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魔力がない魔法生  作者: とんび
3章 七校大会編
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二十六話 大会一日目午後の部2

「対人射撃か…うちは去年二位って言ったけど一位はどこだったんだ?」照吾はそう言って麗華のほうを向いた。


「九州よ。弓の名手で琉球王国の王の源為朝の子孫って言われている人がその時二年生で今は三年生よ。その人が主導になって今年は対人射撃を組んでいるわ優勝候補には間違いないわ」麗華は照吾にそう言った。


「また九州か。すげえな」


「那須家とは弓の名手同士で今は仲が良いらしいわ。確か今年、源さんは一年生に妹が入ってきたはずよ」


「妹もすげえのか?」


「そうね。一つ言える事は、対人射撃の方に入っていないわ」


「は?そしたらライフル射撃とかポイントストライクに入っているのか?」


「彼女は…生徒会に入っているの」


「生徒会?…そしたら麗華と戦うことになりそうじゃねえか?」


「…ええ、そうね」どこか一点を見つめるようにして目を細めながら言った。


『ただいまより対人射撃の一回戦第一試合を開始したいと思います。第一試合の選手は準備をしてください』


アナウンスとともに第一試合の選手がフィールドの上に立った。


対人射撃も剣術と同様、10m×10mのフィールドの上で戦う。場外やダメージポイントを二回取られたら負けになる。男女三人ずつ戦い四回勝った方が勝利となる。剣から銃に変わっただけでルールは特に変わった点はない。


「最初は四国・中国と東北か…技術校どうしか」


四国・中国と東北は技術学校に指定されている。将来、技術師になりたい人達が率先して行くところでもある。みんながみんな技術師というわけではないが、七校大会には別の意味で熱が入っている学校ともいえる。


「あれはなんだ?」照吾は東北の男子生徒が両手で持っている形の変わった銃を見ていた。


「…見た感じは拡散型の銃だな。一体どんな効果があるんだ?」


試合が始まった瞬間、東北の生徒が銃を撃った。その瞬間にレーザー弾が拡散しながら放たれた。四国・中国の生徒は銃を撃った瞬間に拡散されたレーザーが跳ね返った。


「なんだあれ!?跳ね返ったぞ!?」


「レーザーから出されるエネルギー量は使っている人間が持てる量の限界が今の科学で証明されているからな。そこから計算して反射が決められているんだろうな。あれは完全にレーザー専用だな。東北の生徒があの馬鹿でかい銃を抱え込んでいたからそう思ったんだろうな」


「反射は固定設定されているの?」美希は遼一を見ながらそう言った。


「それは違うな。レーザーは威力はそれぞれ違う。あの銃の口径の大きさ、全長から瞬時に計算して展開したと思うぞ?」


「…天才って部類かしら」麗華はそう言いながら遼一を横目で見た。


「それは違う。多分、演算装置をつけいるんだろう。そのせいで、反射以外のその他の機能はないと思う。それに人間が瞬時に計算できるのは現代の科学じゃ無理だ。それにあの銃は真正面に来るレーザーしか反射できないな」


「瞬時に計算するのは魔法では出来るってことじゃないの?」美希はそう言って遼一を見た。


「無系統に属していて完全に感覚の分野だ。才能とその分野に関する深い知識がないと無理だな。ネイチャースキルとほぼ同質と言っていい」


「へぇ~、私にもそんなこと出来るかしら?それを覚えたら遼一と肩を並べれるってことも」梓は目をキラキラと輝かせながらそう言った。


「…あまりお勧めできるものではないのだが、魔力が目に見えるように感じるようになるまでなれば第一関門突破という―――」


「うん、無理だから」梓は遼一の言葉を遮って素敵な笑顔でそう言った。


「Sランクの魔法師でも難しいと言われているのに無理よ」麗華はそう言って呆れた表情をした。


「魔力が目に見えるって霊力が見えるみたいな感じなんだろうか?まあ、霊力すら見えない俺には到底無理な話だな」照吾は苦笑いをしながらそう言った。


「…あはは、そうだよね~」美希が乾いた笑みを浮かべながらそう言った。


遼一は言うまでもないが、美希も最近になって見えるようになって来たらしい。優子による指導と言うものもあるが才能以前に本人の努力次第で決まるものだろう。他のみんなは二人が魔力が見えることは知らない。


「まあ、魔力が見えれば、相手の魔法がすぐに分かるから、自分の魔法で相殺できるな。これを応用しているのが麒麟瞳さんだ。見識の魔眼がその例だな」


「あの人はいろんな意味ですごい人わよね」梓がそう言った。


「そうね。二十二歳で軍のトップってどんな経歴よ。規格外にもほどがあるわ」麗華がそう言った。


「たった一人で沖縄に進行してきたテロリストを一網打尽にしたくらいだからね」美希がそう言った。


今から二年前、沖縄県の離れ島に武装したテロリストが海底から侵入をしてきた。その場は岩場が多く、事件は難航すると思われたが、事件当時、その場にたまたまいた海軍中将であった瞳がその岩場付近にいたテロリスト達を魔法で一人残らず打ちのめしたのだ。

