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魔力がない魔法生  作者: とんび
1章 入学編
8/29

八話 見えない黒幕

「よう、遼一おはようさん」


「ああ、おはよう哲也」遼一は哲也を一瞥しながらそう言った。


「あっ、遼一君、哲也君おはよう」静香はそう言って遼一達のところにきた。


「おはよう」


「おはようさん静香ちゃん」哲也は笑顔で片手をあげてそう言った。


「そういえば、明日から部活の勧誘開始でしょ?哲也君はどこに入るの?」


「…そうやった、明日からやった。…遼一どないしよう」真剣な表情をしながらそう言った。


「…慌てた様子でもないし、大丈夫だろ」


「そうだね、なんか怒られればいいと思うよ」笑顔でそう言った。


「待ってくれ待ってくれ!俺の死活問題だぞ!?ここ絶対入らないといけないだろ!?」


ここの学校は部活に絶対入らないといけない。運動部が主要で他には技術系と言った室内の部活もある。委員会や生徒会の人は部活にはいらなくてもよい。他にも家の事情などといったものも考慮している。

部活に入らないといけないと言ったのはある事情がある。


「大雑把に決めとけ、技術か運動か。まあ、お前は運動だろうな」


「私もそう思うかも」


「おい、ちっとばかし待て!人を見た目で決めるな!」


この学校は部活に入ることで自分が何に向いているのかというのをはっきりさせるのだ。将来、技術系か運動系かを決めるために必要なことである。


「じゃあ、MWの三大構造を答えろ」


「ハード、ソフト、エネルギーやろ!簡単や!」ドヤ顔で言った。


「まあ、小学生の問題だからな出来て当然だな」


「えっ?小学生の問題なん?俺、入試前に知ったで」きょとんとした表情でそう言った。


「…よく合格できたな、いや、不正合格か」


「人として最低だね、人生やり直した方がいいよ」にっこりとほほ笑みながら言った。


「いやいや!そこまで言う!?人生にリセットボタンはあらへんで!?しかも、不正ってなんや!?」

慌てた様子でそう言った。


「周りを見たらわかるだろ」


「へ?」哲也はそう言って周りを見渡した。


クラスメイトの全員がジト目で哲也を見ていた。中にはひそひそと話すだす人たちもいた。


「お、おかしいやろー!!みんな嫌いや~!」そう言って涙を見せながら教室を飛び出して行った。


「あいつ、もう少しで授業始まるのに大丈夫か?」苦笑いをしながらそう言った。


「大丈夫だよ、何て言ったって哲也君だから」そう言って笑った。


あとで、謝っとくか、さすがにやりすぎたな。遼一はそう思いながら学校の端末を開いた。















放課後、遼一は美希と照吾をつれて風紀委員室に向かった。


「待ってたぞ、ではさっそく始めようか」加奈が相変わらずのクールフェイスでニヤッと笑ってそう言った。


「みんなも知っているように明日から部活の勧誘が始まる。そのために見回りをしてもらう」


「見回りですか?そんなもの必要に俺は思わないんですが…」照吾はそう言って加奈に意見した。


「残念ながらここの学校は普通の学校とは違うんだ。MWの常備携帯が許されている。つまり、何が起こるかは分かっているだろう?」


「…新人部員の取り合いですか」照吾はそう言って苦笑いをした。


「その通りだ。まさにそれが毎年のように起こる。それと、一年生に脅しをかけるのも毎年いる」嬉しそうにそう言った。


「二瀬先輩、なぜ嬉しそうに言うんです?」照吾はそう言って眉をひそめた。


「つい顔に出たな、楽しみじゃないか。何て言ったって合法的に喧嘩を売れるからな」ニヤッとしながらそう言った。


