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親が秘めている想いに応えたくて

ねぇ、お父さん・お母さん

何をしてほしいの


なんてことを子どもの頃にふと思ったあの日

父は澄ましたふりをして

何にもいらない、と言いました

母も同じで

大丈夫よ!ありがとう、と言って微笑みました


ボクは大人になって

色んなことに気付けるようになり

あの頃の両親の返事は

子どもに対する気遣いだったと

わかるようになりました

秘めてる想いだと悟りました


だから、改めて思います

ねぇ、何をしてほしいの

ボクにできること何かないのかなって


ここまでボクのことを支えてくれて

本当に、本当に

ありがとう


こんな言葉では足りない

何かしたい



愛されて育って

甘やかされて

幸せの中にいた

思い出全部

周りにいた家族含めて

温かいんだ


それは何よりも普通で

ボクにとっての

子どもの頃は当たり前のことだったんだけど

本当は違くて


両親がいることが当たり前過ぎて

子どもなんだからしてもらえて当然で

有り難いことだって思ってなかったよ

自分が親になる立場、親が子どもを授かった歳になってきて


ああ、なんてボクは幸せの中で育てたのか

それをしてくれた両親を心の底から

尊敬するようになりました

そんなバカな息子です


友達や親戚、同僚などの話を聞いて

やっぱりさ

1番は孫の顔を見せること、かなって思ったボクは

親孝行の第1志望を決めたんだ

決めていたんだけど

子どもを授かるって

1人ではどうにもできないし

相手がいてもうまくいかないことばかりだよ


子どもが欲しかった

それは誰しもそう考えるときがあるんじゃないだろうか

ボクの親が孫の顔を見たいって気持ちがあるのをボクは知っている

孫の顔を見せたい

子どもは未来への希望

そんな当たり前をずっと夢みてた

だけど

現実はそんなに簡単じゃなかったよ


ねぇ、父さん・母さん

ボクはダメな息子です

親孝行できそうにありません

ごめんなさい

って話を友達としてたら

ばかやろうって言われた


謝るんじゃない

親孝行は孫を見せることだけじゃない

たしかにお前はダメだよ、そういうところが

だけど

両親を思う気持ちは素晴らしいから

だから、考え方を少し変えてみないか

少し変わるだけで

全然違う、と思うよ


そう言ってくれた人の言葉を信じて

ボクはこう思うことにした


ありがとう

楽しい思いで全部

これまでもこれからも

感謝の気持ち、忘れないよ


いっぱい愛情を注いでくれて

一生懸命に育ててくれて

辛いことを乗り越えられるだけの活力を

あなたたちからもらいました

色んなことを思い出して、全部抱きしめて

たとえ一人でいても、たった一人になったとしても

強く、強く

社会の中をボクは生きていくよ

一人だけど、独りじゃないから


なあ、それ

第1志望じゃないとダメかね

人生でうまくいかないことって

いっぱいあるだろ

時に軌道修正して

目標を変えて取り組むことも

悪くないだろう


うまくいかないって思うなら

第1志望をあきらめることも1つの方法で

たしかに

ボクにとって第1志望は難しい


やるかやらないかってのは

自分で決めること

何かを得るためには、他のなにかを得られる機会を失う

何でもは手に入らない

そもそも

ほしいと思って望んでも

必ずはない

どんなに願っても手に入らないことはある

報われない努力がある

すべての努力は無駄にはならないけれど

求めた答えと実現できたことが異なるケースはあり得ることだ

やるか、やらないか

ボクは決めないといけないね

何をどうするか含めて


そして、ボクは思った

とにかく前を向いて進もう

元気でいようって


親はいつまで経っても親だから

親子であることに変わりない

大人になったから親に甘えてはいけない、なんて誰が決めたの?

自分でそう思い込んでるだけ

そうでしょ

いっぱい甘えなよ

だって、あなたは子どもなんだから

親からしたら

いくら立派になっても

子どもは子ども

照れて素直じゃなくたって

親子の絆は変わらないでしょ

親としても

子どもから甘えられるって嫌なことじゃないよ

だって、愛する我が子なんだから


そう言える人の心の温かさ

こういう人たちのもとで育ったボクは本当に、幸せものだったんだと噛み締めて


そうですね

親には甘えたほうがいいですねって答えた


1番じゃなくても

1番を求めても

どちらもかけがえのないボクがすること

結局のところ、両親は応援してくれるし

大事に想われてる

それを、

その想いを

絶対、絶対

忘れたくない

忘れられないから


今こそ親孝行をしていくよ

これから先できる限り

父さん・母さん

いつもありがとうって言い続けるよ

親にできること何かないかって

ずっと探していくよ


プレゼントを渡したり、記念日を祝ったり、結婚して幸せな家庭を築いたことを報告したり、できたら孫の顔を見せてやりたい


何よりも安心するよね

親には笑っていてほしいから

子どもの頃聞いたお父さんとお母さんの

やさしかった声を今でも聴きたいよ


だから

要らないっていうなよ

嬉しそうな照れ笑いだから

本心じゃないってわかるけどさ


たまに、盆や正月に顔を見せてくれたらそれでいいとか

何もしなくても、一緒に家で過ごすだけでいいとか

食卓でご飯を囲むだけでいいとか

そんなこと言うなよ


親からすれば1番は孫じゃない

子どもが元気でいることが何よりだって

だから何も要らないよって

気持ちはわかるけどさ


それでも

そんなこと言うなよ


いつでも帰ってくるよ

どこに居ても飛んでくるから

ここで育ったんだから

育ててもらったんだから

忘れるわけないし

大切に決まってる


要らない、要らない

それでも

ずっと繰り返して言う

やたら笑顔の父

少し困り顔の母


見送るときだけは

心配そうに

気をつけて帰れよって

真っ直ぐ目を見て言ってくれる


おう!

じゃあ、また


そういって

これからどう親孝行してやろうか考えごとをはじめた

あれでもない、これでもないってね


やっぱり

親になりたい

そう思う

社会経験としても大事なことで

自分自身を成長させてくれる

大切な経験や体験


なにより

家族の愛を、子どもへ伝えたい

自分がしてもらったように

子どもを支えたい


そんな気持ちが抑えられなくて

溢れてくるから


言葉で残すことにしました

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