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瞳(十九歳)⑤

 最寄りの駅に着いて、携帯を見てみたら、恵美ちゃんからメッセージが来ていた。

 え?

 その内容に驚いて、私は慌てて電話をかけた。

「もしもし、恵美ちゃん? うん、今見たんだけど、本当なの? えー、ほんとー。恵美ちゃんは大丈夫? うん。うん、うん。……そう。いいよ、全然。別に恵美ちゃんが悪いんじゃないんだから、そんなに謝らないで。うん。うん、わかった。そのうち絶対ね。うん。バイバーイ」

 切った携帯電話を、なかなかカバンにしまう気になれなかった。

「もー」

 恵美ちゃんがいる九州の天候が相当荒れるようだと数日前から天気予報で言っていたが、台風じゃないから大丈夫だろうと思っていた。いや、本当は心配だったけれど、大丈夫だと思いたかったのだ。

 話によると、雨もだけど風が特にひどいらしく、そこまで間近じゃないものの恵美ちゃんの家の近くでは竜巻まで発生するし、交通機関はマヒしていて、だんだん収まってくるみたいだからこの後会うのはどうにかできても、ほとんど何も楽しめずに終わってしまいそうなので、先に連絡が取れた弥生ちゃんたちと相談して、今日遊ぶのは中止で仕方ないかという流れになっていたそうだ。

 本音では、顔を合わせるだけでも、私だけでも、会いたかったが、恵美ちゃんが危険かもしれないし、そんな気分じゃないかもしれないし、さすがにそうしようよとは口にできなかった。

 ……あーあ。

 いずれ再会はできるだろう。でも、当分は無理な可能性もあるし、今日をずっと心待ちにしていたからショックが大きい。

 あー、もー。そんな天候、絶対に温暖化のせいだよ。東京も、暑いだけじゃなくて、風がやたらに強い日があって、それが年々増えていってる感じがする。

 政治家さん。お願いだから、世界的な世の中の流れでそうしないわけにはいかないみたいのじゃなくて、温暖化に歯止めをかける対策くらいは本気で講じてよ。

 熱中症や大雨による洪水といった災害で死ぬ人も年を追うごとに増加してるし、じゃないとほんとに人類が滅んじゃうよ。それでもいいの? 地位も名誉もお金も票も、生きてればこそでしょ?

 本当に、お願いだから。


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