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魔力がない魔法生  作者: とんび
2章 選考会編
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一三話 円城寺家

説明が分かりにくかったりするかもしれません。

次の日、土曜日という休日になったが遼一はあるところに向かっていた。


ピンポーンっと言う軽快な音がしたあと、一人の少女が家から出てきた。


「りょーちゃん、入っていいよ~」美希がニコニコしながら遼一を出迎えた。


「ああ、お邪魔します」遼一はそう言いながら家に入った。


美希の家は一般の家庭より少し大きいが目立つというほど大きくはない。遼一の実家と同じくらいの大きさであろう。


「やあ、待っていたよ。久しぶりだね~」黒髪黒目の男性、青年といった方がいいくらいの男が爽やかといったほうがいい感じで遼一に話しかけてきた。


「あらら、やっぱりあなた達はお似合いよね~」亜麻色をした腰まである髪に透き通った青い目をした女性が話しかけてきた。


「ええ、お久しぶりです。浩二さん、美鈴さん」


そう、この二人は美希の両親であるのだ。大学生といっても全然通用する容姿に加え、美男美女というのがピッタリだ。これで高校生の子供がいると言ったら誰もが驚くだろう。


「あら?お似合いというのは無視するの?」にやにやっとしながらそう言った。


「・・・あまりからかわないでください。反応に困りますよ」苦笑いをしながらそう言った。


「お、お母さんも変なこと言わないでよ!りょーちゃんが困っているじゃん!」美希は若干顔を赤くしながらそう言った。


「うふふふっ、ごめんなさいねもうしないわ」そんな風に言いながら微笑んだ。美希はそう言われて少し不機嫌になっていた。


「さあ、感動の再会はこのくらいにして、話に入ろうか。さあ、座って」


浩二にそう言われて遼一は向かい側のソファに美希と一緒に座った。


「・・・知っての通り魔法委員会は軍と警察と仲が悪いってことは知っているよね?」


「それはもちろん、それがどうかしたんですか?」


魔法師は軍でも配備されている。軍の中には魔法を使えない人達は多い。しかし、訓練方法も違うため健全に配属は違うといってもいいだろう。しかし、魔法が使えない軍に勤めている人は肩身が狭い思いをしているのは事実だ。現在は質量兵器よりもMWを用いた兵器の方が格段に強いことも証明されてためどんどん魔法を使える人を起用している。そのため、小競り合いや犬猿と言っても言い仲になっている。


魔法委員会と警察は国の治安を守るという点で同じだ。警察は質量兵器を使うのに対して魔法委員会はMWを使用する。犯人を捕まえるのも両方共同じという風になる。

現在は携帯端末に緊急コールボタンというのが備え付けてあるものあり、事件という電話を受けたら警察と魔法委員会に同時に緊急信号が発信される。つまり、どっちが検挙率が高いかの勝負になっている。

どちらとも躍起になっているのもあり、年々、どちらも検挙率は高いのだが、警察と魔法委員会同士で争ったりする等、大変迷惑な行為にまでになっている。


だからと言って軍の魔法師と魔法委員会も仲がいいとは言えない。優秀な人材を如何に確保できるか二つとも躍起になっている。七校大会で優秀な人材を見つけて誘いをかける。軍も委員会も現場の人手が足りないのだ。才能がない人よりもある人の方が使えるだろう。

何も優秀な魔法師だけではない。技術師も引き込むのだ。研究に関してもどちらも優秀な人材が欲しいのだ。お互いに情報開示せず、研究も別々に行うので仲が良いとは言えないだろう。


「なんでも魔法委員会は捜査協力をするらしいよ警察とね。軍は合同演習だったね」


「は?なんでまたそんなことになるんです?」


「まあ、確かに理解できないだろうけど、いつまでもいがみ合うにはいかないだろう?多分組織の合併を図るんじゃないかな?」


「・・・上手くいくとは到底思えないんですが?」


「まあ、そうだろうね。その反応が普通だよ。でも税金を減らすためっていうのもあるし、何よりも組織の効率化っていうのもあるんじゃないかな?」


「・・・魔法に才能がない人は蹴落とされるシステムですか」


「そういうことだろうね。実質のトップは魔法の才能がある人になるだろうしね。これをきっかけに魔法主義社会を確立させて需要を増やすんじゃない?」


現在の日本は魔法主義社会というわけではない。魔法は職業の一つであり、才能がある人はこの道に進めれるというだけだ。

しかし、魔法主義社会になれば魔法という才能一つで高い地位が得られるというものになる。魔法とは関係ない会社に就職するにしても履歴書に魔法のランクがつくかもしれない。


「日本も、うかうかしてられないんだよ。他の国では確立しているところが多い。そのおかげで魔法師の人口も増えて軍の拡張になるしね。…まあ、そのおかげで魔法教会という勢力が拡大しつつあるみたいだけど」


