表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸運のZIPPO  作者: 霞 芯
2/7

2話 ドラゴンの炎

 佐田賢介は、予定もなく、アパートでゴロゴロしていた。

昨日、沙織からもらったZIPPOのライターを時折、点けてみるが、ドラゴンのような炎は出なかった

「本当に幸運のZIPPOか?よし!試してやろうじゃないか!」

賢介は、沙織のヘソクリ3万円に手をつけ、財布に仕舞い込み、近所のパチンコ店に向かった。

賢介は、パチンコが好きだったが、いつも負けていて、貧乏に追い討ちをかけるので、ここ一年辞めていた。

 パチンコ店〝ブラボー〟につき、ツイているならと、ギャンブル性の高い台に座る。

 皆に気づかれないよう、一万円札を拝み、投入する

「さあ、ZIPPOよ、力を発揮してくれよ!」と意気込み遊戯を始めた。


2時間後


ブラボーの喫煙所に賢介はいた。

財布の中は、残り千円となっていた。

賢介は、深いため息をつき、「ZIPPOさん、アンタやっぱフェイクかよ‥」そう呟いて、最後のタバコに、ZIPPOで、火を点ける。

すると、ZIPPOから例のドラゴンの炎がでる!

「おお!やっと本気だしたか⁈」と治まってきた

炎でタバコに火をつけて、一服し席へ戻った。


最後の玉が無情にも台に吸い込まれ、賢介は無一文となった。

沙織に怒られるな?と思いつつ、ヤケになり、ZIPPOを席に置いたまま帰ろうとした。

が、やけに、隣の席のオヤジが携帯で慌てた様子で

電話している。

「いや、待ってください!契約きるなんて!すぐいきますから!」と電話を切り、賢介に向かって

「兄さん、1時間ばかり、代わりに打ってくれない?後で手間賃払うから!」そう半ば強引に、

自分の席に、座らせた。

「ちょっと待ってくれよ!」そう言う賢介を尻目に男は行ってしまった。


22時30分


結局、隣のオヤジは帰ってこなかった。

オヤジから預かった時は、一万発であったが、

あれよあれよで、5万発にまでなっていた。 


賢介は、事情を沙織に話した。

「ちゃんと返さないとダメだね!」と言って

その後、一週間、賢介をその台に向かわせたが、

例のオヤジは、現れなかった。

帰る際に、喫煙所に寄ってZIPPOでタバコに火を点けた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