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第41話 聞かれてしまった

 相棒が色々と教えてくれた。

 しかし、教えてくれ過ぎたようだ。


「どうしたもんか……」

「あら、どうしたんですの? ご主人様」


 部屋に戻った俺はベッドの上でうつ伏せになりながら、ドリィルにマッサージされながら考えた。

 エッチなマッサージではなく普通のマッサージだ。

 いや、終わったらエッチするけど。


「ん~……実は、修道会の聖女隠密騎士が紛れ込んでるらしくてな、それをどうしようかと思ってるんだが、ちょいと困ったことになってな」

「まあ、それは大変ですわね。かつてヤミナル姫を始め、この王国とも繋がりがなかなか深いですものね」


 ドリィルが心配そうにしながらも、背中や肩へのマッサージは止めない。というか、段々気持ちよくなってきた。やっぱドリィルに任せるのは正解だった。


「何か策はないんですの?」

「あるっちゃあるんだがなぁ、ちょっとそれには躊躇ってんだよ……」


 そう言いながら、ドリィルが俺の体の凝ったところを揉む。

 ああ、なんて気持ちのいい……


「奴ら隠れてるらしいんだけど、お前の親父に捜索させたりとかできないのか?」

「お父様は何でも屋ではありますが基本は商人ですので、そういうのはちょっと……」


 だよなぁ。

 つか、一応は不自然ではない範囲で俺も部下に「ネズミが侵入している」ということで捜索はさせているけど、見つけられないようだ。

 相棒曰く、俺達では自力で探すことはできないとのこと。

 でも、だからと言ってそのために妹とエッチしろってのはな……


「でも、ご主人様はどうして彼らが潜入していると分かったんですの?」

「ん? それはシガーや街の連中が見知らぬ連中を見つけたってことで、色々と調べていくうちに【そうだ】ってのが分かったんだ。詳細は言えねえけどな」

「ほ~ん」


 流石に相棒が予言者の様に未来に起こることを知っているってことについては言えない。

 だが、俺がそんな話をしていると……


「でも、相手が修道会だと分かっているのであれば、直接乗り込めばいいんではないですの? レイヴァ様であれば武闘派の修道会でも叩き潰せるのではないんですの?」

「いやぁ、そうしたいのはやまやまなんだが、重要なのは修道会の本拠地や聖母に繋がる隠し通路……いや、まあ、なんつーか色々と欲しい情報があるんだよ。それを入手するには、潜入している奴らを捕まえるしかなくてな」

「ほ~ん……あ、ご主人様、エッチしますか?」

「どうしたもんかな。ああ、エッチはする」

「んちゅっ♥」

「ん」


 レースの下着、ガーター、ストッキングだけの姿となったドリィルが俺の上に乗り、キスしてきた。うん、エロい。


「でもご主人様、そういう情報が欲しいのであれば、わざわざ侵入者を捕まえて吐かせるよりも、普通に別の方に聞けばいいのでは?」

「は?」


 キスをしながらドリィルが当たり前のようにそういうことを言ってきた。

 いや、聞けばって誰に……


「だって、ヤミナル姫はそこで修行されていたのでしょう?」

「ああ、みたいだな」

「なら、潜入者を捕まえて拷問して吐かせなくても、ヤミナル姫に聞いて教えてもらうか、教えてくださらないのであればご主人様の超テクでヤミナル姫を完全篭絡して情報を……」

「………………」

「ご主人様?」

「ッ!」

「え……」

「それだああああああああああああああああああ!!!!!」


 俺は思わず声を上げていた。

 そうだよ、ヤミナルなら全部知ってるじゃねえかよ。

 何でこんな簡単なことに気づかなかったか? 

 いや、シスクとエッチしないといけないみたいなことばかりを考えていて、そんな簡単なことに考えが及ばなかった。

 でも、ドリィルの言う通りだ。

 確かに、正面から馬鹿正直に聞いても「友は決して売らぬ」みたいなことを言って教えてくれない展開が目に見えている。

 だけど、俺のテクで……いや、それだったら、相棒のいうハーレムイチャイチャルートでマムミルクを攻略する前に、ヤミナルを俺のモノにすればいいんじゃ……


「ドリィル! お前天才だな!」

「え、あ、えへへ」


 とりあえず、思わぬ助け舟にドリィルを抱きしめる。

 やばい、ドリィル大好き。めっちゃ愛おしく感じてきた。

 そして……


「ドリィル……いっぱいエッチすっぞ」

「あ……はぃ……♥」


 これまで以上にドリィルとのエッチを楽しみ、そして今後のことを考える。

 ヤミナルを篭絡する。

 あいつの身も心も完全に俺のモノにする。

 そして、俺の虜にする。

 そうすりゃ、情報はゲットでき、マムミルクは俺のモノにでき、さらに俺のハーレムは素晴らしいことになる。

 最高じゃないか。

 それだけのために頑張れる。


「ご機嫌ですわね、ご主人様!」

「おうよ! だって、ついさっきまでの俺は妹の――――」


 そう、ついさっきまでの俺は妹のシスクとどうやったらエッチできるんだと悩んで……



「失礼しまーす、お兄ィ~、お取込み中悪いんだけど~、ちょっと話が――――」


「――――シスクとどうやったらエッチできるんだと悩んで……」


「………え?」


「……へ?」



 そのとき、ドアがノックと同時に開かれて、シスクが部屋に入ってきた。

 シスクはある日を境に、俺が女を犯してようと抱いてようと、もう慣れたもんだと気にせず業務優先で部屋に入ってくるようになったんだが……あれ?


「え、あ、お、お兄……わ、私とど、どど、どうやったらエッチしたらって、悩ん……え、ええ?」


 シスクが一瞬で顔を真っ赤にしてメチャクチャオロオロと……あ、や、ヤバい、ちょうどヤバいところを聞かれ……



「お、お兄ィが私とエッチ……え、ええ? お兄ィ……わ、私とエッチなこと……し、したいの?」


「あ、あ、えっと、シスク……」





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