監禁
「今日こそは結婚してもらいますわよ、お父様ッ!!」
「はいはい、今はちょっと忙しいから後にしてくれ」
「……王様、いくらなんでもその態度は酷いと思う」
デュランは執務室飛び込んできてそう宣言したステラを努めて無視しながら仕事を続けようとしたが、臣下であるルビーにそう言われて仕方なくステラへと向き直った。
「何度も言っているが結婚はしない、もうアリスと結婚しているからな」
「私の方が胸が大きいですわ!! 側室でもいいので愛して下さい!!!」
「無理、俺はアリス以外と結婚するつもりはない」
デュランは何万回したか分からないやり取りを終えると再び書類に目を通し始めた。
しかし視線を逸らしたためステラが始源魔法を使おうとしていることに気が付くのが遅れ、ステラの創り出した異空間へと連れ去られてしまった。
「始源魔法――ドリームワールド。
今のお父様には脱出できないこの空間の中で、お父様の子種をもらいますわよッ!!」
「おいおい、流石に今回は洒落になってねぇぞ」
「えぇ、私は本気ですもの」
「……やるしかねぇか」
デュランは今の自由に動かない体では天賦の才を持つステラへ太刀打ちできないのはよく分かっていた。
けれど娘に自身の子供を産ませるつもりはなかったので天晴を抜いて全力で抵抗したが、三分ほどで天晴を弾き飛ばされてしまった。
しかし刀を納刀してデュランを押さえ込もうとしたステラの力を利用して逆に投げ飛ばし、そのまま力尽くで押さえ込んだ。
「ステラには教えてなかったが俺はこういう小技も使えるんだ、悪いがアリス達が来るまでこのままでいてもらうぞ」
「お父様にこうしてもらえるのはとっても素敵ですが今日は目的が違うのでご遠慮します」
「何をするつもりか分からねぇが、絶対に離さねぇぞ」
「えぇ、そうでしょうね」
ステラは真剣な顔で自信を押さえ込んでいるデュランの姿へ昂奮しつつも残念そうにそうつぶやいた。
デュランはその言葉を聴くと更に力を入れて押さえ込んだが――突然天地がひっくり返った。
「――何ィッ!??」
「お忘れですかお父様!! ここは私が創り出した異空間!!! 天地をひっくり返すことなど造作もないのですわッ!!!!」
「く、クソッタレめッ!!」
デュランの今の身体能力では空中では身動きが取れなかったため巨大な石を創り出し、足場として使って全力でステラから逃げたが空中で追いつかれて捕まってしまった。
そして手足をステラが創り出した十字架へ縛り付けられてしまい、完全に抵抗することができなくなってしまった。
「クソッ、動けねぇ」
「それじゃあお父様、私と一つになりましょう♡♡♡」
「――いや、もう時間切れみたいだぞ」
デュランは動けないことに一瞬焦ったが世界へ亀裂が入ったことで安心し、目にハートを浮べているステラへとそう告げた。
そして世界が壊れた次の瞬間――ステラは風属性の魔法で吹き飛ばされた。




