第46話 ブルーの挑発
「次どうする?」
オレ、莉菜、海夕の中からバトルする二人を選ぶ必要がある。
話し合っても結論が出なかったからグッとパーで同じ手を出した人同士でバトルすることになった。
結果はオレと莉菜がパーで海夕がグー。
次はオレと莉菜か。
郁斗とオリヴィアの対策も考えないといけないけど、今は莉菜とのバトルに勝つことだけを考えないと!
ブルーもこの日を待ちわびていて、ここ最近は毎日のようにプルプルして気合いを入れていた。
ただ、一つ問題がある。
リーフィアとラグニアのどっちを選出するか。
莉菜はたぶんエルナと人魚のマリンだと思う。
正直、マリンがどうやって戦うのか検討がついていない。
一つだけ言えるのは魔法に特化しているモンスター。
魔法の撃ち合いって考えるとラグニアだけど、それをすると莉菜のペースで戦うことになる。
エルナをブルーが倒す前提になるけど、ここはリーフィアにしよう。
あとはどっちを先に出すか。
無難なのはエースが最後だから、リーフィアが1体目、ブルー2体目かな。
いや、オレがブルーを最後にするのを莉菜が読んでエルナを先に出す可能性もあるよな。
正直、オレとしては1体目にエルナを出されて、エルナVSリーフィアの構図を作られるのが一番嫌だ。
そういえば、莉菜ってリーフィアとラグニアのこと詳しく知らないよな。
……潜在解放前の種族くらい。
ってことは、ラグニアがそれなりに魔法も使えるって知らないよな。
なら、1体目はエルナが一番安定してる気がする。
莉菜が持っている情報だとリーフィアとラグニアがエルナに勝つ可能性は限りなく0に近いと思うし。
よし、決めた。
オレの1体目は――
【鬼灯蓮VS姫島莉菜 バトルSTART】
バトルが始まる前かた一か八かの賭け。
いける!たぶん……
「出よ、ブルー!」
「降臨せよ、エルナ!……っ!?あれ、読まれた?」
よし!読み勝った。
よかった〜。
あとは、ブルーでエルナに勝って流れを確実に引き寄せるだけ!
「エルナ、『スターフレイムショット』!」
「ブルー、『スカーレットアロー』で撃ち落とせ!」
『スターフレイムショット』は全体攻撃スキル。
『ロックオン』を使っていないから必中効果は付与されない。
躱すのもありだけど、猛攻撃されて反撃する機会を失いそうだからここは撃ち落とす。
「なら、これでどう?エルナ、『スターバースト』!」
タッグEトーナメントで猛威を奮っていたエルナの新スキル。
極太のレーザーがエルナの持つ双銃から放たれる。
「ブルー、それは躱して『プロミネンス』!」
「エルナ、躱して」
防戦一方にならないように『プロミネンス』で反撃したけど、あっさりと躱された。
莉菜の狙いは『スターバースト』でブルーの『ディバインシールド』を使わせること。
悪いけど、その手には乗らない。
『ディバインシールド』は対エルナにおいて切り札と言っても過言じゃない。
ここはまだ温存。
「じゃあ、これは?エルナ、とにかく撃って撃って撃ちまくって!」
「ブルー、全て躱して!」
プルンプヨン、プルンプルンプヨン、プルン、プル!
空中から絨毯爆撃のように光と炎の銃弾が降り注ぐ。
それを全て華麗に回避するブルー。
それを見て機嫌を悪くするエルナ。
「むー、ブルー随分余裕ね!後で後悔しても知らないからね」
……ブルーなにかエルナに言ったのかな?
たぶん挑発したんだろうな。
エルナがバトル中にブルーに対して言葉を発した。
モンスターがバトル中にしゃべるって珍しい。
プルンと飛び跳ねて回避した後、空中でのプル!が気になる。
きっとあのプル!が原因だ。
「蓮、ブルーなにしたの?エルナがここまで感情を表に出すなんて珍しいんだけど……」
「ごめん、オレにもわからない。でも、ブルーの最後のプル!が原因だと思うよ」
「……蓮って結構苦労してるのね」
なんだろう。バトル中なのに莉菜に同情された気がする。
確かに毎日ブルーには甘えん坊タイムを最低30分は与えてる。
でも、そこまで苦労は……してるか。
否定できなかった。
ブルーへの接し方をもう少し考えた方がいいかも。
プル!!?プルプル……
「さてと、気を取り直して。エルナ、『シャインランス』!」
「ブルー、躱して『ファイアボール』!」
今のブルーなら余裕で躱せる。
そう思って指示を出したけど、回避する素振りすら見せずに『シャインランス』が直撃した。
「エルナ、今よ!」
「ブルー、今度こそ躱して!」
プル、プルプル!
これを好機と捉えたエルナは銃弾の雨を降らす。
しかし、それは何とか躱すことに成功した。
あ、大丈夫そう。
さっき無反応だったけど、なにがあったのかな?
いや、それは考えてもわからないしいいや。
今はどうやってエルナに勝つかだけを考えよう。
エルナは常に空を飛んでいる。
地上まで降りてくれたらって思うけど、それは望み薄。
ならチクチクとダメージを与えていくしかないけど、回復魔法がある。
だから、時間をかけず速攻でHPを削り切るしかない。
「ブルー、反撃開始だ。『フレイムフォース』!」
まずはブルーを起点として炎を全方位に噴出するフレイムフォースでエルナの視界を奪う。
「そうはさせない。エルナ、『ファイアボール』『フレイムアロー』『フレイムランス』!」
ブルーとエルナの攻撃が空中で衝突し、相殺された。
「今よ!『ロックオン』『シャインアロー』!」
『ロックオン』はスキルLvと同じ数 必中効果が付与された攻撃スキルを放てる。
今のスキルLvは5。
つまり、必中効果が付与された『シャインランス』が5発同時にブルーに襲いかかる。
これはギリギリまで引き付ける。
「ブルー、『ディバインシールド』!」
タイミングを見極め、5発の『シャインランス』を『ディバインシールド』で防ぐことに成功する。
これでオレが知る限りエルナの攻撃スキルは全てクールタイムに入った。
それに『フレイムフォース』とエルナの攻撃が相殺された事でフィールド上に黒煙が舞っていた。
それもあってお互いに視界不良に陥っている。
「ブルー、『サンダーアロー』『サンダーボール』!」
当然、ブルーもエルナがどこにいるか見えていない。
裏を返せば、エルナはどこから攻撃が飛んでくるのかわからない。
適当に放った攻撃は二つともエルナに直撃した。
エルナの居場所は掴んだ。
チャンスはこの一度きり。
「ブルー、『鳴神』『電光迅雷』!」
ここで更なる追撃を仕掛ける。
エルナは黒煙のせいで不意を突かれた形になった。
それもあって、身構えておらず、空中で体勢を崩した。
その状態で『鳴神』が直撃し、エルナは地面へ一直線。
すぐに立て直して高度を上げようと試みるが、雷を纏い高速で突っ込んでくるブルーによって阻止される。
「エルナ、『プチヒール』で回復!ブルーもほとんどのスキルがクールタイムに入ってる。だから焦らなくて大丈夫」
思ってたよりも莉菜が冷静だな。
いろいろと考えて実行に移して、あと少しのところまでHPを削った。
だけど、今の『プチヒール』で全回復された。
でも、問題ない。
先に『プチヒール』を使わせることができた。
クールタイムが明ける前にまたダメージを与えたら、今度は倒せる!




