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この連載作品は未完結のまま約2ヶ月以上の間、更新されていません。

私の中でおばあちゃんは生き続けます

作者:マサノ
幼い頃から祖母に育てられた千理(チリ)。
でも、他の子どもたちはお母さんと戯れて笑っているのに、
チリはおばあちゃんに笑顔を向けることができなかった。
おばあちゃんもまた、
絵本に出てくるようなニコニコしたおばあちゃんではなかった。
苦労に苦労を重ね、笑顔をなくしてしまった人だった。
それでも、我慢強く、物静かで、優しく、献身的にチリを育ててくれた。
明治生まれの、強く、優しい女性だった。

月日が経ち、27歳になったチリは、おばあちゃんを見送る。
何も恩返しできないまま、この世を去ったおばあちゃん。
その後悔は消えるどころか、時間とともに大きくなり、
心に深く残り続ける。

そんなある日、ふと高校生のときの記憶がよみがえった。
おばあちゃんが、ぼそっとつぶやいたあの言葉ーー。

「お母さんをいじめないで。」

ハッとした。

おばあちゃんは、ずっと見ていたんだ。
私とお母さんのことを、何も言わずに。

おばあちゃんの言葉を胸に、チリはお母さんに優しくしようと決める。
お母さんに優しくすることが、おばあちゃんへの供養。
まるでそれは、おばあちゃんにしてあげていることのようだった。

そうして接するうちに、気づく。
母子の確執を、おばあちゃんが取り払ってくれたような気がする。

おばあちゃんに、心からの感謝を込めて。

私はこれからも、おばあちゃんと過ごしていく。
1年、10年、20年… 何年経っても、ずっと。

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