現場にいた海上保安がその後すぐにテロリスト達をすぐに逮捕して事件は終息した。


「その功績の他にも他国との軍事交渉で色々と活躍しているし、それとあのカリスマ性とメディア受けしそうなルックスがあればトップに立つのも頷けるな」遼一はそう言った。


「話は戻すが、魔力が目に見えれば戦闘もずいぶん楽になるということだな。…話をしすぎたな東北が二回戦に進んだみたいだ」遼一は試合を見てそう言った。


「そうみたいね…。まあ、うちの高校は次にあるみたいだからちょうど良かったわ」梓はそう言った。


「俺達の高校は中部と戦うみたいだな」照吾はそう言った。


「中部か…特に秀でた選手はいなかったよね」美希はそう言った。


中部は一つの大魔法家を除いた、秀でた選手がいない。四国・中国や東北と違い技術学校指定とされていない。九州、近畿、関東、北海道と比べても毎年最下位になるほどだ。しかし、それでも普通高校と比べたら圧倒的な差をつけてしまうだろう。


「だがあそこはテストの成績は悪くないよな。魔法に関しても癖のある人がいないから、魔法師になってから活躍する人も多いしな」遼一はそう言った。


中部は毎年どこの学校よりも魔法師を出す生徒数が多い。優秀な生徒が多いと言うよりも、他の学校よりも変に威張ったりするものが少ないことやクラス替えが激しいのもあり、切磋琢磨してお互いを高め合うことで自然とどの高校よりも魔法師になる生徒が増えていると言うものがある。

魔法師になってからも高校や大学で身についた事が反映されることもあり、結果的に魔法師の中でも優秀と言われているCランクには中部出身の人たちが多い。真面目な人や努力家が多い学校とも言える。


「それよりも、大丈夫なのか俺達のの高校の人は」照吾はそう言った。


「そこは問題ないわよ。今回は優勝を狙えるに違いないわ。因縁の対決ともいえるから」梓はそう言った。


「因縁の対決?」遼一はそう言って首を傾げた。


「そうよ。今の三年生にいる。弓削ゆげ当麻とうま君が、九州のみなもと孝也たかや君のライバルなのよ。去年はお互い時間切れで引き分けに終わっているわ」梓はそう言った。


「へぇ~その弓削先輩も相当強いんだな」


「ええ、ちなみに中学のときから対人射撃で全国決勝で争っていたらしいわ」


「なんかカッコイイな!永遠のライバルみたいな感じでよ!」照吾は興奮しながらそう言った。


「……そうかしら?私は鬱陶しいものだとおもうけど」麗華は少し目を細めながらそう呟いた。見た感じ少し不機嫌になっていた。


「…あ~、なんか悪い」その様子に気付いた照吾はそう謝った。


「別に謝る必要はないわ。私が勝手に気分を悪くしただけだから…。それよりもごめんなさい。雰囲気を悪くしたみたいね。少し外れるわ」そう言って出口に向かって歩き出した。


「あっ、おい麗華」遼一はそう言って麗華を追おうとしたが梓に止められた。


「今はそっとしておいて上げた方がいいわ。なんか麗華にもあるんでしょう」梓がそう言って遼一を止めた。


「…わかった。そうだな」遼一は出口へ消えていった麗華を見ながらそう言った。
















中部と関東の戦いは関東が勝った。最後まで弓削当麻は出ることはなかったがとても良い試合を両校は繰り広げた。


「すげえ戦いだったな。中部の方も二勝までしたし、正直ヒヤヒヤしたぜ」照吾はそう言った。


「そうだな。魔法師はかなりの人数が輩出されているのもあるから中にはレベルも高い奴もいるんだろうな」遼一はそう言った。


「次は九州と近畿みたいね。ポイントストライクに出ているから那須家はいないでしょうけど、油断は出来ない相手には違いないでしょうね」梓はそう言った。


「でも、九州が勝てる可能性は十分にあると思うよ」美希はそう言った。


『ただいまより一回戦第三試合を開始します。第三試合の選手は準備をしてください』















「まさかここまで来るとは…ずいぶん良い展開になったわね」梓は試合を見ながらそう呟いた。


三対三。まさに接戦と言われる試合の展開だった。そして、九州の最後の砦である源孝也が出てきた。好青年というよりも元気がありそうな感じで、愛嬌溢れる顔立ちをしている。とても見ていて好感をもてる生徒だった。


