1話 転生! ゲーム少年は勇者?
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【クエスト オブ サンハルト2 1話】
健一は、RPGのゲームをしていた。
現在ラスボスである、大魔王アービスと戦っている。
以下がパーティである。
勇者 ブレイブ レベル45
盗賊 バチョー レベル44
僧侶 フュリア レベル43
魔法使い アヤノ レベル42
「バチョーの連続攻撃! アービスに87ポイントのダメージを与え、更に77ポイントのダメージを与えた!」
「アービスは炎を吐いた! 全員、平均123ポイントのダメージを受けた!」
「アービスの攻撃! バチョーは187ポイントのダメージを受けた! バチョーは戦闘不能になった!」
「アヤノはバーニングノヴァを唱えた! アービスに144ポイントのダメージを与えた!」
「フュリアはヒールライトを唱えた! 全員、平均95ポイントHPが回復した!」
「ブレイブの攻撃! アービスに168ポイントのダメージを与えた! アービスを倒した!」
健一は、このゲームをクリアした。
その夜、良いなぁ⋯僕も一度勇者になってみたいなぁ⋯そんなことを思いながら、健一は布団に入ると声が聞こえた。
「んじゃ代わろうか?」
「うーん⋯誰?」
「私は勇者ブレイブ!」
「そんなバカな事があるか⋯お休み⋯」
「あ、寝てしまった⋯ま、良いや。明日、目が覚めたら驚くやろ⋯私も健一の世界を観光したいんだよね」
そう言うと、ブレイブは旅の雑誌を見た。
「まず、夕方まで寝て⋯夜の町に行っくぞぉっ!!」
ブレイブは、異常なほど意気込んでいた。
健一は、目覚めると知らない場所だった。
「こ、ここはどこだ⋯?」
気がつくとケンイチは、立て札の前に立っていた。
「魔王アラモスを倒す勇士募る! レイル国王」
以上が立て札の内容だった。
「は⋯? アラモス⋯!? ほ、ほんとにゲームの中に来たのか!?」
「そのとーり!」
「その声はブレイブ!? どういう事なんだよ?」
「君は、勇者になりたいんやろ? 私も君の世界を観光したいんだよね。だから代わろうって言ったやんか」
「そ、そんな事が⋯」
ケンイチは、信じられなかったが、現実を受け入れざるを得なかった。
「帰してくれ!」
「うーん⋯やだ。まだ観光したりんもん。それに代わり方は私も知らん。大魔王を倒したら代われるかもしれんよ? それにこの世界を救えるとは君しかおらん! それでも帰るとね?」
「う⋯」
「一回クリアしたとなら、楽勝やろ? あ、電車の時間だ! バイバーイ!」
ブレイブの声は、途切れてしまった。
ケンイチは、途方に暮れ、立て札の前に立ち尽くした。
すると、女性が話しかけてきた。
ライトブルーのロングヘアに、小顔で赤いパッチリした瞳、通った鼻筋、小さめで厚みのある唇の色白な美女だった。
手に樫の杖を持っていて、白い法衣を着ていた。
「あの⋯あなたも王様のお触れで来たのですか?」
「え⋯? ぼ、僕は⋯」
「何故かしら⋯あなたには特別な力を感じます。アラモスを倒すために一緒に来てくれませんか?」
「わ、分かった⋯行くよ⋯」
「良かった! 申し遅れました、私はフュリアと申します、僧侶をしております。あなたは?」
「僕はケンイチ、一応勇者です」
「きっと正真正銘の勇者様ですわ!」
「あ、ありがとう⋯」
「後、2人仲間にできるはずです、探しましょう!」
「う、うん⋯」
ケンイチとフュリアが話しているのを、遠くからよこしまな目で見つめる男がいた。
(あ、あの子! めっちゃ美人じゃないか! し、しかも胸でっかい⋯推定Eだ! 上から90・59・88ってとこか⋯身長は160cmくらいか⋯更にせ、清楚系⋯こ、これはお近づきにならねば一生後悔するぜ⋯)
「やぁやぁ! 君達も王様のお触れで来たのかい?」
「そうですわ。あなたもですか?」
「そう! 俺も仲間に入れてくれないかな?」
「君の名前は?」
「バチョー! 盗賊をやってたんだが、足を洗いたくてね。職業柄旅は慣れてるし、役に立てると思うぜ」
(フュリアにバチョーか⋯まさか本物に会うとは⋯)
「ケンイチ様、どうしますか?」
「よろしく頼むよ」
「おっ! ありがとーっ!」
バチョーは、ケンイチよりも背が高く、動きやすい布の道着を着ていた。
「後、1人か⋯盗賊と僧侶がいるなら魔法使いがいるといいな⋯」
「そうですね⋯あっ! あの子はどうですか?」
フュリアが指を指した先には、小柄な少女がいて、キョロキョロしていて、少しオドオドしている。
少女は、ピンク色のボブヘアーで、とても小顔で、大きく澄んだ水色の瞳、小さい鼻、薄い唇で、赤い縁のメガネをかけていて、色白で幼さが残っているが可愛らしい顔立ちだった。
白いポンチョを着ている。
(ほぅ⋯? 身体つきはまだまだ子供だが、顔はバツグンに可愛い! 身長は145cmくらいか⋯? 美人系のフュリアに可愛い系の子か⋯!)
「俺も良いと思うぜ!」
「はい⋯まだ幼いようですが、強い魔力を感じます」
「話しかけてみようか、こんにちは」
「は、はいっ! あ、あたしですか!?」
「そうだよ、君も王様のお触れで来たの?」
「はいっ!」
「僕達もなんだ、君は魔法使い?」
「はい! そうです!」
「良かったら一緒に来てくれないかな?」
(優しそうな男の人⋯)
「私からもお願いします、あなたからは強い魔力を感じます」
(すごく優しそうな女の人⋯)
「俺からも頼むぜ!」
(軽そうで、エッチそうな人⋯)
「はい⋯あたしで良ければ⋯」
「大歓迎だよ、名前を教えてくれるかな?」
「アヤノです」
「アヤノ、今日から僕達は仲間だから敬語は使わなくて良いよ」
「はいっ! ⋯じゃなくて、うん! 分かった!」
(まさか本物のバチョー、フュリア、アヤノに会うなんてね、何か嬉しいな)
「仲間も揃いましたし、王様に謁見に行きましょうか?」
「そうだね」
ケンイチ達は、レイル国王に謁見した。
「おお! そなた達も打倒アラモスを志す若者達じゃな!」
「はい」
「では、少ないが、旅の資金と道具、食糧を用意しておる。持って行くが良いぞ」
「はい! ありがとうございます!」
「そなた達がアラモスを、倒す日を心待ちにしておるぞよ!」
ケンイチ達は、町に戻った。
「さて⋯資金はどうするか⋯」
「ここの武器防具屋には俺が使えるものは売ってないんだよな⋯」
「私も今の装備で良いです」
「あたしも武器は良いわ」
「僕は⋯」
ケンイチは、木刀と皮の服を装備していた。
(勇者の初期装備だな、これで良いか)
「僕も良いや」
「このレイル王国から北に村があるぜ」
「この中で実戦経験がある人はいる?」
全員が首を横に振った。
「じゃあ、とりあえず経験を積もう、それからその北の村を目指そう」
全員が頷いた。
「良し! じゃあ行こう!」
今、彼らの魔王アラモスを倒す旅が始まった。
ケンイチです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。
アヤノの挿絵に眼鏡を描き忘れてしまいました。