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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第5章 常夏の白黒祭

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第66話 分裂

 はあ、今日1日目全然ダメだったな。

 薫先輩と琴音先輩の足を引っ張るだけ。

 もっと強くなりたいな。

 とりあえず、部屋ではゆっくりしよう。


 プル、プル、プヨ、プヨ


 ベッドで横になってくつろいでいると、足元でなにかがプルプル、プヨプヨしてる。

 この感じ覚えがあるな。

 足元を見るとブルーがいた。

 オレが起き上がると急にブルーがプルンと俺の胸に飛びついてくる。

 ブルーをちゃんと落とさないようにキャッチするといつも通りに甘えてくる。

 よしよし、甘えん坊だなブルーは。


 ブルーをなでていると、いつものように俺の腕の中でプルプルしてるブルーはリーフィアが回収する。

 相変わらず、ブルーとリーフィアは仲が良いな。

 ラグニアは、いつも通り我関せずと毛繕いしてる。


 今日はこのままブルーのことはリーフィアに任せるか。

 なんか既にどこやって用意したかわからないけど、ブルー専用?の小さな湯船を用意されていた。

 ARだから床が濡れたりする心配はないから好きにすればいいけど……


 それよりも、さっき反省会で薫先輩がハッキリと実力不足と言った。

 弱いままでいるか、強くなる為に足掻くか。

 そんなの強くなりたい!

 でも、どうしたらいいか全然わからない。

 ブルーだって弱いわけじゃないのに全然ダメだった。

 このままじゃ薫先輩と琴音先輩におんぶにだっこ状態。


 オレはその答えを出すことができなかった。



 翌日、集合場所のラウンジに行くと郁斗、莉菜、オリヴィアの姿は見えなかった。

 少し待っても一向に現れる気配が無かったから部屋に呼びに行くも既に三人とも不在。


「琴音先輩、これ……」


「うん、急いで確認しよう!」


 薫先輩と琴音先輩が慌てた様子でどこかに電話する。

 すると、朝一で三人を見たという目撃証言が。

 薫先輩は右手で前髪をかきあげて嘘だろといった顔をしている。

 チームのリーダーを任されている琴音先輩もオレに言葉を失っていた。


 しばらくして、落ち着きを取り戻した琴音先輩が現状を教えてくれた。


「鬼灯くん、よく聞いてね。三人とも行き先は違うけど、船で白黒リゾートから立ち去ったみたい」


「……え?」


「……鬼灯、あの三人からなにか聞いてたりするか?」


「え、あ、いえ、俺はなにも」


「そうか」


 え、待って。どういうこと?

 三人とも船でどこか行った?


 郁斗、莉菜、オリヴィア。

 オレたち友達だよね?

 同じギルドの仲間だよね?

 なんでなにも相談してくれないの。

 なにも言わずに行かれたら、わからない。


 これって……オレのせい?


「……薫先輩、琴音先輩すみません。今日はもう部屋に戻ってもいいですか?」


「うん。ごめんね」


「悪い」


 オレは黙って部屋に一人で戻った。

 ベッドに横たわり、枕に顔をうずくめる。

 視界の端にプルプルしてるブルーがいた。

 かまって欲しいのかな?

 ……ごめん、今はそんな気分じゃない。


 すると、いつものようにリーフィアがブルー持ち抱える。

 今日はいつもと違い、激しくプルプルしてリーフィアに抵抗する。

 だが、無言で首を横に振るリーフィアを見ておとなしくなった。


 オレはどうしたらよかったのかな?