「二瀬先輩?何を言っているんです?僕たちの仕事は喧嘩を止めることですよ?」にこにこと大志はしながらそう言っているが雰囲気が黒い。


「い、一ノ瀬、冗談に決まっているだろ?」乾いた笑みを浮かべながらそう言った。


「そうですか…でも、あまり暴れないでくださいよ?学校の備品を壊して始末書を書くことになるのは僕なんですから…いえ、今回はやっぱり二瀬先輩に書かせます」


「ま、待て!私は嫌だぞ!」そう言って抗議をした。


「我が儘言わないでください。甘やかすのはもう終わりです」そうきっぱり言った。


「ぐぅ…」加奈は苦い顔をしながらそう言った。


「でも、この人数では些か大変なのでは?」遼一はそう言った。


「何を言っている。他にも委員のメンバーはいるぞ?」加奈はそう言って不思議そうな顔をした。


「聞いていませんが…」遼一は不思議そうにしている加奈に言った。


「…言っていなかったか?お前達三人は風紀委員長、副委員長の補佐だぞ?」


「えっ?ということは私達は普通の風紀委員ではないんですか?」美希はそう言った。


「そうだよ。他の人達は会議に出席しないし、大事なところは全部僕たちで決めるからね。他の人達には決まった内容を連絡しているだけだしね」


「ということは、こっちから送られてくる情報の通りに動くだけでいいんですか?」


「そうだね、普段の見回りとかも当番制で決まっていて、ちゃんとこなしているかを僕たちはチェックをするという感じだね」


「俺たちがやっていたのは普通の見回りじゃなかったのかよ…」照吾はそう言って項垂れた。


「…委員長どういうことですか?きちんとお伝えするようにお願いをしたはずですが?」黒いオーラを出しながらそう言った。


「に、人間忘れることも、お、多いじゃないか。そ、そんなにせめるなよ」冷や汗を流しながらそう言った。


「そうですか…反省しないんですか…。それでしたら明日からは普段の書類の二倍の―――」


「待ってくれ!反省はしている。だから書類二倍だけはやめてくれ!」必死な表情をしながらそう言った。


「分かればいいんですよ、分かれば」ふふふっと笑いながらそう言った。


最近、本当に風紀委員の上下関係が分かった気がする…。遼一は二人のやり取りを見ながらそう思った。















遼一は風紀委員のの仕事を終えて、家に帰り着いた。


「それで、どうだった?」制服のネクタイを外しながら言った。


『カメラについてですが一件だけ遮断されています』ルイがそう言った。


「ジャミングか・・・破壊された訳ではないのか?」


『可能性は否定します。壊されているとしたら、こちらに情報が届くはずですから』


「回収はできないのか?」


『制御不能状態です。しかし、こちらにバレる可能性は限りなくゼロに近いです』


「だったら問題無いか・・・。しかし、相手が気になるな・・・」顎に手を当てながら思案顔になった。


『こちらの誘っている可能性があるので危険ですご主人様、私なら問題ありません』


「機械のジャミングが入っている。それにお前はこの世の中で開発されていないものまで入っているから危険だ。もし、バレたらロボット協会に激震が走るぞ」


遼一が手がけたHHRのルイは限りなく人間に近い。容姿は人間の女性と区別がつかなくらい精巧で、自己判断をし、相手を気遣うという行動までできる。

そして、現代のロボットではありえない感情というものまで存在している。これは遼一の能力のおかげである。能力で人間の感情を出した時の脳波を測定してそれをそのままロボットに反映したのだ。美希の脳波を使ったのでルイの性格も美希に似ている。それを確実に公に晒したら危険だ。


