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出口 - 1

王宮へ続く回廊は、やけに静かだった。

石畳に響くイリスの足音がやけに大きく、イリスは違和感を覚えていた。

……人の気配が多すぎる。


「止まりなさい」


低い声が前方から響くと、回廊の両脇から一斉に鎧を纏った人影が現れる。

王家直属の護衛隊だ。

イリスは完全に包囲されていた。


「……カシウス。これは、どういうつもり?」


イリスの問いに、隊の中央に立つ男が一歩前に出る。

彼はレオナルト王の右腕・王宮護衛隊長のカシウスだった。


「国王陛下の命です」


命令の内容も、理由も語られない。

カシウスは元から無口な性格ではあるが、その話し方はどこかレオナルトに似ていた。


「私を拘束する……と?」

「抵抗はお勧めしません」


淡々とした声に、感情はなかった。

イリスは剣に手をかけることは、せず、ため息をついた。

ここで抗えば、誰かが傷つく。

それを父は、きっと織り込み済みだったのだろう。


「随分と用意周到ね」

「王宮は、常に陛下の掌の上にあります」


護衛隊が一斉に距離を詰める。

逃げ道も、選択肢も、ない。


「……分かった」


こうして、“王の意思”によって、イリスは確保された。

彼女を助ける者はいなかった。

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