[7]-決闘-
「.........へ?なんて?」
思わず聞き返した。もしかしたら聞き間違いかもしれないし...
「聞こえなかったのかい?ならばもう一度..」
謎に1拍置いてから目の前のスカしたイケメンは全くおなじ言葉を放つ
「お前が俺の嫁になることを許可してやろう」
...どうやら聞き間違いではなかったようだ
「まぁこんなイケメンの俺様に見惚れて内容が入ってこなかったか?無理もないさ、なんせ俺様は最高のイケメンなんだからな!はははははははははは」
「結構です。」
はっきりと言ってやった。こういうやつはしっかりと言ってあげないと分からないからね。なんてやさしいんだろ私
「はははははは.は.....は?」
素っ頓狂な声がナルシストから漏れた。フラれるなんてこと考えていなかったのだろう
「つまりそれはどういうことだ?」
「分からなかったんですね、ならばもう一度」
同じように1拍置いてから今度は少し長めにその事実を伝えてあげる
「私はあなたとはお付き合いする気がないので、許可は必要ありません!」
言ってやった!あーなんかスッキリする
「...はぁ?この俺様がフラれる?ありえない!」
(別にありえなくはなくないか?)
「そうだ!"決闘"だ!"決闘"をしろ!」
あ、ヤケになった
「お前が負けたら俺の嫁になれ!」
「それならあなたが負けたらどうしますか?」
「なんでもひとつ望みを叶えてやる。でどうだ」
「それでいいですが...........
なんか上から目線で腹が立ちますね(ボソッ」
「なんか言ったか?」
「いえ何も!」
輝く太陽。風化した石材の壁。風によって舞い上がる砂。私は再びこの場所に踏み入れる。
* * * * * * * * *
「"決闘"という制度はランクを上げる方法のひとつでもありますが、それ以外にも色々な使い方があります。
例のひとつに言い方は悪いですが、賭け事ですね。何かの権利を賭けたり、具体的なものを賭けたり。この高校はこういう日常的なことで魔法を高めていくことを念頭に置いているため"決闘"を推奨しているまであります。
...あぁ、もちろん必要事項はありますよ。人道的なものか、双方の同意はあるのか、パワーのバランスは大丈夫か、それを踏まえた上で学長の許可を受け、体育館にて行う。これが原則です。公平に、安心して"決闘"を楽しんでください。
........聞いてますか?大事なことですよ?」
* * * * * * * * *
虚空から自分の杖を取り出す。ヴィンテージ仕様の見知った杖。それを見て、目の前の男は鼻を鳴らして杖を取り出す。出てきたものは明らかに高そうな杖。全体が様々な白で構成され、所々に金色や赤色が施された洗練されたデザイン。...これは強敵である証なのか、はたまた見てくれだけの宝の持ち腐れなのか...
...ふと気になってこの疑問を彼に投げかける
「そういえばあなた、ランク順位はいくつですか?」
「俺様は7位だ!」
「ほう、私の3つ上..」
「ふん、怖気付いたか?降参するなら今だぞ?」
そこまで大差のない順位でいきがるんだ..しかも暫定の順位で。頭がお花畑なんじゃない?.......まぁそれほど自信があるということは程々に強い相手なのだろう...知らんけど
「それで?いつ始めるんだ?」
「いつでもどうぞ?」
「ならばいかせてもらおう、先手必勝だ!!」
直後、私の目の前に一筋の炎の矢が飛んでくる。私は首を傾げることで避けて見せた。
「ねー、こんだけ?」
「あれを避けるか..どうやら10位というのは伊達じゃないらしいな。だが!」
彼の頭上に無数の炎が浮き上がる。その数は万の位では足りないくらいだろうか。得意げなそいつに心底飽き飽きする。この世界ではこのくらいが普通なのか?
彼が手を振りかざすと、頭上の星は一斉に私に向かって降り注ぐ。それを単純な防御魔法で退ける。私が1番好きな魔法。この時だけは暴力とおさらばできる。
降り注ぐ炎の猛攻を軽々と防いでいく....あれだね...弱いね。1年生だからなのかなんなのか、量に意識を持ってきすぎて一つ一つの魔力制御がなっていない。炎も、最初の一撃は割と熱めではあったが、今のはざっと900℃くらいだろうか。仕方ない、魔法界の最高峰、魔王の名のもとにひとつアドバイスをしてあげよう
「君、あれでしょ。インパクトだけを大事にしてるでしょ。」
「な、なんだよ急に」
「確かに威圧感はあるけど、それじゃあ私は倒せないよ」
「っ....やって見なきゃわかんないだろ!」
「やったじゃないか。それなのに私は傷1つついてない。これが現実」
「ちっ、言わせておけば!..覚悟しろ!」
男は杖を天に掲げ、熱を1点に集中させる。それはまるでもうひとつの太陽のように、熱く熱く輝いていた。さっきとは違う、練り上げられた魔力でできた炎の塊。その怒りの太陽はついに影を消し去り、全てを飲み込まんとばかりに辺りを照らした。これだけはやばいと本能が叫ぶ。
「...あれ、もしかして怒らせすぎちゃった?」
ちょっとだけ侮っていたかもしれない。目の前の男がこの学校の1年生集団の最高峰の10人の1人であることを
「死んでも文句言うなよ!!!」




