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まだ死にたくない

「あーあ、もう朝かぁ、学校面倒くさいな」

地元の私立高校に通う高校1年生、月島つきしま 理央りおは、

カーテンの隙間から延びる、気だるい朝の光を浴びていると、そんな言葉が出てしまう。


かなりレベル上がったし、次はあの子と素材でも売りに街に行こうかな。

そんなことを考えながらベッドから体を起こす。

そして、となりにある時計へと目を向ける。

6時半….か、いつもの起きる時間まで30分くらい早いな。どうしようか。


そういえば、いつ頃からだろう、毎日同じ夢を見続けるようになったのは。眠りに落ちた時、まるでゲームのセーブポイントから始まるように、夢の中で自分が目覚める。その時は、現実であったことがすべて夢であったように感じる。逆に夢の中で眠りに落ちた時、今のように目覚めて、良い夢をみていたという感覚になる。


やっぱり、魔法がある世界は最高だよな。しかも可愛い女の子と二人旅とか。出来ることなら退屈な学校なんかより夢の続きを見ていたいけど。



「はぁ」

早めに準備して学校行こう、たしか今日は日直だし授業で使う教材取りに行かないと。


ささっとシャワーを浴びて、朝ごはんを食べて、家を出て鍵を閉める。


俺の両親は幼い頃に事故で亡くなってしまい、以来ずっと祖母の家で生活させてもらっていたけど、高校に入ると同時に一人暮らしを始めた。


道を歩きながら空を見上げると、分厚い雲に覆われていて、太陽が見えず薄暗い。


「学校に着くまで降らないでくれよ?」


そんな願いを聞いてか聞かずか、ぽつぽつと雨粒が落ちてきて、いつの間にか大雨になってきた。

うわ、こりゃもう走るしかないな。

大粒の雨の中、視界が悪いがそれでもリオは全力で走る。


よし、正門が見えてきた、もう少し。

最後の横断歩道も青、このまま駆け抜けられる。

そう思い、横断歩道の丁度真ん中あたりで違和感に気づく、右を向いた瞬間、俺の目の前に眩しい光が見えた。


「え?」


その光とともに耳に突き刺さるような爆音が鳴った。


プーーーーーーーーーーー   バンッッッッ


その瞬間、身体に鈍い痛みが走った。

あまりの痛さに、思考が、意識が遠のいていく。


もしかして俺、トラックに轢かれたのか?ここで俺の人生が終わり?

嘘だろ!!ふざけんな!!大好きな冒険も、大好きな太もももまだ堪能してないのに死んでたまるか!!!頑張れ!!生きろ俺!!

まだ死にたくな……




その瞬間、意識が完全になくなった。

読んでくれて、ありがとう。

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