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第19話 見せつける♡

 部屋を出て、俺は静かに廊下を歩いた。

 目的地は、異世界から来た尻軽女、イロカの部屋。

 足音は静かに、でも確実に響いていた。

 そして、その背後に、もう一つの気配。


 マキだな。


 コソコソと、でも必死に距離を詰めてくる足音。

  気づいていないふりをしながら、俺は神経を張り巡らせた。

 イロカの部屋にたどり着くと、扉が勢いよく開いた。


「おほ、レイヴァ様じゃ~ん♡ 今日も~あ~しとイチャイチャしに来た~ん?」


 イロカは、いつもの調子で笑みを浮かべた。

  その笑顔は、奔放で、遠慮がなくて、ある意味、清々しい。


「……」


 俺は、部屋の扉が僅かに開いているのを感じ取った。

 その隙間から、マキの視線が注がれている。


 よし、見てるな。


 俺は、ゆっくりと口元を歪めた。

 それは、悪魔の笑みかもな。


「……ああ、今日は惚れた女神に手が届きそうで、手を届かせるわけにはいかないと気づいちまった、哀れなくそ野郎がヤケになってやってきた。ワリーが今日は優しく抱きしめねえ」

「は? 急にどうしたん? 今日のレイヴァ様は語る系?」


 イロカは、冷静に突っ込んできた。

 その反応が、逆にありがたかった。


「ま、どーでもいいし~、ほら、キスしよ~」


 イロカは、軽く俺の首に手を回し、唇を寄せてきた。

 その動きは、迷いがなく、ためらいもない。

 そして、扉の外。

 マキは、言葉にできない激しい憤怒を心の中で抱いていた。


「わ、私ができなかったキスを……どうして、あんな……」


 唇を噛みしめる音が、扉の隙間から聞こえてきそうだった。


「下品で、みだらで、あばずれで……安い商売女なんかが……わ、私のレイヴァと……軽々しく……!」



 扉はわずかに開いていて、そこから視線が注がれている。 怒りと羞恥と、そして嫉妬。

 俺はイロカの耳元に顔を寄せた。 そして、囁く。


「おい、このまま頷け。気づかれないように」

「……?」

「ドアの隙間から、お子様が覗いてる。俺にされたいけど、プライドが邪魔して素直になれない女がな」

「……え?」

「見るな。声にも出すな。俺はそいつがされたくてたまらないことを、お前にやって見せつけるために来た」


 イロカは一瞬だけ目を見開いた。 そして、すぐにニヤリと笑った。


「おほ~、そういうことね~♡ で、どんな感じで?」

 

 その声は、いつも通り軽い。 でも、そこには確かな理解があった。


「今日はお前が俺に土下座して、『ご主人様、今日は誠心誠意』みたいな感じで。で、俺はそれを聞いてお前を踏む。人語を使ってんじゃねえよ、豚。みたいな感じで」

「おけ~♡ そういうプレイね~」


  イロカはくるりと回って、床に膝をついた。 そして、両手をついて、顔を上げる。


「ご主人様ぁ~♡ 今日は誠心誠意、あ~しが尽くさせていただきますぅ~♡」

「ああん? 何を甘えた声を出してんだ! そう簡単に俺にかわいがってもらえると思ってんのかよ、この家畜が!」

「ああん♡」

「お前はもうヒトじゃねーんだ。なら、相応のやり方ってのがあるだろうが!」


 示し合わせたように、俺は土下座しているイロカを足蹴にした。


「もうしわけありません、ご主人様~♡ ううん……ぶひ~♡ ぶひぶひぶひぶひ♡」


 

 

 そして、俺は、俺たちは



―――♡♡♡♡♡



 愉しんだ。



「な、なんでよぉ、レイヴァの変態、最低、あんな屑だったなんて……見損なっ……で、でも、あれぐらい、私だって、だって、わたしだって……あの人間の女、全然嫌そうじゃない……むしろ、レイヴァにイジメられて興奮して……っ」



 まだ扉の前で覗いてるようだなお姫様。

 いや、足音が離れていく……流石にまだ早かったか?









「ひどい……うらやま……で、でも、私だってあれぐらい……ううん、私もされたい……だけど、どうすれば……私もあの淫乱女のように土下座でもすれば……できるわけが……でも、でも、もし、そんなことをこの私がしたら……考えただけで……うう♡ うらやましい…… いや、違う……そんなこと、思うわけが…… でも、でも……私だって……あれくらい……ううん、私も……された……い…… だけど、どうすれば……どうすれば、そんなふうに…… 私だって、あんなふうにされたいのに……私だって、イジメられたら嬉しいのに……うううう♡  あんな変態野郎、レイヴァなんて嫌いなのに……あああ、また昂ぶってしまう……私は悪くない……だって、私だって、されたいから……こんな感情を抱かせるあのレイヴァのスケベ馬鹿クズゴミが全部悪いのよ……責任取らせたい…… 私も、あの女のように……できるわけがない…… この私が……魔王の娘であるこの私が…… そんな、そんなこと……でも……でも、もし…… もし、そんなことを、この私がしたら…… レイヴァは、どう思うの……?  考えただけで…… 考えただけで、胸が…… 苦しい……熱い……痛い……でも、甘い…… うう……♡  なにこれ……なに、この感情…… 悔しい……恥ずかしい……でも、でも…… 私も…… 私も、レイヴァに…… あんなふうに……されたい…… 抱きしめられたい……キスされたい…… 足で踏まれて、罵られ、お尻をたたかれて……私が犬や豚のようにお尻をふりふりして叩かれてワンワンぶひぶひ鳴いて……無理よ、無理無理……できるわけがない……そんなことするわけがない……私の体は高貴なる至高の存在。なのに、なのに、なのに、そんな私の高貴なる肉体を貶めるように欲望を抑えきれないのは、アイツが全部悪い。最低最悪、滅びろレイヴァ。こんな、私に、私が犯されたくて仕方がない、などと妄想させるアイツが絶対的に全部悪いに決まってる。考えるな……止まれ、止まれ……妄想、妄想、脳内妄想! これは幻覚、これは現実じゃない。これは妄想。でも、レイヴァに……されるのなら…… 少しだけ、少しだけなら……でも、無理…… 私には、そんなことできない……うううう…… ♡ 」






【回数状況】

・姫騎士勇者ヤミナル:18回

・異世界黒ギャル・花見色香:10回

・菓子職人美女シガー:5回

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