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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第4章 ギルド結成

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第53話 『ナイトメア』対策

「カーラ、『ダークウェーブ』!」


「やっぱりね(ボソッ)。エルナ、『フレイムランス』!」


 莉菜の呟きはオリヴィアには聞こえていない。

 莉菜は初手が『ダークウェーブ』と読んでいた。

 しかし、エルナの『フレイムランス』では『ダークウェーブ』を相殺できず、被弾した。

 攻撃を読んでいたにしては少し対応が雑に思えるが、これは莉菜が狙って作った展開。


「まだ『ナイトメア』は使えません。なのでカーラ、『ダークランス』『ダークボール』!」


「エルナ、『シャインランス』と『シャインボール』で相殺して!」


『ダークランス』には『シャインランス』を、『ダークボール』には『シャインボール』をぶつけることで今度は相殺に成功する。


 ここでオリヴィアは一つ違和感を感じていた。

 なぜエルナは『キュアヒール』を使わないのか。

『ダークウェーブ』の被弾でデバフ・状態異常が付与されている。

 刻一刻と状態異常によるスリップダメージでHPが削られている。

 これにオリヴィアはわからないと結論づけ、切り替えた。


「カーラ、『連続突き』!」


「エルナ、『ロックオン』『スターバースト』!」


 オリヴィアはエルナに回復されない程度のダメージを与えて『ナイトメア』で倒したい。

 そのために『ナイトメア』のクールタイムが明ける前にそこそこダメージを与えたい。

 しかし、初手の『ダークウェーブ』以降、思うように攻撃が決まらない。


 遠距離攻撃では埒が明かない。

 そう判断し、今度は距離を詰めた近接戦で優位に立とうと試みた。

 だが、必中効果が付与された5発の『スターバースト』がカーラの行手を阻む。

『連続突き』で相殺を試みるが、『スターバースト』の威力に押されて何発か直撃した。

 それにより、カーラのHPは一気に残り半分を切った。


 莉菜にとって厄介なのは『ナイトメア』と『霞連槍』だけ。

 その『ナイトメア』を封じる手立てを莉菜は用意していた。

『霞連槍』もカーラを槍の間合いまで入らせなければいい。


 スキルによる攻撃が来なくても双銃による通常攻撃がエルナへの道を塞いでいる。

 この道をこじ開けて近づければ、また戦局は変わる。


「もうそろそろかな(ボソッ)」


 再び莉菜が1人、何かを呟いている。

 今度はオリヴィアも気づいた様子。

 だが、何を呟いているのかまでは聞こえないので、あまり気にしていない。


「カーラ……」


「エルナ、『キュアヒール』!」


「……『ナイトメア』!え……?」


 これが莉菜の用意した『ナイトメア』封じ。

 クールタイムを正確に把握しているので、発動の直前に『キュアヒール』を差し込むことができた。

 これによって『ナイトメア』は不発に終わった。

 それでも使用した扱いになるので、再びクールタイムに入る。


「今よエルナ!『スターフレイムショット』!」


「躱して、カーラ!」


 その後も莉菜の『ナイトメア』封じにより、カーラは一度もまともに発動できていない。

 それを使わなくてもダメージは与えている。

 だが、それも『プチヒール』でエルナのHPは最大まで回復している。


「カーラ、『闇刺突』!」


「それならエルナ、『シャインランス』!」


 高速で飛来する光の槍とカーラの持つ槍がぶつかる。

 少しの拮抗の末、光の槍は霧散して消え、カーラは勢いよくエルナに向かっていく。


「カーラ、『霞連槍』!」


「エルナ、『ロックオン』『スターバースト』!」


 これ以上の接近は致命傷になる。

 そう判断した莉菜は再び必中効果が付与された5発の『スターバースト』で迎撃する。

 しかし、それを今度は『霞連槍』で一つずつ確実に穿ち、相殺した。

 そのままの勢いで槍はエルナを貫いた。


「エルナ、『シャインランス』『プチヒール』!」


 至近距離で放たれる『シャインランス』を躱すのはカーラにもできない。

 それに被弾したことで『霞連槍』の連撃は途切れ、クールタイムに入る。

 その隙にエルナは回復を済ませて体勢を整える。


「『ナイトメア』!」


「ヤバッ!『キュアヒール』!」


 カーラにギリギリの所まで追い込まれたことで莉菜の頭から『ナイトメア』のクールタイムが飛んだ。

 気付いたときには既に時遅く、『キュアヒール』の発動前に『ナイトメア』がエルナを襲った。

 回復はさっきしたばかりで、しばらくできない。


「……エルナ、距離を下がって!」


「カーラ、逃がさないでください!」


 空中でエルナとカーラの追いかけっこが始まった。

 素早さのステータスはカーラの方が高い。

 それもあり、少しずつ2体の距離は縮んでいた。

 それでも、エルナは急上昇や急降下からの地面スレスレ飛行で巧みに逃げるが、1分ほどでカーラはエルナを槍の間合いに捉えた。


「こうなったら速攻で倒す!エルナ、『シャインランス』『シャインアロー』『フレイムアロー』『フレイムランス』『ファイアボール』『スターフレイムショット』!」


「カーラ、『闇刺突』『連続突き』『水刺突』『ダークボール』『ダークランス』『ダークウェーブ』!」


 エルナとカーラのバトル。

 開始当初はカーラにかなりの逆風が吹いていたが、今は違う。

 それを押しのけてエルナを追い込んでいる。

 しかし、カーラに余裕があるわけじゃない。


 カーラは回復魔法が使えないから今までのダメージが蓄積しており、残りHPは1割ほど。

 エルナも『プチヒール』で回復しているが、回復量をダメージ量が上回っている。

 回復しきれず、残りHPは5割ほど。


 エルナはカーラを近づけさせまいと弾幕を張る。

 カーラは『プチヒール』のクールタイムが明ける前に仕留めようと針の穴を通すように弾幕の隙間に攻撃を通す。

 そうして遂にこのバトルに決着の刻が来る。


 エルナが『ダークウェーブ』を防いだことでほんの少し弾幕に穴が空く。

 その一瞬を見逃さずにカーラは弾幕の防壁を突破する。


「カーラ、『霞連槍』!」


 こうしてカーラの槍がエルナを捉えると思われた。


「……やっぱりカーラは強い。でも、ちょっとだけ遅かったね」


 ()()から飛んできた一発の銃弾によってカーラのHPは0になる。


【カーラ DOWN】



 ◆◇◆◇



「最後の一撃、あれは莉菜が上手かったな」


 郁斗も気づいてた。

 声に出してエルナに指示してないけど、『ロックオン』を使ってた。

 さすがに『スターフレイムショット』で放たれた銃弾一発だけ上から飛んでくるとは思わないよな。

 ……オレとのバトルで使われなくてよかった。


「でも、まあ、今回は弾幕で視界を遮られてたから気づかないのも無理ないかな。あれに気づけはちょっと無理あると思う」


 確かに海夕の言う通りかも。

 観客席からだとフィールド全体が見えるけど、バトルしてるとそんなに広く見えないんだよな。

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