第八章心臓
チート冒険者ムシジが転生者取り締まり連合ボス武藤静香を倒してから五分後。テイたち五人もITR本部に到着したのだった。
「いったい何があったんだ?ムシジ」
テイが言った。
「転生者取り締まり連合のボスを倒したんだ」
「なんだと⁉それでITRのボスはどこにいるんだ?」
剣の魔王ソールが言った。
「どうやら、ボスの仲間に殺されたようだ」
「殺されただと。それでそのボスを殺した奴はどこにいるんだ?」
「そいつも倒した」
「そうか。さすがチート冒険者だな」
「あのーちょっといい?あそこで倒れてるのが転生者取り締まり連合のボスよね」
水の魔王ニューズが聞いた。
「そうだぜ」
「なんか、動いてるんだけど」
「なんだと⁉」
そしてムシジが後ろを振り向くと、武藤静香は立ちあがったのだった。
「おいおい、まだ生きてんのかよ」
ムシジが言った。
するといきなり、静香は自分の心臓を右手で引っ張り出してきたのだった。
「おいおい、いったい何やってんだ」
すると心臓がしゃべりだしたのだった。
「この体でも結構転生者を殺したし、次はチート冒険者ムシジお前の体に乗り移ってやる」
「乗り移れるものなら乗り移ってみろ。お前が俺を乗り移る前に俺たち六人でぶっ倒したのだった」
まさか心臓が本体だったのか。だから十年前に倒したボスと一緒の魔力をしていたんだな。
すると、心臓に手足が生えたのだった。そして武藤静香は倒れたのだった。
「倒せるものなら倒してみろ」