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出口 - 5
突然、鉄格子の向こうで鍵の音がした。
イリスは顔を上げる。
「……誰だ?」
「イリス様」
聞き慣れた、落ち着いた声。
イリスが聞き間違えるはずがない。
「リ、オ……?」
扉が開く。
イリスの前に立っていたのは、副隊長の姿だった。
剣は抜かれていないが、目だけで分かる。
……全部、排除してきた。
「遅くなり申し訳ございません。迎えに来ました」
リオは手を差し出す。
「歩けますか?」
イリスは、その手を取った。
「ご無事で何よりです」
「……お前、いいのか?」
「??」
「国を裏切ることになるぞ?」
少し戸惑いを見せたイリスの言葉に、リオはクスッと笑うと答えた。
「自分は、あなたを守ると決めましたから」
その言葉が、胸に落ちる。
「説明は後です。さあ、行きましょう」
2人は王宮の外へと向け歩き出した。




