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夏生詩集

開かずの踏切

作者: 夏生

開かずの踏切

ゆっくり、ゆっくりの

電車の窓から見える


深い、不快の中に

押し込められた

人、人、人


お通夜のような蒼白した

顔が

こちらを見ている


開かずの踏切

立ち往生する私たちは

ゆっくり、ゆっくりの

電車の窓から見ると

どんな風に見えるだろう


ふと周りを見ると

こちらにも深い不快が

同じようなものかと

思っていたら


しびれを切らせた人たちが

踏切を跨いで駆けていった

あとに続けとばかりに

次々と、次々と跨いでいった


自分から深淵に飛び込んで

いくような

闇に縁取られた背中を


私は足をすくませながら

茫然と見ていた









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