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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第3章 タッグEトーナメント

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第21話 ご機嫌斜めのブルー

 突如として女王雀蜂がお尻の針をこちらに向けてきた。


 何をするつもりだろ?

 とりあえず、警戒するのに越したことはないか。


「ブルー、少し距離を取って!」


 プルプル、プヨン


 念の為にブルーを少し後ろに下げたけど、何をするつもりだ?


 女王雀蜂がブルーたちから遠ざかるように後ろに下がっていく。

 ある程度下がったところで動きが止まる。


 動きが止まった――攻撃のチャンス!


「今です!カーラ、『闇刺突』『水刺突』!」


 よし、オレもブルーに攻撃の指示を……


「あ、待って。今 接近しちゃダメだ!」


「「え……?」」


 オレとオリヴィアがまったく同じタイミングで呟いた。

 郁斗が何を言いたいのか理解できなかったから。


「オリヴィア、すぐにカーラを戻して!」


 状況が何も理解できず、オリヴィアはカーラに何も指示できないでいた。

 そうして、カーラは女王雀蜂に向かって真っ直ぐ突っ込んでいく。

 それに対し、女王雀蜂はお尻の針をこちらに向けたまま突撃してくる。


 予期せぬ反撃。

 カーラの攻撃はタイミング、間合いを完全にずらされ、空振りに終わる。

 そこに女王雀蜂の針が突き刺さり、ボス部屋の壁に激突する。


「カーラ!!」


 オリヴィアの悲痛な叫びがボス部屋に響く。


 今の一撃でカーラのHPが残り3割まで削られた。

 しかも、状態異常に陥っていて、スリップダメージを受けている。

 このままではあと数秒でカーラのHPは0になってしまう。


「エルナ、カーラに『キュアヒール』『ヒール』!」


 女王雀蜂の更なる追撃が決まる前にエルナの回復が間に合った。

 そのおかげでほぼ全回復したけど、『キュアヒール』によって一度は解除した。

 しかし、直後の追撃で再び付与されてしまった。


 それに加えて、エルナも『プチヒール』を使った。

 これでブルーの『プチヒール』がクールタイムが明けるまで回復手段が無くなった。


「これ以上はさせない!アナスタシア、『ソニックスラッシュ』『ダブルスラッシュ』『チャージスラッシュ』!」


「コン、『狐火』『火輪跳』!」


「エルナ、『フレイムアロー』『ファイアボール』!」


「ブルー、『ファイアボール』『フレイムアロー』!」


 少しでも女王雀蜂の意識をカーラから逸らす。

 その為に今使える攻撃スキルを全て叩き込む。


 それが功を奏したのか、女王雀蜂は羽をはばたかせて、飛び上がり、カーラから離れる。


 そして、再びボス部屋全体を覆う竜巻による攻撃がブルーたちに襲いかかる。


「エルナ、『シャインランス』『シャインアロー』!」


 すかさずエルナが相殺しようと攻撃するけど、その勢いは衰えることなく迫ってくる。

 最初、直撃した時のダメージ的に今の残りHPでもみんな耐えると思う。

 だけど、カーラは状態異常によるスリップダメージで、刻一刻とHPが削られている。

 回復手段がない以上、どうにか相殺か回避をしたい。

 でも、相殺しようにもさっきのでみんな攻撃スキルがほとんどクールタイムに入ってる。


「ブルー、カーラの前に!そこで『マジックシールド』!」


 プル!


 できるかどうかわからないけど、ここで防ぎきれないとカーラが大ダメージを負ってしまう。

 そうなるとかなりジリ貧となるので、阻止したい。


『マジックシールド』が巨大竜巻と衝突する。


 パリン!


 一瞬たりとも均衡することなく、破られる。

 そのままブルーとカーラを呑み込む。


 ブルーは半分以上残して耐えたけど、、カーラは残りHPが1割ほど。

 このままだと、追撃を受けなくてもスリップダメージでHPが0になる。

 もうどうしようもないのか……

 

「くそッ、どこいった?」


 あ、しまった。見失った。


 みんなそれぞれのモンスターの残りHPに意識がいき、女王雀蜂を見失っていた。

 羽音がブーってするから飛んでいるはず。

 でも、上を見回しても姿が見えない。


 「ブルー、今のうちにカーラの回復を!」


 プル、プルン?


 えっ、莉菜がブルーに指示を出した?

 カーラの回復?


 プル!プルプル……


 あ!『プチヒール』のクールタイム明けてるわ。

 莉菜に言われるまで、すっかり忘れてた。

 ……てか、ブルーも忘れてそうな感じがしたけど、オレの気のせいだよね?