『・・・・・・わかりました』納得の言っていない感じでそう言った。


「・・・それで誘いということは重々承知だ。それに俺の能力で十分対処できる」


『それは分かっておりますが・・・最近は少々体調が優れていないご様子ですが?』首をかしげながらそう言った。


「問題無い、ただ単に寝不足なだけだ」


遼一はここ最近、死神としての仕事や研究によって睡眠時間を限りなく削っていた。どれだけ自分の能力に関する解明を急いでいるか目に見て分かる。


『気づいていないと思いですか?目の下のクマ物凄いことになっていますよね?』そう言って遼一の目元を触ろうとする。


「気のせいだ」遼一はそう言って自分の部屋に行き着替えを始めた。


とっとと、この件を済ませないと研究に集中できん。遼一はそう思いながら監視というものに若干苛立ちを覚えていた。















ここか・・・。遼一はそう思いながらとある建物を隠れながら見ていた。


それは海に接する古びた廃工場であり、錆びた金属類がたくさん置いており、年季を感じさせるほどだった。遼一は隠れながら徐々に建物に近づいていった。


建物の中に入った瞬間に、眩しいといったほどの光量を遼一は浴びた。


「ようこそいらっしゃいました。歓迎しますよ死神殿」黒のスーツを着た男性が二階の広場から手を広げて遼一を見て言った。


『何の話だ?』機械質な声で遼一はそう言った。


「頼まれたんだしょう?立花遼一に、こちらは全て分かっているんですよ」


『まあ、私には関係ない。取り敢えず目的はなんだ?』


「何、簡単ですよ。立花遼一の関係性ですよ。例の事件のね」男は余裕な表情でそう伝えた。


『あんなアホなことを未だに信じるバカがいたとはね』


「そんなことはありませんよ。あれは確実に魔法というものを変える神秘です。教会の中では“神の子”と称されているんですよ?」にやっと笑みを浮かべながらそう言った。


『いいすぎだ。あれはSランクでも余裕で出せると言われているその情報も曖昧で確実ではない。それにどう関係がある?』


「そうですね、偵察をする限りではそのようですから外れなんでしょうかね?どうお思いですか?」そう言って聞いてきた。


『言ったはずだ知らん。そんな妄信を信じる時点でばかげている』


「実際そうでもないかもしれないんですよ。大勢の人が見ていたんですからね」


『それでも噂は大きくなるものだ。証拠も残っていない時点で掘り返すのが間違っている』


「まあ、実際そんなことはどうでもいいです。今回はあなたにようがあるのですから」


『やはりか…それで何の用だ?』


「教会まで来てほしいのです」喜々した表情でそう言った。


『断る。どうせくだらんことだろう』そう言って片手銃型MWを構えた。


「私は争う気はありません、どうか武器をお下げください」そう言いながら武器を下ろすように促した。


『そう言うお前はたくさんの兵士をこちらに銃を向けさせているようだが?』


「な、何をおっしゃいますか」


『気づかないとでも思ったか?光学迷彩でみえないようにしているようだが気配で分かるぞ?』


「…動かないでください。そこから動いたら攻撃します。今から送る手配をしますのでおとなしくしていてください」


『悪いが遠慮しておく。お前らも動いたらバラバラの死体になるからな』


「なにを強がっているんです?何もできないので抵抗を試みたんですか?」男はそう言ってにやにやしながら遼一の方を見た。


『気づかないお前が馬鹿だな。なんの対策もなしにここに入るとでも思ったか?』遼一がそう言った瞬間二階を支える柱のほとんどが崩れ去った。


遼一はここに入ってすぐに二階を支える柱を速度操作で時間を進ませて脆くした。


うわあああ!という悲鳴の後、何人かが崩れた時に下敷きになったようだった。リーダーらしき男は無事だったようだ。


「く、くそっ!あと少しで…!」憤怒の形相でそう言った。


『あと少しで金が手に入るだろう?どうせ、金目的なのは分かっている。大方演技でもして私の信憑性でも図るつもりだったんだろう?教会っていうもの嘘のようだしな』


「そのとおりさ、まあ金の価値は下がるが―――じゃあな!」男がそう言った瞬間に工場内のガラスが割れて銃弾が遼一の方に向かう。そこにいれば確実に当たったはずだが、本人はそこにはいなかった。


