第73話 『火の墓守』
今日は早速、『王家の墓』に挑戦する。
第一エリアは『火の墓守』。
火属性の騎士系モンスターが出現する。
海外でもARを通して見えるものは全て日本語。
めっちゃ便利。
これがフランス語とかで表示されてたらマジで苦労するとこだった。
ARKのおかげだけど、一昔前。
スマホだっけ?あれが流行してた時期は海外の言葉を覚えるとかしないとダメだったって考えると今は楽だな。
第一エリア『火の墓守』に挑戦してすぐに墓守の見習い騎士1体と遭遇する。
相手はたったの1体とはいえ、油断はしない。
初めて挑戦するダンジョン。
初めて戦うモンスター。
まずは慎重に相手モンスターの戦い方を見極める。
前衛はリーフィアに任せる。ブルーとラグニアは後衛で待機。
遠距離攻撃の手段はなかったはず。
だから、リーフィアが前衛でヘイトを稼いだところで攻撃。
「リーフィア、『闇閃撃』『影渡り』『ダークスラッシュ』!」
曲げずに飛ばしただけ『闇閃撃』は体を翻した見習い騎士の横を通り抜けた。
直後、背後に姿を現したリーフィアが背中を斬る。
ダメージは大きくないけど、正面にいるブルーとラグニアを無視して、リーフィアの方を振り向く。
よし、いい感じにヘイトを稼げた。
でも、ブルーとラグニアにこのまま攻撃させると、ダメージでヘイトをリーフィアから奪いかねない。
「リーフィア、『挑発』!」
これでブルーでもリーフィアからヘイトは奪えないと思う。
「ブルー、『ファイアボール』『スカーレットアロー』『プロミネンス』!」
このエリアのモンスターは、火属性に耐性がある。
ブルーの火属性魔法でどれくらいのダメージが入るか確認。
全然、ダメージ入ってないな。
やっぱり、ブルーの攻撃は基本的に雷属性を中心に組み立てるか。
「ブルー、『鳴神』『サンダーボール』『サンダーアロー』!ラグニア、『シャインボール』『ホワイトレイ』!」
完全にリーフィアを巻き込んでいる。
フレンドリーファイアは存在しないからリーフィアにダメージはない。
今度は大きくダメージが入った。
「ブルー、『電光迅雷』!ラグニア、『ホワイトダイブ』『ホワイトクロー』『ホワイトファング』!」
リーフィアはなにも指示しなくてもオレの考えを汲み取ってくれている。
自分から見習い騎士に背を向けて距離を取るように走っている。
見習い騎士がリーフィアと距離を詰めようとしている。
その背中にブルーの『電光迅雷』が決まった。
これで見習い騎士のヘイトがリーフィアからブルーに移った。
これは予想外だったけど、背後から『ホワイトダイブ』を使ったラグニアが激突する。
やや姿勢が前のめりになっていた見習い騎士にラグニアの追撃が炸裂。
そのまま前方へと倒れた。
それと同時にリーフィアが『魂葬・断』で斬った。
見習い騎士のHPはこれでゼロになった。
その後、ホテルに帰って今日のバトルを振り返っていた。
やっぱり、もっとLvを上げないとダメだと思う。
いろんな人に指摘されたことだから明日からはLv上げに重点を置こう。
プルプルプルプルプルプル、
いつものように真っ先にブルーが甘えに来たけど、リーフィアに捕まる。
オレが考え事してたからかな?
プルプルしながら今か今かと待つブルーを「まだダメです」と言って抑えている。
「リーフィア、ありがとう。もういいよ」
プルプルプルプル、プルン、プル
OKした瞬間にリーフィアの腕から抜け出し、プルンと飛び跳ねてオレの腕の中にプルと収まるブルー。
よしよし、なでなで。
こうしていつも通り甘えて来るブルーを可愛がったりしてたら1日が終わった。
次の日からも『王家の墓』第一エリア『火の墓守』に挑戦していた。
だけど、あまり状況はよくなかった。
第一エリアとはいえ、奥に進むと出現するモンスターの数が増える。
しかも出現するのが見習い騎士じゃない。
騎士やエリート騎士といった見習い騎士の上位モンスター。
全体的にステータスが見習い騎士よりも高い。
その上に複数体同時に相手しないといけないから厄介。
エリート騎士は火属性の魔法が使えるので、遠距離から一方的に攻撃ができない。
エリート騎士に苦戦して、まだエリアボスにすら辿り着けていない。
フランスに来て2週間が経過した頃、
「リーフィア、『挑発』『ダークスラッシュ』!ブルー、『鳴神』『サンダーボール』!『サンダーアロー』!ラグニア、『シャインボール』『ホワイトレイ』!」
よくやくここに出現するモンスターとのバトルに慣れてきた。
最初は見習い騎士を倒すので精一杯だったけど、今は騎士やエリート騎士にも余裕で勝てる。
それでもまだエリアボスには辿り着けていない。
騎士やエリート騎士を倒して更に奥に進むと今度は、ノーブル騎士が出現する。
一度に1体しか出現しないけど、かなり強い。
この先にいるエリアボスに挑戦したければ自分を倒して行けって感じ。
これでエリアボスじゃないからDランクダンジョンはやっぱり一筋縄じゃいかない。
ノーブル騎士が戦闘態勢に突入するとほぼ同時にリーフィアが単身駆け出す。
過去に2回ほど戦って正面から馬鹿正直に挑めば負けるのはわかった。
だから時間は掛かるけど、徹底的にデバフや状態異常を付与して弱体化させたところを叩く。
その為にはまずリーフィアの攻撃を当てるところから。
「リーフィア、『挑発』『ダークスラッシュ』!!ブルー、『フレイムフォース』!」
ここに出現するモンスターは、ブルーみたいに火属性耐性を持っている
だから最初はかなり苦戦したけど、攻撃はダメージを与える以外の目的でも使える。
『ゴブリンパニック』でレッドゴブリンにしたように、『フレイムフォース』は視界を潰すことに使える。
ダメージ自体はそこまで期待できないけど、目潰しの役目はしっかりと果たしている。
炎が吹き荒れる中、リーフィアの『ダークスラッシュ』が決まる。




