6話 恐怖! 化物ガエル! 天罰! 火あぶりの刑!
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【クエスト オブ サンハルト2 6話】
火薬工場に入ると、巨大なカエルの魔物のフロッグが3匹現れた。
「何っ!?」
「えっ?」
「きゃあっ!」
フロッグAは、その太った見た目に似合わず、高く飛び上がり、先頭にいたバチョー、その後ろにいたフュリアも飛び越して、アヤノにのし掛かった。
「う⋯き、きゃあああっ!」
アヤノは、一瞬気を失って再び目を開けるとフロッグAの巨大な顔が、目の前にあった。
フロッグAは、目にも止まらぬ早さで舌を伸ばし、アヤノの首を絞めた。
「ぁ⋯ぅっ⋯!!」
アヤノは、手で舌を振りほどこうとしているが振りほどけず、苦しそうにもがいた。
「アヤノ!」
アヤノのすぐ後ろにいたケンイチが、フロッグAの頭を木刀で叩くと、フロッグAはたまらずよろけ、アヤノの首を絞めている舌がほどけた。
「えぇいっ!」
更に、フュリアが樫の杖でフロッグAの頭を叩き、フラフラとよろけて倒れた。
「!」
フロッグBの、飛び上がりにバチョーが反応し、落下地点を見切ってブロンズナイフを突き上げた。
「グエェェ⋯ッ!」
フロッグBは、腹にブロンズナイフが深刺さった。
「うおっ!?」
バチョーは、フロッグBの体重を支えきれず下敷きになったが、何とかはねのけ起き上がった。
「グギャッ!」
フロッグCにアヤノのファイアーボールが直撃し、火だるまになったところをケンイチが木刀で叩いた。
「ふぅ⋯みんな大丈夫?」
「ぐ⋯何とかな⋯」
「うぅっ⋯」
ケンイチが尋ねると、バチョーは、下敷きになった際に体を痛めていて、アヤノの首には、絞められた後が赤く残っていた。
「ヒール」
フュリアは、まずアヤノに回復魔法をかけると、アヤノの首の赤みが消えた。
「次は、バチョーさん」
次にフュリアは、バチョーに回復魔法をかけ、バチョーの体の痛みが癒えた。
(あぁ⋯このフュリアのヒールが気持ちいいんだよなぁ⋯フュリアの優しい笑顔⋯癒されるぜ⋯さらにナイスバディのフュリアの近くにおれるし⋯あぁ⋯フュリアの大きな胸⋯触りてぇ⋯⋯)
バチョーは、鼻の下を伸ばし、やはりその表情は嫌らしい。
「大丈夫ですか?」
「ああ、もう平気だよ」
「良かった⋯」
フュリアは、微笑みその笑顔はまさに天使のようだった。
「ありがとう、フュリア」
「はい、傷を負った時はいつでも言って下さいね」
アヤノもフュリアに礼を言って微笑んだ。
「よし、じゃあ先に進もう」
全員が頷き、敷地内を少し歩くと、休憩室があり、タンスと風呂まであった。
「ここは、安全そうだな休んでいこう」
彼らは、ここで休む事にし全員風呂に入った。
タンスには、古着まであった。
(フュリアとアヤノの脚、綺麗だなぁ⋯)
バチョーは、ベッドに腰かけているフュリアとアヤノを黙って凝視し、はぁはぁ⋯と、息をあらげた。
「あの⋯私達⋯着替えますので⋯」
「見ちゃダメよ」
「うん」
「お、おう⋯」
フュリアとアヤノは、古着に着替えようと仕切りのカーテンを閉めた。
(くぅーっ! 覗きてぇっ! しかし、ケンイチがいるからな⋯一人なら覗くのに⋯お⋯そうだ!)
「お待たせ~」
「この古着、丈が短くて恥ずかしいですね⋯」
アヤノとフュリアが着替え終わり、カーテンを開けた。
(お⋯オオオオ⋯! この古着、ノ、ノースリーブのミニスカワンピなのか! フュリアは、胸の谷間がくっきりしてるし、アヤノはブカブカだが、それが逆にそそる⋯)
バチョーは、目を見開いて大興奮していた。
ケンイチは、目のやり場に困っている。
「みんな、今日は疲れただろ? もう寝ようぜ」
唐突にバチョーが切り出した。
「そうだね」
「そうですね」
「うん」
「よーし、じゃ消灯!」
「あ、待って! カーテン閉めるから」
フュリアとアヤノは、カーテンを閉めて消灯した。
そして、しばらくして
(みんな⋯寝たな⋯よし⋯フ⋯フへへ⋯覗くか⋯!)
バチョーは、そっと自分のベッドを降り、這いつくばってカーテンを潜り、ベッドに忍び寄った。
(起きないよな⋯誰だ? アヤノか!)
「すぅ⋯すぅ⋯」
アヤノは、微かな寝息をたてて眠っている。
(寝てるぞ⋯ゲ⋯ゲへへ⋯)
バチョーは、舌をヘビのようにくねらせた。
(よ、よし⋯足元から少しずつ毛布を捲って、下着から拝見するぞ!)
バチョーは、少しずつ毛布を捲り上げ始めた。
アヤノのかかと、踝、足首、ふくらはぎ、膝と少しずつあらわになっていった。
(暗くて下着が見えん⋯も、もう少し⋯⋯)
「いくわよ! バーニングノヴァ!!」
「へ? ぐおおおっ!」
アヤノは、突然起き上がって叫び、魔法を唱え、火の玉がバチョーに直撃した。
「勝った⋯すやすや⋯」
アヤノは、ゆらゆらとベッドに倒れて再び眠りについた。
バチョーは、顔面を黒焦げにされそのまま気絶した。
ケンイチとフュリアは、大騒ぎがあったにも関わらず眠ったままだった。
そして夜が明けた。
「うーん⋯良く寝たわ⋯きゃあっ! バチョーさん! どうしたの!?」
一番早く起きたフュリアが、気絶したバチョーに驚いて駆け寄った。
(なぜか、顔真っ黒になってるわ⋯? とにかくヒールをかけないと⋯)
フュリアが、バチョーに回復魔法をかけると、黒焦げの顔が元に回復した。
「⋯ありゃ? フュリア?」
「どうしたんですか!? お顔真っ黒でしたよ?」
「⋯分からん」
(覗きにいったとは、とても言えん⋯トホホ⋯)
「大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫、ケンイチ達が起きたら行こうぜ」
「大丈夫なら良いんですが⋯」
フュリアは、とても心配そうにバチョーを見た。
(フュリアって優しいなぁ⋯)
その後、ケンイチ達も起きて部屋を後にした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。