第36話 チョロ堕ち調教
翌日の定例会議で王国の統治について話を進める。
虐殺や凌辱などを排除して、人間たちと魔王軍兵士との交流やヤミナルの無事な姿を見せたり、なんだか最近俺が街でもそれなりに人間どもに「危険じゃない」と思われてきているからか、目立った反乱や反逆もなく、うまい具合にこの地が俺たち魔王軍のモノになっているということを確認し合った。
「そう……今までならば人間どもを皆殺しにして、この地に魔王軍の兵を埋め尽くして砦と化していたけれど……まさかレイヴァがここまで平和的に統治するとは思わなかったわ……結果的に民も、資財も武器も多くのものを管理して、吸い上げることも……」
定例会議の中で魔王軍の姫として真剣に話を聞き、言葉を述べるマキ。
だが、真剣な顔をしたまま、マキは俺の目を見て小さく指で自分の首輪をトントンと叩いて見せた。
つまり、これは……
会議中に……
―――ブルブルブルブルビリビリビリ♥
「ッ、そ、それで……そ、その……今後の治安や経済を、ううん」
一瞬でマキの表情が崩れて、必死で耐えながら悶える。
「姫様? あの、どうかなさいましたか?」
「い、いえ……だ、だいじょうぶ、よ……はぁはぁ……」
魔王軍の側近にマキの様子がおかしいことに気が付かれて心配されるが、なんとか誤魔化す。
真顔を決して崩さず、その表情は未だ王の風格を漂わせている。
だが、それなのにマキは俺の方を向いて、また首輪を指でトントンと……
そして、俺がそれを合図にまた……
―――ブルブルブルブルビリビリビリ♥
「ッ、ううん……だ、だから……魔王軍の人間たちへの……そういうんじゃなくて……」
またもやマキの身体がビクンと震えて、顔が赤く染まる。
そしてマキはすぐさま首輪をトントンと指し示す。
そして俺が魔力を送り……
―――ブルブルブルブルビリビリビリ♥
「ッ」
マキの身体が大きく仰け反って反応。
「あのぉ、姫様、もしお体の具合が悪いのでしたら……」
流石に様子がおかしすぎると感じたようで、我が愛しの妹のシスクがマキに駆け寄る。
「い、いえ……だ、だいじょうぶ……ちょっと……その……」
「その?」
「……ちょっと……いえ、だ、大丈夫よ」
シスクが心配そうに様子を伺うが、マキは「なんでもない」の一点張り。
まさか、シスクも仕える主がこんな公の場で兄である俺の手で雌豚調教されてるなんて思うわけもない。
だが、その後もマキは首輪をトントンとしてくる。
そして、俺はそれを押す。
何度も何度も。
マキが止めろと言わない限り、何度でも押す。
「ええ、そうね……だから……そういう感じで……い、いや、こ、これは違うのよ、あの……これは……♥♥♥♥」
会議中、周りに悟られないように、声を押し殺して喘ぐ雌豚マキ。
しかも、自分から首輪トントンで催促してくる。
もうすっかりハマってやがる。
そしてついにマキは立ち上がり……
「ひょ、ひょにかくぅ! ……こほん、と、とにかく、今までと違うことをしていのだから、実際の人間たちの姿や反応を見させてもらわないとね! ねえ、レイヴァ 軍団長! だ、だから、そう、今すぐ視察するから案内してんんん」
全てを分かっている俺だからこそ、顔を紅潮させてメチャクチャ内股でモジモジしまくっているマキの様子を見て興奮しっぱなしだった。
「ひ、姫様、大丈夫ですか? なんだかとても辛そうで……ご気分が悪いのですか?」
「い、いえ、そんなことは…………あの、えっと……その……」
シスクに心配されるマキ。だが、マキは俺を見つめて……
「と、とにかく! レイヴァ軍団長、私は今から視察に行くわ!」
と、言ってきたので……
「しょ、承知しました」
俺がそう答えた瞬間、マキは部下たちの前だというのに足早に俺の手首をつかんでそのまま勢いよく会議室から連れ出そうとする。
それはやはり明らかに不自然で……
「お兄ィ……姫様……なんか変だったけど……仕方ない。じゃあ、これにて定例会議は終了。私、今日は姫様とお兄っ、こほん、レイヴァ軍団長に同行しますから」
と、真面目な妹がそんなことを言い出すのは自然なわけで……
「ったく、明らかに不自然だろうが」
「ぶひ、ぶひ、旦那様ぁ♥」
俺の部屋に入ってマキは四つん這いで俺に甘えてくる。
そして、足にしがみついて潤んだ目で媚びてくる。
「だって、旦那様にイジメられたくて!」
うーむ、人格崩壊してるようなこの変わりっぷり。あのドSなマキがここまでになるとはな。
「視察……行くんだろ?」
「い、行く、イクわよ、イクわ!」
「……おい」
「ぶひ♥」
「いや、そっちじゃなくて……」
相棒に言われたようにマキを調教したが、一晩抱いただけでここまでになるとは……相棒、これで本当によかったのか?