「―――あ?」男は周りを見渡すと兵士たちが血を流しながらうずくまっていた。


『惜しかったな。お前がタイミングを計るかのようにチラチラと目線を外していたのが失敗だったな』遼一はそう言いながら男を殴りとばした。


「があああ!」男はそのまま吹っ飛び壁にぶち当たった。


「うぐっ…ッ!」壁に寄りかかりながらなんとか立ち上がろうしていた。


遼一はそのまま男のところに歩み寄った。


『何が目的だ。お前を雇ったところはどこのどいつだ?』男の胸倉を掴みながらそう言った。


「はっ!誰が―――」


パンッと音がした瞬間に悲鳴が起こった。男は右足を押さえながら苦悶の表情を浮かべていた。男の足からは血が溢れ出ていた。遼一は男の右足をMWで打ち抜いたのだ。


『言え、次は反対の足だ』


「わ、分かった頼むからやめてくれ!い、依頼主は―――」男がそう言いかけた瞬間、壁から黄緑色のエネルギー刃が男の心臓を刺した。

遼一はすぐさまにその場を離れて双銃剣のMWを構えて警戒をしたが誰も現れなかった。













遼一は終わった後、魔法委員会に連絡を取り、後処理を任せた。事情聴取はまた後日ということになり遼一は家に帰った。


何故気づかなかった?遼一は自室に籠って先程の出来事を思い出していた。


確実に言えることが魔力の気配が完全になかったということだ。この状態はまずありえない。人間であれば確実に少量の魔力量は存在するため、遼一は見逃すはずがないのだ。

しかし、今回の敵は魔力が感じなかった。もしくは感じさせなかったのだ。ここで、遼一はひとつの仮説を立てた。意図的に感じさせなかったのではないかと。しかし、これには高度な幻術や隠蔽するための魔法を使う必要があるだろう。しかし、これにも魔力の波長は存在する。これではバレてしまう。


まさか、ネイチャースキルなのか?遼一はひとつの答えにたどり着いた。


ネイチャースキルとは生まれ持った能力、つまり生まれ持った超能力と言う。


あれだけの規模をぶつけてくる位の組織だからネイチャースキルくらい持っている奴くらいいるだろうな。遼一はそう思いながら端末を開いた。


これか・・・遼一はひとつのサイトに目をつけた。


【エクストラミィ】ナイチャースキルを持った人間を統括する組織だ。ここはネイチャースキルを持った異能者を取り締まり、抑制する組織だ。

この組織のおかげで、ナイチャースキルを使って犯罪を起こすモノが減った。現在ではナイチャースキルを使って社会貢献をする等、世の中の役に立っている。

本部はヨーロッパに存在しているが、支部は日本にも存在する。

魔法がある現在ではネイチャースキルはごく自然に溢れているものになった。割合にしても100人に1人はネイチャースキルの持ち主だ。


ここが関係しているのだろうか?いや、決めつけるのはまだ早いか・・・。探りを入れてみるか。遼一はそう思いながら行動を開始しようとした。


『ご主人様、そろそろお休みになられてください。明日は部活の勧誘があって激務のはずです』


現在の時刻は一時前だ。寝不足になっている遼一には少々きついだろう。


「・・・いやまだーーー」


『いいから、早くお休みになってください。菜々子様をお呼びしますよ?』にこっと誰もが惚れそうなほどの華やかな笑みを浮かべてそう言ったが遼一には“さっさと寝ないと気絶させるぞ?”にしか見えなかった。


「わかった。・・・お休み」そう言ってベットに入った。


『はい、おやすみなさいませご主人様』慈愛に満ちた表情でそう言って遼一の部屋から出ていった。


やれやれ、最近人間らしさに磨きがかかったな・・・。これも、美希がいろいろと教えたせいでもあるかな・・・。まったく、困ったもんだ。遼一はルイの行動に対してそう思いながら眠りについた。













