表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

この、夢の中の異世界で。

シアに連れられて歩いていると、すぐに森を抜けることができた。


「すごいな…これ…」

周りを見回すと、あたり一面に広大な草原とどこまでも続く青い空が広がっていた。

そして、心地よい風が、身体を包み込むかのように吹きぬけている。それに呼応して、まるでよく来たねと歓迎しているかのように、すべての草達がサササといっせいに音を立てながらなびいていた。


今までこんな景色一度も見たことがない。嫌でも異世界だと感じてしまう。


「見て、先の方に建物が見えるでしょ。あれが教会。アルクで一番大きな建物よ。」

草原の先、ここからやっと目に映る距離にだが建物が見える。


「ほら、早く行きましょう!もう少しよ!」


微笑みながら手を引っ張って、草原の中をシアが走り出す。

その優しい笑顔に、一瞬心が高鳴ってしまった。

シアにつれられ、手を握り、やわらかい風を浴びながら一緒に走る。


「ほんと、びっくりするよなぁ、色々と。」


僕がこの世界にいること、それにはきっと、意味はないのかもしれない。

理由なんて、ないのかもしれない。


ふいに空を見上げたら、さっきまで思い描いていた形をした雲を見つけるような。


海辺を散歩していたら、とても綺麗な貝殻を見つけるような。


落ち込んだ日の雨上がりに、七色の虹を見つけ、つい見惚れてしまうような。


そんな、たまたま遭った偶然のようなものなのかもしれない。


でも、僕はここにいる。ここで生きている。


せっかくこの世界に来たんだ。

なら、自分が満足するように生きよう。生きていこう。


誰に縛られてじゃなく、誰かにお願いされてじゃなく、自分が送れてよかったと

思えるようなそんな人生を。


この世界でしか送れないような、面白くて楽しい人生を。



この、夢の中の異世界で。

読んでくれて、ありがとう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