前へ目次 次へ PR 2/80 王の子 - 2 月明かりに照らされる王城のイリスの部屋のベランダ。 静寂が夜の空気を支配していた。 ベランダから外を見つめるイリスの姿は、誇りと冷たさを兼ね備えていた。 イリスの姿が見える場所の林の中に、物音も立てず1人の人物が立っていることを彼女は気付かない。 その影は確かに彼女を見つめ微かに笑みを浮かべた。 (今はただ、そこに居るだけで十分だよ) 静かに風が吹くと、影はその場に溶け込んでいったのだった。 これからイリスに何が起こるのかも知る由もないのであった。