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流光のオラシオン  作者: ふぇんりる
5/13

第5話 ~瓦礫の街~

ルシウス「ネビュラスラスト!」


魔物「……!」


ルシウスは魔物の四肢に渾身の剣撃を叩きつける。


ルシウス「斬れた! やれる……ブレイブプレアデス!」


ガレオン「まだじゃ! 油断するな! 再生しておるぞ!」


ルシウス「まだ足りないか! ……ここで負けたらどうなる! ルミネ、エルド、ガレアスさん、街の人達も……皆が死ぬ……! 力を貸してくれ! メトシエラぁぁ!」


剣はルシウスに呼応し、輝き出す。それに伴いルシウスの動きが加速、魔物の巨大を駆け回るように全身を斬りつける。


ルシウス「右腕! ……左腕! ……切り落とした!」


剣撃は魔物の再生を上回っていた。


騎士A「あの者! やれるぞ!」


戦士A「やったれ! あんちゃん!」


ルシウス「トドメ! ハァ!」


ルシウスは魔物を頭上から斬りつける。そのとき光の刃は魔物の体躯と同等の長さを誇っていた。


魔物「……!!!」


ギルドの女性「……!?まずい! 熱線が来ます! 避けて下さい!」


魔物は足掻いていた。開かれた口腔にエネルギーが集まる。


エルド「させるか! エンチャント!」


燃え盛る一矢が魔物の口に突き刺さる。突き刺さった矢の炎は口腔に集まるエネルギーと反応し爆発を引き起こした。


爆発により魔物はよろめく。


ルシウス「助かったエルド! ……これで終わりにする! シリウス……」


魔物「……!」


ルシウス「フォール!」


魔物「……!」


星光の刃が巨大を二つに切り裂く。


魔物「キエエエエ!」



???「あり…が…とう……」



ルシウス「!?……今のは……」


魔物を切り裂くと知らない子供の姿が脳裏に写り込む。


「ありがとう」と語りかけていた。


斬られた魔物は光となって消えて行った。


ルシウス「……なん…とか……やれ…」


ルシウスは気を失い倒れ込む。


ルミネ「ルシウス!」


エルド「あの馬鹿野郎、魔力が尽きたみたいだな。……?地震?」


ガレアス「まずい! 今の戦いでだいぶ地盤が弱くなっておる! 早く坊主を連れて来ないと、崖が崩れ落ちて海に落ちるぞ!」


ルミネ「待って! ルシウス! 今すぐい…………ぁぁぁぁ…」


ルミネが駆け寄ろうとしたが、途中で膝を落とし瞳の最奥、そのある光を失う。


崖が崩れた。


ルミネ「いやぁぁぁぁ!」


エルド「畜生! まだ、俺には力が無いのかよ! 守れるだけの力が!」


ガレアス「ちっ! なんてこった……海が時化てやがる。」


崖の崩落と共にルシウスは海に落ちた。気がつくとルシウスは遠く遠くへと流されてゆく。」


ガレアス「くそ! 船も全部燃えてやがる……」


ルミネ「嫌だ! 助けに行く! 泳いででも!」


エルド「おい! やめろ! お前死にたいのか! 危ないぞ!」


ルミネ「でも……でも……」


エルド「……助けれもせずに殺されて……それに、生き返ったと思ったらこんなで……お前の気持ちは……わかる。不甲斐ないよな。でもあいつは一度死んでも生き返ったやつだ、あいつのこと信じてみないか?……」