少し不安になるけども、まあ、もう仕方ないと開き直るしかない。
マキの頭をポンポン叩いて、俺はベッドに腰掛ける。
「ほれ」
「ッ、旦那様♥」
マキは俺が両手を広げるとその間に収まるようにベッドに上がり、俺に抱きついた。
「マキ、お前がこうなってくれるのは嬉しいが……」
「ッ、嫌なの?」
不安そうに俺を見上げてくるマキ。
俺はその頭を撫でてやる。
「いや、嫌じゃない」
「じゃ、じゃあ……」
そして、俺はマキに覆いかぶさる。
「俺だけの豚女マキ……いつでもどこでも、俺が欲しいときに使わせてもらうからな」
「ぶひぃ♥ 旦那様、私の旦那様、ぶひぶひぶひぶひ~ん♥」
と、蕩けてベタベタに甘えてくるマキ。
そうだ、これも言っとかないと……
「あと、お前は豚なんだから、俺がこれからも昨日のように愛人や他の女を抱いても文句を言うなよ?」
と、言ってマキを見る。
マキは少し不安そうに瞳を揺らすが……
「わ、私は……私はあなたの雌豚だから……だ、旦那様が愛人を作って……私以外の女と……ううう……それは、し、しかたないけど、でも、それでも、わた、私とももっと……」
そう言って悔しそうに表情を歪めるマキ。
だけど、そんなマキに俺は……
「言ってることは分かるが、それならちゃんとおねだりの言葉を言わないとな……」
「ッ」
マキは一瞬驚いた顔を見せたが、やがて俺の意図を理解し……
「……わ、私は旦那様の雌豚ですから……ど、どんな女が相手でも嫉妬なんかしないし……だ、旦那様が望むならどんな女とも……してもいいんだから……だから……」
マキは俺の腕の中で悔しそうにしながらも、それを振り払うように俺の顔を掴んで……
「私のことをもっと可愛がってくれればそれでいいのぉ♥ だから、いーっぱい私を可愛がって、虐めてくださいぶひ♥♥♥」
こうしとかないと、ヤミナル含めて今後の行動に支障が出るし、まあ大丈夫かな?
俺がヤリたいと思えば誰とでもエッチしてもいい。
「上出来だ」
「ぶひい♥ あなたぁ♥♥♥」
そう言って、マキの唇に俺の唇を重ねた。
――コンコン♪
その時だった。
ノック音が響く。
そして、「失礼します」の声とともに入ってきたのはシスクだった。
「お兄ィ、姫様、街の視察ですが……って、うわっ!?」
「あ……」
「ぶひ?」
入ってくるなり、俺とマキがイチャイチャしているのを見たシスクが声をあげる。
「ちょ、何してるの!? え? お兄ィ!? 姫様!?」




