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王の子は世界と世界のあいだで鍵となる  作者: 浅 眠瑠
エピソード8:残された剣
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残された剣 - 1

まだ小さな手には重すぎる剣。

それを「落とすな」と言われた記憶だけが、今でも鮮明に記憶として残っている。


はじまりは、リオが5歳の時だった。


王宮の裏門は、幼いリオにとってあまりにも大きく見えた。

その前に立つ大人たちと、父が会話をしていたが、何を話しているのかは分からない。

母はしゃがみ込み、リオの頭を撫でると口を開いた。


「いい子にするのよ」


それが、両親を見た最後だった。

“リオはこの日、親に売られた”のだ。


「……名前は?」


裏門をくぐったところで、男の1人が声をかけてきた。

感情のないその人物は、無駄なものをすべて削ぎ落としたような目をしている。


「……リオ」


名を聞くと、男はなにも言わず片手に持っていた剣を、リオの足元へと投げる。


「今日から、お前は王国騎士の一員だ。生き残りたいなら、これを握れ」


それは、脅しではなく、ただ事実を告げるだけの淡々とした声だった。

リオは身の丈に合わない剣を拾う。

……王国騎士。

国のために剣を振るう者たち。

強くて、かっこよくて、皆に必要とされる存在。

それは、リオに与えられた“新しい居場所”だった。

幼いリオは、その言葉の響きだけを信じて、小さな胸を、少しだけ高鳴らせた。

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