一週間前に、休日で出歩いていたネフィリアードは先輩と広場で再会し、軽く会話をしていた。


「今後、被害が大きくなりそうだが……なにが目的なのか、全く分からないな」


 仮にこれをネフィリアードへの警告であり〈これ以上○○をすると、大事な人達がもっと傷付くぞ〉と捉えても、○○に当てはまる内容が分からない。


「君が逮捕した犯人の娘の逆恨み、とか?」

「それは無い。犯人の情報の中には、家族に関する内容もあるんだ。養子縁組や、離婚や養育施設に行き疎遠になった子供も含まれている。彼女達は、私や部隊が逮捕した魔女の身内には該当しない」


 魔女は虹色の薔薇から産まれる。神聖なその樹の元へと行けるのは女王だけであり、産まれて来た赤ん坊を最初に抱き上げ、祝福の名を与える重要な役目を担っている。

〈子供が欲しい〉と願う二人の魔女は、女王へ手紙と共に2本のリボンで編んだ髪飾りを送る。女王がその髪飾りを虹の薔薇の枝へと結ぶと、やがて蕾が付き、8ヶ月経つと花が咲き、その中から2人の特徴を持った赤ん坊が産まれてくる。しかし、その様な意図せずに産まれる事例や、髪飾りを結んでも蕾が一向に付かない場合もあり〈虹の薔薇の気分次第〉と女王は魔女達に忠告している。

 虹の薔薇の管理者である女王は、産まれて来た魔女の情報を掌握している。

 唯一の獣人であるネフィリアードは彼女と強い繋がりがある為に、情報を手に入れることは容易なのだ。


「それじゃ、君の厄介なファンによる嫉妬や承認欲求の暴走、とか?」

「私にファンなんているものか。コルエかミランジュのファンが、私に嫌がらせをしている方がまだ有り得る」


 若くして隊長になり、巨大なツリーを制圧する大きな活躍をした。そんな人に羨望の眼差しを向けない人が〈いない〉方がおかしい。たとえ獣人であっても、評価してくれる人はいるはずだ。

 アリュスは反論しようとした時、扉をノックする音が聞こえてきた。


「コルエとミランジュだよ。入っても良いかな?」


 ネフィリアードは確認を取る様に、扉を見た後にアリュスへと視線を送る。

 それに対して、アリュスは小さく頷いた。


「あぁ、入ってくれ」

 扉が開き、紙の束を持ったコルエとミランジュが入室する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