喋りすぎ
めちゃくちゃ読みにくいかもです。
しばらくするとレイナが目を覚ました。だが魔力枯渇で倒れたからすぐに体を起こしたりは出来ないようだ。
「よう、おはよう。」
私がそう声をかけてみると、レイナはゾッとした顔でこちらを見た。寝起きでいきなりさっきまで戦ってた魔族に声をかけられたら誰だってそんな反応をするだろう。分かりきってたことだから決して傷ついてなどいない。決して。
「気分はどうだ?いきなり倒れたからびっくりしたぞ。」
「な、何が目的ですか?」
「ん?ドユコト?」
「しらばっくれないで下さい!勇者パーティの中で一番体力のない私を捕虜にして、助けに来た勇者達を罠に嵌めたりするのでしょう!?そんなことさせません!!」
「そんな事しません。」
「へ?」
「そんなことしなくてもアイツらには負けません。」
「じゃあ一体何のために。」
「あのさぁ、倒れた人を助けるのに理由なんてあるか?そりゃあの勇者?とやらがちゃんとお前のことを助けようとしてたらほっといたけど、アイツ倒れたお前の顔を踏んづけようとしたんだぞ?信じらんねぇ。」
「あの...え?」
なぜかレイナはきょとんとしていた。
「ん?どうかしたか?」
「えっと、あなたって魔族の幹部ですよね?」
「あぁ、一応NO2だな。」
「なのに私のことを助けてくれたんですか?」
「まぁ、そうなるな。」
「魔族って、普段人間を襲ったり食べたりしてるんじゃないんですか?」
「はぁ?そんなことするわけねぇだろ?」
「え?」
「魔族は基本的に魔硝石や宝石とかを食って生きてるんだ。魔獣の中には人間を喰う奴もいるかもしれないが、そいつはただ肉食ってだけで人間以外の生き物も全然食べるしな。」
「じゃあなんのために人間を襲ったりしていたのですか?」
「いや、少なくとも私が幹部になってからは一回も人間を襲ってことないんだが。」
「え?でもこの前だって近くの街が襲われたって連絡が。」
「近くの街?私は人間の街なんて行ったことねぇからわかんねぇわ。」
「でも、その街を襲ったのが魔族の集落だって。」
「集落?あ、もしかしてこの前ごぶごぶ村を襲った人間ってお前たちのことだったのか?」
「ごぶごぶ村?」
「ゴブリンたちが集まって暮らしてる村だよ、あいつら体も小さいし魔力も少なくて力も弱いから定期的に魔王軍から支援したりしてたから結構な騒ぎになったんだよ。」
「でもそれは、ごぶごぶ村の魔族たちが人間の街を襲ったのが悪いんですよね?」
「そんなことあいつらにできるわけねぇだろ?ゴブリンは人間のガキでも倒せるほどか弱い魔族なんだぞ?」
「確かに、すごく弱かったですけど。」
「誰に聞いたかしらねぇけどよ、お前らデマつかまされたんじゃねぇか?」
「そんな、だとしたら一体なんのために。」
「しらねぇよ、そんなことより体調はどうなんだ?」
「へ?」
「いや、あんた結構な時間寝てたからよ。相当ガタがきてたんだろうからもう少し休んでってもいいが、流石に魔族の幹部の部屋だと落ち着かないだろうから帰りたければ帰っていいぞ。」
「えっと、もう少しお世話になってもいいですか?」
「お、いいのか!?どうなっても知らないぞ!?」
「なんで急にテンション上がるんですか、魔力もまだ回復してないですし、正直勇者様といるよりあなたといる方が私の身が安全な気がします。」
「あー、分かった。」
「なんでちょっと面倒くさそうな顔したんですか?」
「勇者とやらが面倒くさそうな奴だと思ったからだよ、ついでにお前もな。」
「間違い無いですね。」
「いや、否定してくれよ頼むから。まぁとりあえず今日は早く寝な。人間でその見た目だとお前もまだガキだろ。よく寝ないと大きくなれないぞ。」
「う、うるさいです。私だってもう14ですから。」
「まだ14なんじゃねえか。」
「そういうあなたは何歳なんですか!?絶対に私より年下ですよね!?」
「正確な年は覚えてないんだが、千は超えてるぞ。」
「は、え?」
「じゃ、おやすみー。」
「いやちょっと待ってくださいどういうことですかねえちょっと!!!」
こんだけ喋れたらすぐに回復するだろう。私は少し安心してギャーギャー騒ぐレイナを無視しながらフロアを出たのだった。