【第3話】異世界には人手がない!?
「こ、これがギルド……?」
そこにあったのはただのテント。
テントとしては大きい部類に入るのかもしれないが、ギルドと呼ぶには心もとない。
「ま、まあ! 見た目はともかくギルドとしての機能はしっかりしてるから……多分」
(レナ……最後の一言は聞きたくなかった……)
期待が大きかった分、目の前にあるギルド(?)を見て、正直動揺している。
しかし、いつまでも立ち止まっている訳にもいかず、意を決してギルドに入る。
「お、おじゃましま……す!?」
中に入ると立派な螺旋階段、木造のカウンター、作業場が併設されている武器屋、はては酒場みたいなものまで併設されていた。
「あれ!? どういうこと!?」
「ふふふ……驚きました!? これは空間拡張魔法ってやつですよ!」
「す、凄い……」
これが魔法……どうやらこの世界では魔法は当たり前のように使われているようだ。
「えーと? じゃあここでまず何をすればいいんでしょうか?」
「とりあえずそこのカウンターで登録手続きをすればギルドを利用できます!」
レナが無人のカウンターを指さす
(見たところ誰もいないが……なるほど……また魔法に違いない! 次は姿を消す魔法か? 瞬間移動か? はたまた自動で手続きをしてくれる魔法とかか?)
「ほら! そこの呼び出し用のベルを鳴らせば職員が来ますよ」
――カランカラン
(ギルドといえば……昔やったゲームでは受付のお姉さんと好感度を上げていって親密な仲になったりしてたけど……ここのギルドの職員も美人だったらいいな……)
「はい! ご要件は何でしょう!」
カウンターに現れたのは美少女だった。
美しい茶髪をたなびかせ……
青い目を輝かせ……
太陽のような笑顔を振りまく……
レナだった……