「そうね。最近、魔法教会のほうも怪しいからなんとも言えないわ。仕事をするときは十分気をつけなさいね」美鈴は遼一に向かってそう言った。


「分かりました」遼一はそう言って頷いた。


「仕事はしないほうがいいけど、そういうわけにはいかないだよね?」美希が不安そうに隣にいる遼一を見つめた。


その様子を見た遼一はふっと微笑んで軽くポンと美希の頭を撫でた。撫でられた美希は嬉しそうに目を細めながら頬を少し赤く染めた。


「大丈夫だ。そこまで危険ではないし問題無いよ」優しく言いながら美希を見た。


「でもこの間、怪我したんでしょ?やっぱり危ないよ」ハッとしながらそう言った。


「・・・あれは直ぐに治ったよ。能力は使えなかったけど治るのにそこまでかからなかったし問題無いよ」


実際はかなりの大怪我ではあったが、病院で使われる医療用のナノマシンを使ったため大事には至らなかった。最新の医療ナノマシンはどんなケガでも一週間もあれば治る。ナノマシンは一週間で体外に排出されるため危険はない。美希にはちょっとした怪我という認識だろう。


「でも・・・」美希は不安な瞳で遼一を見ていた。遼一はどうしていいか分からず浩二と美鈴を見て助けを求めた。二人はその様子を見ていたが


「美希、そこまでにしときなさい遼一君が困っているよ」浩二がそう言って美希を止めた。


「・・・うん」納得が言っていないような表情で頷いた。


「心配してくれてありがとう。無茶はしないから」遼一は微笑みながらそう言った。


「・・・約束だよ?破ったら針千本飲ますからね?」美希は上目遣いでそういった。こんな表情をされたら思春期を迎えている男子には一溜りもないだろう。


「わかったよ」遼一は苦笑いしつつそう言った。


その様子を浩二と美鈴は微笑ましく見ていた。















遼一が出て行った後、三人はリビングにまた集まっていた。


「相変わらずだったね彼は」ふっと微笑みながら浩二は呟いた。


「もう少し弱みを見せていいけどそうにもいかないんでしょうね」美鈴はため息をつきながら言った。


「うん、そうだね。りょーちゃんは昔からだよね」


「まあ、家族でもそんな感じらしいからな。・・・人と距離をとるのは」


「なんとかしてあげたいけど何も出来ないのが現状ね。本当に悔しいわ」美鈴は吐き捨てるように言った。


浩二と美鈴も遼一の能力によって若返っている。彼らも遼一のために色々と試行錯誤しているが実際は何も成果が出ていないのが現状だ。


「そうだね、あんな新作のMWができる頭脳をもってしても何もわからないらしいからね」


雲居家の事件騒動のすぐ後にMWの新作を発表した。脳とリンクして無詠唱でできる上に魔法伝導率、威力の上昇や苦手な魔法でもある程度まではできるというものになった。

脳とリンクしているというのは前々から危険視されていてこの技術は使われることはなかったが、今回は調整に失敗しても少し具合が悪くなる程度になるだけなのでリスクも軽減されている。

現在は大量生産中で近日中にも市場に出回るだろう。


「・・・なんで彼にあんな能力が付いたんだろうな」浩二は誰も答えることができない疑問を自嘲気味に吐き出した。















遼一は円城寺家を出て優子の家を目指していた。夕食のお誘いがあったが用事があるので断った。三人とも残念そうな顔をしていたが、用事なら仕方がないと諦めてくれた。その代わり明日、日曜日には夕食にお邪魔することになってしまった。

浩二と美鈴の相変わらずの様子に遼一は終始苦笑いだったがリラックスできたのには変わりはなかった。

あんな生活を毎日送れるのも悪くは無いと思っていた。しかし、すぐにその思いは掻き消した。現状では送れるはずが無いのだ。一瞬でもそう思った遼一は少し自己嫌悪に陥った。


そうこうしているうちに目的の家の前に着いた。インターホンを押そうとしたら急に後ろから肩を叩かれた。


「待っていたわ遼一君」優子はそう言いながら笑顔で遼一を出迎えた。


「…人を驚かせるのがお好きなんですか?」ふーっとため息をつきながら言った。


「あら?こういうのも訓練の一つよ?」くすっと微笑みながらそう言った。


「気配が感じないと無理ですよ」


遼一は常に魔力感知を広げているわけではない。あれを常時展開しておくと脳への負荷が尋常ではない。自分が怪しい、危険だと思うときにしか発動していない。

一日中展開していても良いが、睡眠時間が12時間にいくのであまり使用はしたくないのだ。


「こういうのも訓練のうちよ?あなたは能力に頼りすぎているところがあるから」微笑みながら遼一の頬をそっと撫でた。


遼一はぞくっと背筋に悪寒が走った瞬間、優子との距離をとった。


「まあ、合格ね。そういう危機管理能力はつけといたほうが良いわ」変わらない雰囲気で遼一に言った。


「…わかりました」なお警戒を怠らない雰囲気をだしてそう言った。


軽い感じで優子は言ったが今のは精神系魔法が使われていた。系統としては無系統に所属していているが使い方は様々だ。

MWを使って魔粒子のほうを使うものと、霊粒子を使って相手を騙す方法がある。

霊粒子というのは魔粒子と同じで空気中に存在しているものだ。肉眼で確認することは出来ないがそれを自分を介して使用することで色、形と言ったものが出来る。魔粒子と違うのは、MWを媒介しなくて使用できるところだ。

