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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第5章 常夏の白黒祭

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第64話 最強種の強さ、その片鱗

 オレたちは打ち合わせを終えて、『闇の祭壇』へ挑戦する。

『闇の祭壇』の中はかなり薄暗く、アンデッドモンスターの巣窟というイメージが一番しっくりくる。

 いつモンスターと遭遇しても大丈夫のように全員モンスターを召喚する。


「今日もお願いね、シルヴィーユ!」


「頼んだぞ、ドランバード!」


「来い、コン!」


「君臨せよ、カーラ」


「降臨せよ、エルナ!」


「出でよ、ブルー!」


 長い翡翠色の髪を束ねることなく、凛とした感じで弓を装備している女性がシルヴィーユ。

 人類種のエルフだからやや耳が長く尖っている。


 シルヴィーユに負けず劣らず、すごい迫力を感じさせるのが、ドランバード。

 2本の角、肩にかかるかどうかくらいの長さの水色の髪。

 遠目だと2本の角が生えた人間の様に見えるが、近くで見ると所々に竜鱗が見られる。

 ファンタジーとか登場する竜人とかに限りなく近い種族、そういう見た目をしている。


 エルナ、カーラ、コンはなにか威圧的なものを感じ取ったのか一歩も動けずにいた。

 怖いもの知らずか、ブルーはプルンプルンと飛び跳ねながら軽快にシルヴィーユとドランバードに近づいた。


 シルヴィーユとドランバードの前まで行くとプルンプルプル、プルンプルプルと飛び跳ねてはプルプルしてコミュニケーション?を取っている。

 ……ブルーが下手なことして怒らせないといいな。

 もう天に祈るしかできない。


 プルンプルン飛び跳ねているブルーをシルヴィーユが空中でガシッと両手で挟むようにキャッチする。


 そうして放たれた第一声が、


「あら、可愛い!!ねえ、ドランバードもそう思わない?」


「俺はノーコメントだ」


「ケチ!減るもんじゃないのに」


「そういう問題じゃない」


 なんだかどこかで既視感があるような会話だった。

 エルナやカーラ、コンもシルヴィーユとドランバードに近づき、ぎこちないけど、会話を始めた。


 あ、何か上手くやれてるみたい。

 はあー、良かった!ホントに。ブルーが何かやらかさないか心配して損した気分。

 シルヴィーユの両手でガシッと挟まれてるけど、ブルーの雰囲気的に大丈夫そうだな。

 それにしてもブルーなにを話したんだろうな?

 後でリーフィアを通して聞いてみようかな。


 そうこうしていると『闇の祭壇』第一層に出現するモンスター、グールと遭遇する。

 その数は2体。


「お、来たよ~。2体か、頑張ろうね、みんな」


「じゃあ、1体は引き受けるよ。ドランバード、『竜爪拳(りゅうそうけん)』!」


 背中の翼をバサッと広げ、ものすごい速さでグールに突っ込む。

 そして、右手の爪で引っ掻くようにグールを殴り飛ばす。

 ドランバードはそのまま殴り飛ばしたグールと1対1で戦うべく、距離を詰める。


「はーい。ここは薫くんに甘えて私たちはもう1体を薫くん以外の全員で倒すよ!」


「「「「はい!」」」」


 柊先輩の言う通り、残る1体のグールをオレたちで相手にする。

 前衛のカーラがゆっくりと距離を詰める。

 今回、ドランバードがもう1体を抑えているから、カーラしか前衛がいない。

 それもあって、少しだけブルーが前に出て、カーラをフォローできる位置にいる。


「フレンドリーファイア無いから構わず範囲攻撃とかバンバン撃っていいからね」


 いや、普通のモンスターはそんなバンバン撃てるほど範囲攻撃スキルとか持ってません!

