表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

エピソード3:祈りの傍で - 2

セラとフィオの捜索。

礼拝堂から更に奥へ進むにつれ、空気が変わっていくのをイリスは感じていた。

陽の光は木々に遮られ、足元には湿った落ち葉が積もっている。


「……静かすぎる」


思わず漏れた独り言に、リオが小さく頷いた。

イリスは地面に視線を落とすと、柔らかい土の上にかすかな足跡が残っていた。


「……これは」


小さな足跡が二つ、並んで進んだ形跡がある。


「セラ様とフィオ様……ですかね」

「ああ。歩幅が近い」


イリスは指先で地面に触れ、土の感触を確かめる。

時間はそれほど経っていない。

その足跡を追っていくと、開けた場所に辿り着いた。

苔むした切り株。

組み合わされた枝と布で作られた、簡素な小屋のようなもの。

子どもが身を寄せ合って作ったような拙い造り。


「……ここですかね」


リオが当たりを見回しながら言う。

空気が妙に静かだった。

鳥の声も風に揺れる葉擦れの音もない。

その静けさが、逆に耳につく。


「人の気配は……ありませんね」

「あぁ……だが、新しい」


イリスは小屋へ近づき、中を隠すように掛かっていた入り口の布を持ち上げた。

中は、思ったよりも整っている。

小さな木箱。

古びた毛布。

そして二人分の痕跡。


足を踏み入れた瞬間、イリスの胸の奥がきゅっと締め付けられた。

イリスは無意識に、木箱へ手を伸ばす。

触れた瞬間、息を呑む。

ーー温もり

ーー寄り添う感覚

ーー震える肩

ーー焦り

ーー苛立ち

ーー決意

そんな説明し難い感覚が流れ込んできた。

イリスは思わず木箱から手を離す。


「……隊長?」

「ここに二人はいた」

「……ですが今はいませんね」


イリスは小屋の奥に目を向ける。

そこには入り口とは違う裏口のような場所があり、外へ出ると奥へ続く足跡があった。

消えた2人を追うため更に森の奥へ足を向けたイリスとリオであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