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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

書き続けるのを止めない〈小説家になろう〉ユーザーたち

作者: 青冬夏

君たちは〈小説家になろう〉という、此の世で最も大きな小説投稿サイトがあることをご存知だろうか。


〈小説家になろう〉はスマホやパソコンからユーザー登録をすれば、誰でも小説が書けるというウェブサイトである。そのサイトは今、我が国において大規模な小説投稿サイトであることに誰もが気がつくだろう。かの有名な『薬〇のひと〇ごと』もまた、ここ〈小説家になろう〉のサイトから生まれ、『君の〇臓を食〇たい』も、このサイトから生まれ、世間から今も愛され続けている。


しかし──君はこのサイトが抱えている「闇」を知っているだろうか。


今から言う「闇」は俺も今まで知らなかった。が、昨年に運営会社の代表の方が替わったことで、このサイトに異変が起きている。その異変は、今から言う「闇」に直接、関係している。


その「闇」とは、()()()()()()()()()()()()──というものである。


さっぱり分からない! と思っている方々へ。安心してくれ。俺も最初はさっぱり分からなかったからだ。これを聞かされた先輩のなろう作家──今はもう殺されているが──は、陰謀論に脅かされているのではないか、と思っていた。


ただ、彼はこの「闇」を真面目に言っていた。だから、俺はなろうが抱えている「闇」について調べる事にした。〈小説家になろう〉(奴ら)に知られないよう、俺は主にX……昔はTwitterと呼ばれていたSNSを中心に調べた。そうしたら、ある事実が浮かび上がってきた。


それは、〈小説家になろう〉には刑務所のような教育施設が潜んでいたこと。その施設で、毎年何百人もの、ルール違反を破ったなろう作家たちがルール違反にならない小説を書いていたこと。そして、その作家たちが主に、この〈小説家になろう〉で監視を続けていたこと。


「これは告発するしかない」


そう思い、俺はこの「闇」を伝えてきた先輩のなろう作家に会いに行こうとした。しかし、その先輩のなろう作家は俺の前に現れることがなかったのだった。


「きっと、俺の先輩は〈小説家になろう〉の誰かに連れて行かれたんだ……。そして、あの施設に移され、今も刻々と……」


俺は許せなかった。だから、〈小説家になろう〉にある一件のメールを送った。


だが──俺は〈小説家になろう〉の教育施設に入れられ、小説を書き続けている。

何百人ものユーザーたちが死に物狂いでキーボードを打ち続けている。俺も必死に、彼らと一緒にキーボードを打ち続けている。


そんなあるときだった。


「嫌だ……嫌だァ──!!」


ある作家がキーボードを投げ出した。その様子を見ていた別の作家が、「おい! 何をしてるッ──そんなことをしたらッ──!」と言った。


「だってもうネタ切れだもんッ! 嫌だッ、こんなところに居続けるの嫌だッ!」


手足をブンブン振り回している。俺はそんな作家を横目で見ながら、黙々とキーボードを打ち続けている。


──すると。


「うわぁ──────ッ!!」


断末魔のような声が聞こえた。恐らく、この施設を監視している誰かに殺されたのだろう。

次々と聞こえてくる断末魔のような声を耳にしながら、俺はキーボードを……。


そう思っていたら、すぐ近くから声が聞こえてくる。顔を上げれば、監視員が銃を持って立っていた。


「おい」

「なんでしょう」

「何を書いてる」

「何って、小説ですけど」

「そうじゃない、これはなんだと言うのだ」

「なにって、小説──」

「これは小説に見せかけた告発文だろッ──!」


監視員が俺の胸ぐらを掴んだ。力強い眼光が射抜かれる感じがした。


「これを書いたお前の罪は重い」






























































































「──そして、この告発文(小説)を読んだ、お前も同罪だ」

※この作品はフィクションです

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― 新着の感想 ―
私も告発文を読んでしまいました。 逃げられませんか?(涙)
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