ガレアス「確かに、坊主は只者じゃねぇ、なぁ嬢ちゃん、あやつのことこれから探してみねぇーか?」


ルミネ「……探す……?」


ガレアス「そうじゃ」


ルミネ「……うん……そうね……ごめんなさい」


エルド「よし、じゃぁこれからルシウスを探す旅に出るぞルミネ」


ルミネ「……うん!」


ガレアス「なんじゃ? わしを仲間外れにするのは少々傷つくのぉ」


エルド「ん? え? おっさん来るのか?」


ガレアス「当たり前じゃ! あやつは街の英雄、恩人みたいなもんよぉ、それだけじゃねぇわし自身もお主達と同じく守れんくて不甲斐ななかったのじゃ……」


エルド「わかった、行こう……3人で……」


ルミネ「ええ……そうね……探しましょう……絶対にルシウスは生きてる、そう絶対に……」


――――――


ルシウス「……ん」


白いローブの男「やぁやぁ起きたみたいだね!」


ルシウス「……ここは……!? ……皆は!?」


白いローブの男「ここにはいないよ」


ルシウス「……あぁあなたはこの前の……そうだ! 頼む、知ってるなら教えてくれ、あの巨大な魔物を倒したあと、僕は! 皆はどうなった?」


白いローブの男「んーそうだねぇ、まず君は気を失った後崖から海に落ちた、他の人については無事だよ」


ルシウス「そうか……皆助かったんだね……」


白いローブの男「そういえば君、この世界の記憶に干渉したみたいだね」


ルシウス「……何故それを知って…あぁなるほど、君も"記憶"だったね、それにしても凄いよこの世界は昔、あんなにも発展した世界だなんて。」


白いローブの男「……そんなに凄くないさ…あれはただの業だ……そうだ君には会って貰いたい人がいるんだ、"ダンテ•アンデルセン"ほら、記憶の中にいたろ?」


ルシウス「…??旧世界歴の人は全てニビルにやられたんじゃ?」


白いローブの男「そいつは少しばかり事情があってねぇ、まぁ、あれを生きているっていえるなら生きてるかもしれないけど……」


ルシウス「? ……じゃぁどうしたらそのダンテさんに会えるんだい?」


白いローブの男「虚数の海……」


ルシウス「虚数の海?」


白いローブの男「虚数の海はアビサル海淵からさらに深層に行くと存在している領域だ、しかしそこは君の持つ剣メトシエラのかつての機能の一部を用する、君も知っているだろう?まだその剣の不完全性に」


ルシウス「あぁ、さっきの魔物と戦ったときもそう思った、既にとてつもない力だけど何かが違う」


白いローブの男「そうだ、だからそのためにメトシエラの核となるものが必要だ、かつての世界では"星骸核"と呼ばれていた、だかそれは今かの極寒の地にそびえる古城にある」


ルシウス「ブリザルデ平原……まずはそこを目指すと」


白いローブの男「そうだ」


ルシウス「でもどうやって? あそこは踏み入れる者を全て凍りつかさるところだぞ」


白いローブの男「それについては心配はいらない。君の旅路がかの大地に足を踏み入れる権利を得るこ時が来る。私は世界を巡るの記憶の一部、君の旅路はある程度見える」


ルシウス「わかった」


白いローブの男「うん、それでいい……おっと、どうやら君がそろそろ目覚めるみたいだ、ではまた会うときまで……」


ルシウス「あぁ……」


――――――


エルド「おーい起きろー朝だぞー」


ルミネ「なぁにぃ……」


エルド「ほーら! ルシウスを探しにいくんだろぉ」


ルミネ「そうだ! 起きなきゃ!」


ガレアス「おーい、飯できてるぞー」


エルド「おっけーすぐ行く!」


板同士の隙間から朝日が差し込む。臨時の仮拠点から出ると。


瓦礫の街ミルアルヴがそこにあった。


一同は食事を済ませ、ギルドの仮拠点へと脚を運ばせる。


ガレアス「ルシウス……この坊主の捜索願いを出してくれんかのう」


ギルドの女性「かしこまりました」


ガレアス「そうじゃ、昨日は助太刀ありがとうなぁ」


ギルド「いいえ、あの状況の中、加勢しないのは私の刀が許しません」


ガレアス「そうかそうか」


エルド「にしても、なんであんなに強いのに受付嬢をやってるんだ? 冒険者の方がもっと活躍できそうなのに……」


ガレアス「お前さん知らんのか?ミルアルヴ最強の冒険者だぞ?」


エルド「え? ……もしかしてルミネも知ってる感じ?」


ルミネ「えぇもちろん……」


神楽木「では、自己紹介と致しましょう。私は神楽木•桜花、四季国出身の冒険者です。この街が好きなのでミルアルヴで受付嬢をしています」


エルド「なるほど! 俺はエルド•リンドよろしく!」


ガレアス「なぁ、嬢や、この街から流れ出た物は海流に乗って何処へ漂着する。」


神楽木「おそらくセト大砂漠の南、そこの海岸線の何処かでしょう。」


ガレアス「わかった、ありがとう」


エルド「じゃぁセト大砂漠を目指して出発だな!」


ルミネ「そうね、今は街中の船が壊れてるし、隣町まで行かなきゃだねー」


ガレアス「だとするとわしの祖国、オリハル鉄王国が近いかのう、鉱石資源を輸送する関係で世界中に航路もある」


ルミネ「うん!決まりだね」


神楽木「あ、お待ちをこちら今回の緊急クエストの報酬となります」


ルミネ「ありがとうございます!」


エルド「なぁなぁ! いくら入ってるんだ?」


神楽木「ざっと、200百万ゴールドかと」


エルド、ルミネ、ガレアス「???」


ルミネ「大金じゃん……」


ガレアス「まぁ丁度よい、オリハルは鍛治業が盛んじゃ、今の装備じゃこころもとない、そこで装備を整えるかのう」


エルド「そ、そうだなぁ…」


一時の別れであろうとも別れは新たな出会いを育む。旅と共に進み続ける。まだ見ぬ未来を信じて。


風鳴りのミルアルヴにて。


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