次の朝、遼一と美希は自操車に乗って学校前で降りて教室に向かっていた。


「あれ?りょーちゃん目の下の隈少し収まったね?」美希が下から覗き込むようにしながら言った。


「気づいていたのか」


まったく普段と変わりがないし、目の下の隈なんて見えないはずだが、どうやら美希には見えているようだった。


「当たり前だよ、りょーちゃんが何度もあくびを噛み殺していたの見てたもん」


「そんなにした覚えはないんだが」やや呆れつつもそう言った。


「そう?でもね、なんとなくわかるよなんとなく」笑顔でそう言った。


「もはやネイチャースキルだな」


「う~ん、どうだろ?りょーちゃんだけにしか発動しないと思うよ?」じーっと遼一を見ながら言った。


「相変わらず朝から暑苦しいわね・・・」横から現れた麗華がその様子を見てやや呆れながらそう言った。


「暑い?そうか?気温は高くないぞ?温湿度も快適なはずだが?」遼一は空を見上げながらそう言った。


「美希・・・私はどう突っ込めばいいのかしら?」ジト目で遼一を見ながらそう言った。


「あはは、仕方ないよ。りょーちゃんは言葉を直球で受け止めるから」苦笑いをしながらそう言った。


「何か問題でもあったのか?」遼一はキョトンとしながらそう言った。


「もういいわ。遼一君のことだしわたしには関係ないわ。あ~あ、遼一君を好きになった女子はご愁傷様」美希を見ながらそう言って颯爽と歩いて行った。


「あいつは結局何が言いたかったんだ?」遼一は隣で若干赤くなっている美希に言った。


「え?いや気にすることでもないんじゃないかな?」苦笑いをしながら言った。


「そうか・・・けど、美希の顔が若干赤いようだがあいつに何かされたのか?」心配するようにそう言った。


「ふふふっ、大丈夫だよ?心配しすぎだよ」


「そうか・・・美希が大丈夫なら問題ないか」


「そうだよ。でも、心配してくれてありがとう、りょーちゃん」


「当たり前だ、いつも世話になっているからな」ぷいっと視線を外しながら言った。


「ふふっ、りょーちゃんらしいね」微笑みながらそう言った。















「・・・またか」遼一は測定機を見ながらそう言った。測定機は動かなかった。


「大丈夫や遼一、次はなんとかなるって」哲也はそう言って遼一を励ました。


「そうだよ。諦めずに頑張ろう」静香も気合いを入れるようなしぐさをして励ました。


今の授業は魔力の測定だ。現在では魔力は測定できるようになったが、小さい魔力はまだ測定できない。魔力がない遼一はご覧のような有様になっている。実践授業ではないため、教室で行われて担当する教師はこの場にはいない。


「いや、もういいよ。魔力判定はGでいいさ四回もやっても無理ならそれまでだろう」


「も、もう少しやったら変わるかも知れんで?」慌てたようにそう言った。


「そ、そうだよ。たまたま測定できなかったというのもあるし」静香も焦るように言った。


「それはないよ。測定できないほど魔力が小さいんだ。まあ、仕方ないけど」やや諦めるような感じで言った。


二人は何か言葉をかけようと思ったが寸前のところで止まってしまい、重い空気が漂う。


「二人が気にすることではないだろ?これは俺の問題だからな」二人をそう宥めた。


「そうか…遼一がそんな風に言うならええけど…くやしくはないんか?」


「…そうだね、私だったら悔しいけど…遼一君はどうなの?」


「…悔しいさ、だけど嘆いたところで変わらない。それを補うための努力をすればいいだけの話だろ?それが俺の場合、体術と技術だったということさ」


「お前すごい前向きだな。羨ましいぜ」


「お前ほどではないだろ?毎回、静香に怒られてもへこまずに同じ過ちを繰り返すじゃないか」


「そうだよ、クラスのみんなに馬鹿にされてもすぐにいつもの調子に戻るくらいだしね」


「待て待て!それはお前ら馬鹿にしてるだろ!」


「上げて落すのが基本だろ?」


「鬼畜すぎるだろ!考え方が根本的に間違っている!」


「私は落して落すかな?」


「鬼か!そんなにいじめて楽しいかよ!…ってクラス全員でうなずくんじゃねぇ!」クラス皆が頷きながら哲也に注目していた。


実際、魔力がないって言ったらどうなるんだろうか?まあ、どうせ冗談だろうと思われるだろうな。遼一はクラスの雰囲気を見て軽く笑いながらそんなことを思った。

すみません少し投稿するの遅れました

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