 たぶん、オレだけでなく、莉菜や郁斗、オリヴィアも似たようなツッコミを心の中でした。


「とりあえず、コン、『稲荷狐の祈り』『影分身』『陽炎』『蜃気楼』!」


「カーラ、『闇刺突』『霞連槍』!」


「エルナ、『ロックオン』『スターバースト』!」


「ブルー、『鳴神』『電光迅雷』!」


「よし、私たちもいくよシルヴィーユ!『サウザンドアロー』!」


 コンが妖術を用いてグールを惑わせる。

 それを利用し、カーラが一気にグールとの距離を詰める。

 そこに『電光迅雷』を使ったブルーがグールをカーラと挟み込むように立ち回る。


 グールはアンデッドモンスターだから、光属性が弱点。

 その弱点を見事にエルナがつく。


 最大戦力のシルヴィーユは少し離れた場所でグールと1対1で戦っているドランバードをも巻き込む広範囲攻撃を放つ。

 空中に向けて放たれた1本の矢が無数に分裂して2体のグールを襲う。


「……うそでしょ」


 全然ダメージ入ってない。

 いや、ダメージは与えてるけど、ほとんど柊先輩のシルヴィーユの攻撃。

 Cランク相当の難易度、出現するモンスターも強いとわかってはいたけど、これは想像以上……


 想像よりもダメージが入らなかったショックによる一瞬の硬直。

 この一瞬でグールは反撃に移った。

 薫先輩と柊先輩は、それに当たり前のように対応する。


「ドランバード、『竜爪牙(りゅうそうが)』『竜掌拳(りゅうしょうけん)』!」


「シルヴィーユ、『ストームアロー』『イグニスアロー』!」


 反撃に移ろうとしたグールだったが、失敗に終わった。

 攻撃を仕掛ける前にそれぞれドランバードとシルヴィーユが攻撃することでそれを潰した。


 鋭い爪による斬撃をものすごい速さで飛ばし、離れた相手にも攻撃をすることができる『竜爪牙』。

 まるで拳だけワープしたかのように触れること無く、少し離れた場所にいたグールを殴り飛ばした『竜掌拳』。

 薫先輩は本当に一人でグールを完全に押さえ込んでいた。


 オレたちが相手をしていたグールブルーとカーラに狙いを絞り、闇を纏わせた左腕を大きく横に薙ぎ払おうとした。

 シルヴィーユは、その大きすぎる攻撃モーションによって生まれた防御の穴に的確に2本の矢を当て、弾き飛ばした。

 この攻撃により、2体のグールのHPは残り5割を切った。


 今、先輩たちが対処してくれていなかったらヤバかったかも。

 オレもブルーも全く反応できなかった。

 というより、攻撃されるって気づくことすらできなかった。


「カーラ、『ダークウェーブ』『ダークボール』!」


「コン、『狐火』『鬼火』!」


「エルナ、『シャインランス』『シャインアロー』!」


 しっかりしろ、オレ!まずは目の前のモンスターを倒さないと。

 その為にもみんなみたいに攻撃しないと!!


「ブルー、『スカーレットアロー』『プロミネンス』!」


「シルヴィーユ、『シューティングスター』『コスモフォールン』!」


 カーラ、コン、エルナ、ブルーの放った魔法はグールが両腕に闇を纏わせて、大して鋭くも無い爪で切り裂いた。

 ブルーたちの魔法でその存在を隠すように放たれたシルヴィーユの『シューティングスター』が直撃。

 直後、グールが2体とも宙に浮き始めた。


 オレの知らない未知の攻撃。

 グールだけど、侮れない。

 そう思って、警戒していると、柊先輩がオレの肩にポンっと手を叩いた。


「警戒しなくて大丈夫。これ、シルヴィーユのスキルで浮いてるだけだから」


「……え?」


 これがシルヴィーユのスキル!?

 こんなことまでできるのか。


「ドランバード、『水竜爪(すいりゅうそう)(めつ)』『水竜爪(すいりゅうそう)()』!」


 ここにドランバードが二つのスキルを叩き込み、仕留める。


 ドランバードの『水竜爪・滅』と『水竜爪・破』はコンボスキルとなっている。

『水竜爪・滅』の直後に『水竜爪・破』で攻撃するとスキルの威力が大幅に増強される。

 それが合わさって2体のグールのHPは一気に0になった。


 オレは目の前のバトルをただ傍観することしかできなかった。

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