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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第3章 タッグEトーナメント

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第27話 強敵!ドライアド

「ふー、ようやくボス戦か」


 ボス戦。ここのボスは妖精種のドライアド。

 風属性と土属性の魔法を使う遠距離特化のモンスター。

 特に厄介なのは、樹の根を操って攻撃や拘束をしてくるとこ。


 目の前に現れたウインドウでドライアドのいるボス部屋を選択する。

 クイーンスパイダーのいたボス部屋と景色はほとんど何も変わってない。

 一つだけ違うとこがあるとしたら、部屋の中央に巨大な樹がそびえ立っている。

 そして、その前に佇んでいる緑色の髪の女性。

 たぶん、ドライアド。


「あななたちね。私の森を荒らしているのわ。許さないわ、絶対に」


 え?話しかけてきた?

 しかも、めっちゃ怒ってるし……

 森を荒らした?

 それってここまで来るのにいろんなモンスターと戦ってきたことを言ってる?

 もしそうなら、これはゲームの演出ってことか。


「先手必勝!コン、『影分身』『陽炎』『蜃気楼』『稲荷狐の祟り』『稲荷狐の祈り』!」


「カーラ、『ナイトメア』!」


 ドライアドは地面と平行になるように右腕をスっと振り上げる。

 地面から樹の根が出てきて、ブルーたちに襲いかかる。


「アナスタシア、『超加速』『ソニックスラッシュ』!」


 エルナとカーラは、空を飛んで回避にしようとするも、足が樹の根に絡め取られ、床に叩きつけられた。

 ブルーはちゃっかりというか、謎の強運?を発動して全て回避している。


 え?普通ならコンの幻に囚われて、全くの見当違いな場所に攻撃がいくはず。

 なにかしらのスキルで効いてないってことか。


「エルナ、『ロックオン』『スターフレイムショット』!」


「ブルー、『プロミネンス』『鳴神』!」


『陽炎』と『蜃気楼』が効かなくてもやることは変わらない。

 そう思って攻撃を仕掛けたけど、樹の根が瞬時にドライアドを覆い隠すように球体を作り出した。

 これに阻まれてブルーとエルナの攻撃は一切届かなかった。


「こじ開ける。アナスタシア、『チャージスラッシュ』!」


「コン、『狐火』!」


「カーラ、『闇刺突』『連続突き』『霞連槍』!」


 ブルーとエルナの攻撃を受け止めても綻びはどこにもない。

 そこを一点集中の攻撃でアナスタシア、コン、カーラが貫いた。


「今よ!エルナ、『シャインランス』『シャインアロー』!」


 そこを速さに特化した光属性の魔法でドライアドを貫いた。

 その瞬間、球体を構成していた樹の根が腐ったようにボロボロと崩れ落ちていった。


「この……忌々しい!どれだけ私の森を荒らせば気が済むの。誰の許しを得て、私の森を侵犯する!」


 オレたちへ怒りをぶつけてくるけど、これって本当にゲームの演出なのかな?

 この迫力、かなりリアリティがあるけど……

 ドライアドの目が絶対に許さないと訴えかけてくるようだ。


 次の瞬間、ドライアドが今度は地面と平行になるように左腕をスっと振り上げると、地面から樹が生えてきた。

 生えてきた樹は1メートルくらいの高さで成長を止めて、それはドライアドと全く同じ外見に変化した。


「これってコンの『影分身』と同類のスキルか?」


 郁斗がボソッと呟いた。

 