どうやら中部の生徒と何かを話をしているらしいがここからは聞き取れる内容ではなかった。唯一見ていてわかるのは孝也がとても社交的でにこやかに話しているのに対して、中部の生徒は無愛想、いや、無関心といった感じだった。

少し困ったような笑みを浮かべながら孝也は位置につき対する相手も位置に着いた。孝也は位置につくと今までと違う顔付きで相手を睨みつけていた。

一方、中部の生徒は先程と変わらず、無関心といった感じで位置についていた。


「なんなのよあの中部の生徒。やる気があるのかしら?」梓は少し怒ったような様子でそう言った。


「それは見た感じじゃわからないな。心が読めるわけでもねえし」照吾はそう言った。


なんだあれは?遼一は中部の生徒を見ながらそう思った。


中部の生徒が纏っている魔力がおかしいと思うくらい感じられないのだ。霊力で無理やり押し込めているのだろうか思って隣にいる美希に耳打ちをしてみたが彼女は首を横に振った。


ブザーが鳴り響き試合が始まった。中部の生徒が孝也に向かって銃を乱射した。黄色にか輝くエネルギー弾が射出され飛んでいった。

孝也はそのエネルギー弾を避けながら中部の生徒に向かって高速のエネルギー弾を撃った。中部の生徒はそのまま動かずエネルギー弾が当たったと思ったらバチバチッと音が響き孝也の撃ったエネルギー弾がはじけ飛んだ。


「なんだ!?いまのは!」照吾がそう言って驚いた。


「魔力の影響だな。あの中部の生徒の魔力が電気を帯びているんだろうな」


「魔力が電気属性というわけね」梓はそう言った。


たまに魔力が属性持ちの人がいる。特に珍しいと言うわけではないが属性持ちの人はある特徴がある。


「多分、相性悪いだろうな。確か源家は水系統の魔法が得意だろう?特化型の相手では更に相性が最悪だろうな」


属性持ちの人はその属性だけしか操ることしか出来ない。しかし、その属性だけはどんな難しい魔法でも魔力量さえあれば扱うことが出来るという特化型なのだ。


「まあ、得意ってだけであんまり関係ないんじゃないかしら?」


孝也は炎のエネルギー弾をを巧みに扱って間合いを取りながら中部の生徒を近づけさせないでいた。風の魔法をまたに使ってダメージポイントになるところを確実についていた。

中部の生徒は押されているわけではなく、淡々とエネルギー弾を捌いていた。表情は先程と変わる様子もなく興味なさそうにしていた。


「相変わらずよねあの中部の生徒は…見ていてイライラするわ~」梓はギリギリと歯軋りをしながらそう言った。


「でも、あの子最低限の魔力しか使っていないよね?何もしていないよ」美希はそう言った。


「いまだに魔力がわずかしか感じられないからな。以外に長期戦に持ち込んで消耗させたところを叩くと言う作戦なのかもな」遼一はそう言った。


孝也は痺れを切らしたのか大型の魔法を中部の生徒に向かって放った。炎の渦を纏いながら赤色のエネルギー弾が中部の生徒に向かっていった。

中部の生徒は銃を放った瞬間にバチンッとはじけ飛ぶ音がしたと思ったら孝也が放ったエネルギー弾が消えていた。孝也は一瞬驚いた顔をした瞬間、ドンッと魔力が一気に上がった。表情からしてかなり怒っている様子だった。


「やばいくらい魔力上がっているな。あれくらったらひとたまりもねえぞ」照吾はそう言った。


「いくら非殺傷のスタンモードとはいえ、ジャージで覆っていない所に当たったら生傷は出来るでしょうね。まあ、あまり問題ないんじゃない?」梓はそう言った。


孝也の周りが氷で固まっていき、そして銃弾から連続して青色のエネルギー弾が周りを氷付けにしながら放たれた。そして、フィールドを氷付けにした後、直径二メートルの氷の塊が放たれた。氷の塊は放たれた直後に割れて、鋭利を持った氷が中部の生徒に襲いかかった。

しかし、その氷は中部の生徒に当たることなく、中部の生徒はいつの間にか孝也の後ろにいた。そしてそのままエネルギー弾が放たれてダメージポイントを連続して二回取られ、孝也は負けてしまった。