霊粒子の典型的な例として挙げられるのは相手の威圧感と言うものだ。このときに感じられるものが霊力と言うものだ。人によって様々な形や色、使用方法が違うし、魔粒子とも相性が抜群なので組み合わせて使用するなどバリエーションも豊富だ。感覚さえ掴むことができれば誰でも簡単に扱うことが出来る。

感覚さえ掴めれば、感覚共有、念話、霊粒子を使って物理的破壊も行うことが出来る。霊粒子を自分に通して具現化させることもできるし、そして攻撃や防御といったこともできる。しかし、これにはかなりの霊力がいるので一般の霊力では無理だ。

攻撃だけではなく精神病院といった、医療を目的といったのもある。精神的に病んでいる人を霊力を使って精神的に元気にさせたり、精神的恐怖を払拭させるために使用させたりなど多岐にわたって使われている。


霊力は魔力量に比例して大きくなる。つまり魔力量が多ければ多いほど霊力も大きいのだ。しかし、例外とするのは先天的または後天的に急激に増えると言うのもあるため一概には言えない。

魔力量と同様に霊力量も存在して使いすぎるとなくなってしまうが、寝たりしたら回復する。ただ魔力量と違うところは霊粒子が集まりやすいホットスポットで休んでいると回復量は格段に違う。

霊粒子は感情と言うものに大きく作用される。強い思いや強い感情に反応して大きくなる。証明はされていないが幽霊やポルターガイスト現象というものはある人の強い思いがその場所や物に残されていたりしたものに霊粒子が集まって作用すると言われている。


「でも、今回はよく避けたわ。霊力を使ったのに」


「…優子さんの教えの賜物としか言いようが無いですよ。本当に嫌な感じがしたしか思いませんでしたから」


「あら、嬉しいこといってくれるじゃない?育てたかいがあったわ~」笑顔で遼一を見ながらいった。


「まあ、立ち話もなんだし、中に入りましょう?」


「わかりました。お邪魔します」













リビングに入るといかにも高級そうな黒いソファーに対面するようにして二人は座った。


「最近、無差別に魔法師を襲う事件は知っているわよね?」


「ええ、知っています。最近それがニュースで流れているくらいですから」


ここ最近、魔法師が何者かに無差別に襲われていると言う事件が起こっている。犯人は黒いローブを纏っていたため性別人相も分からないということだった。


「死神の仕業ではないかと言う情報が流れていたんだけど…。犯行時刻とアリバイからして遼一君の仕業というのはありえないわね」神妙な顔をしながら言った。


「疑うのは分かりますが、相手の力量も相当なものなんですか?」


「ええ、襲われたのは全員Cランク以上だったわ。しかも、戦闘時間も五分も掛からなかったみたいよ。襲われた人に外傷はないし、残留する魔力も霊力もないから純粋な力で相手をしたようね」


「そうとうな相手ですね」遼一も考え込むような仕草をしながら言った。


遼一が魔法を使わない実力が大体、下位のCランク魔法師と同じくらいだ。そんな相手を五分も掛からず外傷もなしと言うのは相当な実力の持ち主だ。


「…ええ、しかも強い相手しか狙わないと言うのが気になるわね。しかもだんだんと狙われる人の実力が上がってきているのよ」


「…姉さんの方までいくのかどうかという話ですか?」


「そうよ。向こうは魔法師だから分かっているでしょうけど…」


「姉さんは大丈夫ですよ。強いですから」遼一は軽く笑いながらそう言った。


「そうよね。私ともう変わらないくらい強いから、私も現役引退かしら?」


「変わらないと言う人がその相手を瞬殺なんてありえませんよ」苦笑いをしながら言った。


ほんのニヶ月前、優子と菜々子は戦った。結果は菜々子の惨敗。そのような結果に終わって菜々子は泣いて遼一が慰めると言う羽目になった。風呂に一緒に入って、ご飯を食べさせてなど大変だったのは遼一の記憶に新しい。


「…あなたまだ気付いてなかったの?」驚いた表情で遼一を見つめた。


「え?どういうことです?」訳が分からないと言った表情をした。


「わ、わざと負けたのよ。あ、あなたに慰めて貰うために…」顔を隠して肩を震わせながらそう言った。


「そ、そうだったんですか」がくっと肩を落としながらそう言った。


しばらくリビングでは笑い声が聞こえていた。

明日も同じ時間に投稿します

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