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異世界には「アレ」がない!?  作者: 和口
第1章 ベスティア王国編
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【第11話】異世界には注意がない!?

「ソウマさん! マナタイトですよ! レアです!」


 ひんやりとした洞窟内にレナの声がこだまする。


 俺達は今武器や防具の材料になりそうな物を採りに来ている。

 つい先程まではルナさんに教えてもらった鉱山跡地を探索していたのだが、たまたま手付かずの洞窟を見つけたので鉱石を採集している。


「しかしなぁ……まさか俺の加工魔法がこんなところで役に立つとは……」


 周囲の岩を除去し、大量のマナタイトをポーチに入れる。


 俺の加工魔法は様々な物を簡単に削ったり切断したりして加工する魔法なのだが、鉱石を手っ取り早く採掘するのにも使える事が分かったのだ。


「いや〜最初は地味だと思いましたけど結構便利じゃないですか?」


 レナもポーチに大量の鉱石を入れつつ言った。


「なあ、さっきから気になってたんだけど何でこの小さいポーチにあんな量の鉱石が入るんだ? ギルドにかかってた空間拡張魔法とかか?」


「大正解です! ふふふ……! 実はこの魔法……ただの魔法じゃなくてアタシの"固有魔法"なんですよ!」


 そうだったのか。確かに凄い魔法だと思っていたけどレナの固有魔法だったとは……。


「ちなみにそのポーチもアタシが作りました!」


 (くそう、俺もそんな固有魔法が欲しかったな……)


 しかし、かなり奥まで来たな。洞窟はまだまだ先がありそうだけど……。


「レナ、そろそろ地上に戻らないか? 時間もかなり経ったし、ルナさんも遅くなるなって言ってただろう?」


 意気揚々と奥に進もうとするレナに言った。


「ええ!? も、もう少しだけ! あの奥にあるマナタイトだけ採りたいです!」


 レナはさらに奥に進んで行く。


――その時。奥の方で何かが動いた。


「な、何だ!? 」


 現れたのはおびただしい数のでかいクモ。


――この洞窟が手付かずな理由が今分かった。


「ひゃあああ!? 助けて下さいいいい!」


 細い道に入って行ったレナが急いで引き返してくる。


 (間に合うか!?)


 思ったよりクモの動きが速い。

 レナとの距離は10mと言ったところか。


「レナ! 急げ!」


「急いでますって!!」


 ようやくレナが細い道から抜け出し、俺と合流する。

 しかし、クモは未だ追いかけてくる。


 (クソッ! こうなったら……)


 クモのいる方向に持っていたポーチを投げ、それを加工魔法を使って空中で切り裂く。


 すると中に入っていた大量の鉱石がクモに降り注ぎ、行く手を阻んだ。


「今だ! 行くぞ!」


「ああ!? マナタイトがあああああ!」



――――――――――――――――――――――



 無我夢中で走りつづけ、何とか洞窟から脱出した。


「危なかった……」


「うう……マナタイト……」


 レナはクモの大群よりも鉱石を失ったショックの方が大きいみたいだ。


 洞窟では大量のマナタイトが手に入ったが、その殆どが俺のポーチに入っており、クモ撃退の際に帰らぬ物になってしまった。


「マ、マナタイトはまたいつか採りに来よう! 取り敢えずギルドに戻ろうか!」


 うわ言のようにマナタイトと呟き続けるレナを連れてギルドへの帰途についた。


――――――――――――――――――――――


「あら? お帰りなさい」


 ギルドに戻ってきた俺達はルナさんに出迎えられた。

 どうやらルナさんはレナに頼まれていた武器、防具を作るのに必要な道具を買いに行っていたらしい。


「ルナさん……教えてもらった鉱山ですけど滅茶苦茶クモがいましたよ!? 事前に教えて欲しかったんですが……」


「あら〜ケイブスパイダーが出たのね〜。黙ってた方がおもしろ……いい経験になると思って♪」


 (ちくしょう……ルナさん絶対ドSだよ……)


 ルナさんは買ってきた物をレナ製ポーチから出しながら続ける。


「ただ単に魔法を使うのと、何らかの目的を達成する手段として魔法を活用するのとでは魔法と魔力量の成長の度合いが全然違うのよ。例えば魔物に立ち向かうとか?」


 なるほど。つまり魔物相手に魔法を使っていけば俺でも強くなれるかもって事か。


「ふう……で? そこのマナタイトって呟き続けてる人には何があったの?」


 ルナさんがマナ……。じゃなくてレナを指さして言った。


「ああ……俺がクモから逃げる時にマナタイトの入ったポーチを足止めに使っちゃって……。マナタイトってそんなに貴重なものなんですか?」


「うーん……そうでもないと思うんだけど……この辺りじゃ石炭とか鉄鉱石ばかりで"魔鉱石"はあまり手に入らないわね……」


「魔鉱石?」


「ええ、簡単にいえば魔力を蓄えている鉱石の事よ。ただ蓄えている魔力の大小によってマナタイトとかミスリルとか呼び名が変わるのよ。」


 なるほど。これは武器とか防具を作る際に役立ちそうだ。


「ちなみに魔鉱石は魔力を貯めたり、武器、防具につければ特殊な能力が備わる場合もあるのよ」


「特殊能力! つまりそれがあれば魔法が苦手でも戦えるってことですか!?」


「ええ、でも悪い魔力を蓄えている場合は"能力"の代わりに"呪い"になるから。気をつけてね♪」


 ええ……呪われた装備といえば外せなくなったり常時混乱したりするのか……? 怖いな……

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