「お、おい負けたぞ…」それ以上は声が出ないのか照吾は呆然としていた。


「…あの選手はどうやら直前で選手変更をしたみたいね」梓はそう言った。


「直前でか?そんなことできるのか?」照吾はそう言った。


「可能よ。これを見て頂戴」梓は携帯端末を取り出して空中にディスプレイを展開させながら言った。


大会は一人につき一つの競技にしか登録できないが、以下の場合は特別とする。


・試合の当日、生徒の重度の体調不良により参加できない場合

・ケガにより生徒の出場が困難な場合


※ただし、大会当直医による診断証明が必要となる。


「つまり、あの選手は選手変更された人なのか」照吾は納得したように頷いた。


「あの選手がどの競技の選手か分かるか?」


「ちょっと待って、聞いてみるから」梓はそう言って携帯端末を操作しだした。


少しして梓は驚くような表情をした。


「…彼は風紀委員で名前は―――麒麟きりんさとしよ」


他の三人が驚くのに十分な情報だった。

















「それで、私をこんなところに呼び出して何の用かしら?」麗華は少し不機嫌にそう言った。


麗華の正面には近畿の男子生徒と女子生徒がいた。黒髪黒目で二人とも顔立ちが整っており、よく容姿が似ていて男子生徒はツンツンに髪が立って、女子生徒の方は流れるような腰まである髪くらいの違いしかない。

更に麗華の隣りには九州の女子生徒がいた。茶色がかったショートヘアーで綺麗なマリンブルーの瞳の色をしている。少し鋭利がかった目が彼女にかっこよさをプラスさせている。


「まあまあ、そういうなよな。俺も何も用無しに呼ぶわけないだろう?いいじゃねえかよ。久々の再会が出来てさ~」ニコニコと人懐っこい笑みを浮かばながら男子生徒はそう言った。


竜也たつや、そう言うわけで麗華は言ったんじゃない。稀亜きあがいるから恥ずかしいだけ」隣りにいる近畿の女子生徒は無表情であまり抑揚のない声でそう言った。


「なに!?麗華、本当に芹夏せりかの言ったとおりなのか?」竜也と呼ばれた男子生徒は麗華を見ながらそう言った。


「ねえ、あなた達、那須家馬鹿が多いの?」麗華は冷ややかな視線を男子生徒に送りながら言った。


「おいおい、ひどいな~。そんなわけがないだろう?今のは冗談だよな芹夏」


「冗談なの?」首を可愛らしくコテンと傾げながらそう言った。


「……うん冗談だよ冗談」あははっと苦笑いを浮かべながら竜也はそう言った。


「芹夏は相変わらずね。竜也がフォローしている姿が目に浮かぶわ」麗華の隣にいた九州の女子生徒がそう言った。


「稀亜もそう思う?まあ、その通りだから否定できないんだけど…」竜也は肩をすくめながらそう言った。


「それで、ここに呼び出した用件はなんなの?」麗華はそう言った。


「いや、まあ、稀亜にも関係あることなんだが、さっきの試合で稀亜の兄さんが負けただろう?」


「あれは正直驚いたわ。まさか、兄さんが中部の生徒に負けるなんて思わなかったもの」稀亜はそう言った。


「それの話なんだが…俺がポイント射撃に移動したのにも関係がある」苦い表情でそう言った。


「…まさか、二人が対人射撃にいなかったことは驚いたわ」稀亜はそう言った。


「ああ、実は中学三年生の最後の大会で俺は…孝也さんの対戦相手だった麒麟暁に負けたんだ」


「…負けたというのは頷けるけど、あなたが移動したのにどう関係あるの?」


「…情けないことに奴を見る度に足が竦むんだよな。あれは、いろんな意味でやばいよ。そう言った意味で奴と戦わないために移動したんだよな」暗い表情でそう言った。


「どういうこと?」麗華は怪訝な表情でそう言った。


「…『俺が求めている相手じゃない』って最後に呟いたのは聞いた」芹夏はそう言った。


「ああ、芹夏の言う通りだ。俺では奴の相手は務まらなかったんだろうな。血に飢えた戦者というくらい強い奴は片っ端から潰していくような奴だよ。とにかく強いのには変わりないよ。奴が出てくる前に先に勝った方が有利だが…さすがに全て全勝と言うわけにはいかないだろうな。…それに奴の本職は一年生で尚且つ風紀委員戦に出るぞ?対策はしておいた方がいいな」


「…対策ね、それに関しては私が出る幕はないかもしれないわね」麗華はそう言った。


「どういうことだ?」竜也は首を傾げた。


「風紀委員には頼もしい一年生がいるからよ」


「へぇ~、珍しいこともあるわね。で?滅多に人を褒めない麗華が一目置く人は誰よ?」稀亜はそう言った。


「さあ?自分で見つけなさい。それに私たちは生徒会戦で戦うもの同士、敵に塩を送る真似はしないわ」


「あら残念、仕方ないわね」


「…麗華、私には教えてくれない?」きらきらと目を輝かせながら期待するような表情で芹夏はそう言った。


「……後で教えるわ」麗華はプイッとそっぽを向きながらそう言った。


「ありがとう麗華。やっぱり麗華は優しい」にこっと花の咲いたような笑顔を麗華に向けながらそう言った。


麗華はため息をつきながら責めるような視線を竜也に浴びさせたが、本人は肩をすくめながら首を横に振るだけだった。麗華のとなりにいる稀亜はやれやれといった感じで見ていた。

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