 三人とも示し合わせたかのようにいなくなった。

 きっとオレが『闇の祭壇』に挑戦したいなんて言ったからだ。

 だからオレに嫌気がさして三人ともなにも言わずに立ち去ったんだ。

 オレのせいだ。オレのせいで……


 自分で自分を傷つけ、追い詰め、果てには虚しさのあまり涙が止まらなくなる。

 もう自分でもこの先、何をどうしたらいいのかわからない。

 それでも何か、何でもいいから行動に移さないといけないという思いだけはある。

 しかし、自分のせいでチームが分裂したという罪悪感。

 れ以上余計なことをしたらどうしようという恐怖心からなにもできないでいた。


 それからしばらくしてオレは三人からメッセージが届いていることに気づく。

 内容までは開いて確認しないとわからない。

 だけど、罪悪感と恐怖心からメッセージ確認できないでいた。

 すると、突如として赤くて丸い物体がオレの頭の上に降ってきた。


「うわぁ!びっくりした。プルプルしてるってことはブルー?どうして上から」


 リーフィアに抱きかかえられていたブルーだったが、力業で抜け出した。

 その勢いのままオレ頭の上に落ちてきた。


 プルプルプルプル、プルンプルン


「ブルー……。ありがとう、おかげで少し元気になったよ。心配させてごめん。リーフィアもブルーの面倒を見てくれてありがとう」


 数回深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

 遅かれ早かれメッセージを見ないといけない。

 どんなメッセージでもちゃんと受け止める。


 その覚悟を決めて、三人から届いているメッセージを見た。

 そこにはオレの予想外の内容が書かれていた。

 涙が止まらなかった。


 三人から送られてきたメッセージの内容はほとんど同じ。

 オレや薫先輩、琴音先輩への謝罪。

 もっと強くなりたい。

 でも、このままチームに残ったら強い先輩たちに頼り切りになる。

 だから、チームを離れる。


 莉菜は再び日本全国のダンジョンを巡る。

 オリヴィアは母国アメリカに帰り、特訓。

 郁斗だけはどこでなにをするか書いてない。


 でも、三人とも今よりももっと強くなりたいと思って行動に移したんだ。

 きっとすごく悩んだと思う。

 こうしてメッセージを送ってきたのがその証拠だと思う。

 どんな理由だろうとチームを離脱するって聞いたら絶対に止められる。

 

 チームを離脱するとは書いてるけど、ギルドを抜けるともチームに戻らないとも書いてない。

 きっと三人とも強くなって戻ってくる。

 オレは郁斗たちを信じる。


 プルプルプルプルプルプル


「よしよし、なでなで。心配かけてごめん、ブルー、それにリーフィアも」


「いえ、主が僅かながらでも元気を取り戻して良かったです」


 プルプルプルプル


 薫先輩と琴音先輩にも心配かけちゃったな。

 三人ともオレにメッセージ送ってるなら、薫先輩と琴音先輩にも送ってるよね。

 とりあえず、 チームの今後のことは薫先輩と琴音先輩に任せよう。

 オレはオレでもっと強くなる方法を模索しないと。

 強くなって戻ってきた三人に笑われないように。


 どうしたら強くなれるか、か。

 うーん……


「主、ブルーから先日のダンジョンでのことは聞きました。お悩みでしたら主だでダンジョンに挑戦してみてはいかがですか?」


「え、オレ一人で?」


「Bランクの先輩方と一緒にダンジョンに挑戦するとランクが一気にCまで上がります。まだDランクのモンスターとの戦闘経験もそこまでありません。今はDランクの強さに慣れるところから始めるべきかと」


 プルプルプルプルプルプルプルプルプル


「ブルー、今は主と大事な話をしているので、少し大人しくしてください」


 プル、


 あ、ブルーが一瞬にして大人しくなった。

 今日は随分と素直だな。

 いつもはリーフィアに言われてもプルプルしてるけどな。

 まあそこまで気にする必要はないか。

 でも、リーフィアの言う通りだな。

 Dランクのモンスターとの戦闘経験もほとんどない。

 いきなりCランクのモンスターとバトルしても、昨日みたいに薫先輩と琴音先輩に頼り切り。


「今の私たちには足りないものがあまりにも多いですが、強くなるのに近道はありません。一つずつ誤魔化すことなく、地道に努力して積み重ねていくしか」


「ありがとう、リーフィア。そしたら今は少しでも時間が惜しいな。ブルー、リーフィア、あとくつろいでる所悪いけどラグニアも。今から『闇の祭壇』へ行こう!」


 こうして2日目途中からオレは一人で『闇の祭壇』に挑戦することにした。

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