 ブルーの『プチヒール』だとカーラのHPは6、7割しか回復しないけど、今はそれで十分。

 これだけ回復していれば、エルナの『プチヒール』と『キュアヒール』のクールタイムが明けるまで耐えれると思う。


「カーラ、『ナイトメア』!……上です!」


 上……?

 あ、これってあれか!

 見えないやつか。


 女王雀蜂は風を全身に纏うことで姿を一時的に消すことができる。

 でも、よく見ると違和感を感じる場所があるからそこを攻撃したら炙り出せる。

 それにいち早く気づいたオリヴィアがカーラの『ナイトメア』の発動エフェクトで、真上に女王雀蜂がいることを見抜いた。


 キュイィィィーーーーー!!!


 ここで女王雀蜂は『ウインドボール』をカーラに向けて放つ。

 そのタイミングでカーラは遥か上空にいる女王雀蜂に向かって突撃する。

 そして、『ウインドボール』をギリギリまで引き付けて躱し、そこから更にスピードを上げた。


 ギィァ!!!?


 女王雀蜂は、『ウインドボール』が死角になってカーラの接近に気づくのが遅れた。


「カーラ、『連続突き』!」


 カーラの『連続突き』を合図にエルナ、ブルー、アナスタシア、コンが同時攻撃を仕掛ける。


「エルナ、『フレイムランス』!」


「ブルー、『プロミネンス』!」


「アナスタシア、『ソードカウンター』!」


「コン、『狐火』!」


 ドカーン!!


 この同時攻撃で女王雀蜂の残りHPは2割まで減った。

 しかし、狂乱モードに《《突入しなかった》》。


 狂乱モードになれるのはダンジョン最奥にいるダンジョンボスだけ。


 特に何かが強くなった訳でもないので、HP管理だけ徹底して行うことで確実にHPを削っていった。

 当然、最優先でカーラに付与された状態異常は解除した。


 カーラの攻撃で蓄積したデバフ・状態異常がかなり効いてる。

 最初は全然ダメージが入らなかったけど、今は目に見えるレベルでHPが減っていく。


「エルナ、『ロックオン』『フレイムランス』!」


「カーラ、『ナイトメア』!」


 最後はエルナとカーラの必中効果付きの攻撃が炸裂し、女王雀蜂のHPは0になった。


 序盤の苦戦が嘘のように最後あっさりだったけど、これも全てカーラの付与したデバフがあったから。

 もし、途中でカーラが倒されていたら、勝てたかどうか……

 とにかくギリギリの勝利だった。


 今は素直に勝てたことを喜ぼう。


「やりました!」


「よっしゃー!」


「ふうー、何とか勝てたわね」


「よかった勝てて……」


「うん、みんなのおかげで勝てた」


 第一エリアのエリアボス、女王雀蜂を倒したオレたちの前には、銀色に輝く宝箱があった。


 パーティーを組んでエリアボスなどを倒した場合、宝箱は一人一つ割り当てられる。


 みんなが宝箱を颯爽と開けていくのを横目にオレも開ける。


 オープン!


【魔法攻撃スキルの書を獲得しました】


 魔法攻撃スキルの書!!?

 これは大当たりだぞ。

 早速ブルーに使うか。


【ブルーに魔法攻撃スキルの書を使用しますか? はい いいえ】


 もちろん「はい」を選択する。


【ブルーは『鳴神』を取得しました】


 えっと、なになに……

『鳴神』は雷属性の魔法攻撃スキルか。

 これは大きい。

 かなりクールタイムが短いから使い勝手がいい。


 プル、プル、プル、プルプル、プルン〜


 ブルもかなりテンション上がってる。

 よしよし、なでなで。


 プルプル、プルルン


「とりあえず、時間的にも今日のところはこれで解散ね」


「コンの攻撃スキルを増やさないとな」


「いや、それを言ったらブルーもだよ」


 その後、オレたちは明日、再びこの場所に朝9時に集まることにし、解散した。

 その間、ブルーたちは仲睦まじく、和気あいあいとしていた。

 それもあって、解散することに断固反対したりもしたけど、各自で何とかした。


 プルン、プルプル、プルン!


 楽しくはしゃいでいた所を邪魔されたせいかブルーの機嫌がすこぶる悪い気がする。

 この後、ブルーの機嫌を直すのに3時間も掛かるとは夢にも思わなかった。

 これからはブルーの機嫌を損なうことは極力しないようにすると心に固く誓った。

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