 もし、コンの『影分身』と同類のスキルなら攻撃を一度でも受ければ消える。

 オレと同じ考えに至ったのか莉菜とオリヴィアが動いた。


「エルナ、『ファイアボール』!」


「カーラ、『ダークウェーブ』!」


 出現したドライアドの分身体は5体。

『ファイアボール』が外れても範囲攻撃の『ダークウェーブ』が確実に1体は捉える。

 もし、一撃でも当てるだけで倒せるならコンの祟りとカーラの『ナイトメア』で簡単に一掃できる。


 そう思っていたけど、相手はEランクダンジョンのボスモンスター。

 そんなに甘くはなかった。


 エルナとカーラの攻撃が直撃することで、5体の分身体にHPバーが出現した。

 今の攻撃で削れたのは、たった2割。

 エルナの『ファイアボール』が直撃した個体でも3割しか削れていない。

 それでもドライアド本体ほどステータスやHPは高くない。

 かなりヤバい状況に変わりはないけど。


 今のところ、分身体からの攻撃はないけど、なるべく早く倒して、ドライアド本体のみに集中したい。

 だけど、そこまで上手くはいかない。


 ドライアド本体から『ウインドカッター』や『ウインドボール』更には範囲攻撃の『ウインドトルネード』までもがブルーたちに襲い掛かる。

 ただ、分身体は一切攻撃してこない。


 みんな反撃したくてもできない防戦一方。

 なにかを変えないとジワジワ削られてやられる。


「蓮、郁斗、距離を詰めるよ」


「距離を詰める?……そういうことか!よし、やってみるか」


 海夕からの提案に郁斗は少しだけ考える素振りを見せて、すぐに理解した感じがした。

 正直、オレはなにも理解できてないけど、二人がやるなら乗ってみる。


「アナスタシア、『ダブルスラッシュ』『ライジングスラッシュ』!」


「コン、『焔爪』『火輪跳』!」


「ブルー、『プロミネンスアタック』!」


 ここにきて風属性の魔法による怒涛の攻撃。

 それを掻い潜ってアナスタシア、コン、ブルーが距離を詰めて攻撃を仕掛ける。


「なんでか分身体は攻撃してこない。これで少しでも本体の意識を分散できたら……」


 しかし、ブルーたちの攻撃の全てを分身体が本体を庇うようにその身を曝け出す。


「くっ、この……!」


 本体は風属性だけじゃなく、土属性の魔法も混えてエルナとカーラを攻撃している。

 アナスタシア、コン、ブルーが距離を詰めた影響で全ての攻撃が2体に集中してる。


 この状況を打開するには、分身体を倒すしかない。

 そのためには、『ナイトメア』のクールタイムが明けるのを待つしかない。


 ブルーたちも一旦距離を取り直し、再び防戦一方に陥る。


「カーラ、『ナイトメア』!」


 これで分身体を倒せる。

 そう思っていたけど、実際には残りHP3割までしか削れなかった。


 分身体のHPが思ってたより減っていない。

 もしかして、HPが減れば減るほど防御力が上がるのか?


 すると突然、5体全ての分身体が何かに祈るように両手を組む。

 次の瞬間、分身体のHPが回復し始めた。

 みるみる回復していき、ものの数秒で全回復する。

 その後、本体のHPも全回復した。


 ここまでHPを削ったのに、回復するとか反則。

 ボスモンスターや取り巻きのHP回復はゲームにおいてご法度でしょ。


「うわぁ、回復しちゃったよ」


「ほんと。また一からやり直しとか最悪ね」


「でも、与えたデバフや状態異常は解除されてませんよ。全て一からやり直しという訳ではなさそうです」


「時間をかけてデバフを悪化させて、一撃で倒しましょ」


 郁斗、莉菜、オリヴィア、海夕とみんな前向き過ぎ。

 オレがネガティブ過ぎるだけ?

 いや、そうだよな。もっと前向きに考えよう。


 問題は一撃必殺の一撃を誰がどうやって当てるか。

 やっぱカーラの『ナイトメア』が一番無難かな。


「本体と分身体を分断して戦いましょ」


 確かに。分断しないと本体から怒涛の攻撃。

 分身体が身を挺した防御と厄介すぎる。


「私と蓮が本体の相手をする。莉菜、オリヴィア、コンで分身体をお願い」


「「「「了解です」」」」


「エルナ、『ロックオン』『スターフレイムショット』!」


「カーラ、『ダークウェーブ』『ダークボール』!」


「コン、『鬼火』『狐火』!」


「ブルー、『プロミネンス』『ファイアボール』『フレイムアロー』!」


「アナスタシア、『超加速』『ダブルスラッシュ』『ライジングスラッシュ』!」


 ブルーが魔法を本体と分身体の間に攻撃を通す。

 その間に『超加速』を発動したアナスタシアが本体に突っ込む。

 それと同時にエルナたちの攻撃が次々に炸裂する。


 それからアナスタシアが本体にノーガードで攻撃を続ける。

 受けたダメージはブルーとエルナの『プチヒール』で回復してる。

 それでもアナスタシアのHPが残り2割まで削られる。


「ここ!アナスタシア、『ソードカウンター』!」


「カーラ、『ナイトメア』!」


「エルナ、『ロックオン』『スターフレイムショット』!」


「コン、『火輪跳』『焔爪』『二尾の焔』!」


「ブルー、『プロミネンスアタック』!」


 本体に背を向け、アナスタシアが分断に成功していた分身体に向けて『ソードカウンター』を放つ。

 それに合わせてカーラ、エルナが攻撃し、分身体を全て一掃する。

 その間、今度はブルーとコンが本体の相手をし、アナスタシアに攻撃の矛先を向かせない。


 分身体を全て倒したけど、再召喚される気配はない。

 よし、このまま本体を……


「許さない。どれだけ傷つければ気が済むの?」


 ここで再びブルーたちを樹の根が襲う。

 しかも量が増えてる!

 もしかして、分身体を倒すとドライアド本体のHPは回復しない代わりに攻撃の密度が上がるのか!?


 エルナとカーラは早々に空中に退避したから地上と空中で攻撃が分散しているのが幸いした。

 辛うじて攻撃を回避できている。


 その後はまともに攻撃が通らない状態が続いた。

 唯一の救いはカーラの付与したデバフや状態異常が解除されていなかったこと。

 そのおかげで『ナイトメア』でコツコツダメージを与えることができた。

 でも、逆に言えばそれしかできなかった。


 エルナも『ロックオン』を使えば必中効果を付与した攻撃ができるけど、それをする余裕はなかった。

 HPがギリギリのアナスタシアや攻撃を受けてHPが削られたモンスターの回復をブルーと一緒に担っていた。


 それから1時間近く掛けてカーラのナイトメアでドライアドのHPを削りきった。

 途中、狂乱モードに突入したが、やることはとにかく防御に徹するだけ。


 何とも言えない勝ち方だけど、勝ったことに変わりはないけど、後味の悪い勝利だった。

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