第30話 クラスメートたち
相棒の部屋に集合した俺達。
ついでにガキどもにも自己紹介してもらう。
「田中っていいます。空手部所属。筋トレとか詳しいっす。宙仁……いや、宙仁くん、今まで本当に申し訳なかった」
「渡辺っていいます。部活には入ってなかったですけど、カラオケ得意です。あと、宙仁アニキ、今までごめんなさい。償わせてください」
「山田っていいます。バンドやってました。ピアノとかなら弾けます。あと、宙仁様、今まで無礼を失礼しました。お詫びに尻ならいつでも貸します」
「陽満です。食べるの好きですけど、料理部にも入ってたんで料理できます。あと、宙仁さん、恨みで犯したいのであればどうぞ犯してね」
と、四人が自己紹介して同時に相棒への謝罪を口にした。
それを全て聞いて、相棒もクロカワもイロカもポカンとしたもののすぐに俺に詰め寄った。
「「「一体、みんなにナニをしたの!!??」」」
「お仕置きと教育」
「「「なんか性格変わり過ぎなんだけど!!??」」」
そんな驚愕の表情を見せる三人。
ま、そこら辺は俺も説明してやる。
「ぐわははは、俺は俺のためにやったまでだ。相棒がガキどもの世話で忙しくなるのも嫌だったし、かといって処刑すんのもな。ま、他にも色々あるが、そっちに関しては後で話してやる。だが、ガキどもが大人しくなった今、色々と楽できるだろ?」
「まあ、それは確かに……」
「で、ガキどもは相棒にはもう逆らわねえんだろ?」
そう言って、俺はガキどもを見る。 するとガキどもは恥ずかし気に顔を赤くしながら頷く。
「そりゃ、もう、。宙仁くんのためなら何でもしますよ、宙仁くんのためなら!」
「宙仁アニキ、俺も宙仁アニキのために何でもします!」
「俺も宙仁様に従います」
「クロカワさんとのエッチに飽きたらどうぞ私に! デブだけど巨乳だから!」
と、四人は相棒を囲んで騒ぐ。
「うわー、マジっすか」
「す、凄いわね……」
「まじやばす」
相棒はドン引きしてるしクロカワもイロカもドン引きしてる。
そして、俺もちょっと引いてた。
「ぐわははは、ヤリすぎて頭がおかしくなってんじゃねーか?」
「レイヴァさん……」
「ま、いいじゃねえか。コイツラはもう逆らわねえし、むしろお前の奴隷だぜ?」
「いや、あの、奴隷っていうか……」
相棒は困惑している様子だが、ガキどもは本気だ。
「宙仁くんのためなら死ねる」
「俺も死ねる」
「宙仁様のためなら全裸も平気だ」
「私は宙仁さんの出した物は何でも食べられます」
相棒はますます困惑している。
そこで俺は、相棒の耳元で囁いた。
「ま、これでいいのだ」
「良くないと思います!」
ただ、もう相棒とクロカワもイロカも深堀するのは怖いと思ったのか、もうそれ以上聞いてこなかった。
「さて、それはそれとして、相棒に相談だ。例のヒトバイヤについてだ。アレと関わったせいでヤミナルからの好感度が微妙に下がったかもしんねえ」
とりあえず話を本題に戻す。
そして相棒は、さっきまでの困惑した表情を引き締め、頷いた。
「そりゃそうでしょ。この国にとって、ましてや正義感の強いヤミナルにとって、あのヒトバイヤは王国の闇……国の貴族や政治家をも買収し、子供や女性を連れ去って売買したり、奴隷にしたり、凌辱の限りを尽くす……そんな闇の存在と接触したなんて、ヤミナルにとってはショックでしょうし……」
「だから相談してんだろうが、相棒」
「まあ、本来のヤミナルハッピーエンドルートなら、関わらないっていうのが一番の正解だったんですけど……今更ですしね……とりあえず、あんまり奴隷を売ったり買ったりをやめることっすね。あと、特に王国の民を奴隷として商売とかはぜっっっったいにダメっす。王国の美人を集めてエロいことさせる奉仕国家にするとか、他国に売るとか」
「……お、おお……そうか」
なかなかエグいことを口にするな。そんなの思いつきもしなかったぜ。ただまあ、相棒が言うんならそれが正しいんだろう。
だが、そうなると……
「じゃあ、このカタログで奴隷を買うとかはなしか……エロい美味そうな女がいたら、試しに買ってみて良かったんだがなぁ~」
このカタログは用なしになるのかと、ヒトバイヤからもらった分厚いカタログを俺は放り投げた。
「うっは~、マジマジ? こんなのあるんだ……まさに外道♪ お~、色んな女の人の写真……じゃないか、姿絵? みたいのが載ってるよ~、オッパイの大きさとか、処女か非処女かも含めて~」
何だか面白おかしく笑いながらイロカがカタログを拾い上げてペラペラと捲っていく。
だが、そのとき……
「……うぇっ!?」
カタログを見ながらイロカが珍しい声を上げた。
「あ? どうしたイロカ」
何を見て驚いたんだ? そう思って尋ねると、イロカはそのカタログを相棒やクロカワやタナカたちに見せた。
「ちょ、ちょい、みんな……こ、これ、見てみ」
「え? ……えっ! 天壌寺さん! そ、それに、河合さんや、……紗季! 彩音まで! こっちには正田くんまで! み、みんな……」
なんだ?
「なんで、うそ、なんで……」
「マジかよ……」
「これは……」
何やら俺以外の全員が驚いている一体どういうことだ?
「ど、どうしたんだ? 相棒」
すると、相棒は唇を震わせながら……
「こ、この人たち、俺たちの学校の人たちです……一緒に修学旅行に行ってるときに……ッ、ま、まさか! 俺たち以外のクラスの皆も、この世界に!?」
「あ? なに?」
相棒の言葉に、俺は思わず首を傾げる。クラスメイト……ということは、異世界転移とやらをしていたのは相棒たちだけじゃなかったということか?
「つまり、お前らの友達だか何だかの連中が……ヒトバイヤが管理している奴隷にいるってことか?」
「そういうことになる……みたいっす」
「ふ~ん、そうなのか」
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