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流光のオラシオン  作者: ふぇんりる
1/13

第1話 ~祈り~

---遥かなる昔、人々は飛来してきた究極の資源により繁栄を極めていた---


---やがて人々は罪を犯し、創り出した業に喰われた---


---そして後に一人の英雄は立ち上がる---


---眩い流光の剣と共に数多の脅威、絶望を切り開く---


---やがて旅路の果てに“それ”と対峙、深手を負わせたものの英雄は命を落とし敗れてしまう---


---しかしその中で英雄は最後の望みとして残された瓦礫の世界に希望を残した---


---英雄は祈りながら眠りにつき、その流光は隠された---


---これは、そんな今ある世界の語り継ぐことができなかった御伽話である---



 星降るメテオラシア穏やかな日が草原を照らす。川のほとりから今日も剣で丸太を切る音がする。


ルシウス「はぁ……今日の練習はここまでにしよう……早くいつでもあいつらを守れる力をつけなきゃ……」


《ルシウス》主人公、短髪黒髪で蒼い瞳の青年ヒューマン、とある兄妹に拾われた親無しの18歳


エルド「おーい! 飯だぞー!」


《エルド•リンド》主人公の幼馴染、短髪金髪で黄金の瞳、80歳のエルフの青年。昔ルシウスを拾った兄妹の兄。


坂道から青年が走ってくる。


ルシウス「おっ、ちょうどいいね! 練習終わったところ」


エルド「なら一緒に行こうぜ!」


ルシウスとエルドは家へと向かう。


ルミネ「おかえりー♪ 今日のお昼はピルグの漬け焼きよ♪ ふふ〜〜ん♪ 今回は私が作ったの〜! 食べてみて♪」


《ルミネ•リンド》エルドの双子の妹、長髪金髪で黄金の瞳のエルフの少女。


ルミネがそういうと食卓に料理を並べる。


ルミネ「あ、お兄ちゃん! ちゃんとお祈りする!」


エルド「あっ、わりぃわりぃ」


ルシウス「はい、二人ともお祈りするよ」


そうして三人は目を閉じ互いに手を繋ぎお祈りを唱える


ルシウス、エルド、ルミネ「我が星よ、見ていますか、我らの命、流光の如き輝き行くまで明日へとお導きを……」


ルシウス「痛っ……」


ルミネ「ルシウス? 大丈夫? 最近頭痛そうだけど?……」


エルド「確かに、最近辛そうだよな? 調子悪いのか?」


ルシウス「……大丈夫……もう痛みは引いたから……」


エルド「うん、ならよし、じゃぁ……皆んなで食べるか!」


そうしてエルドが提案すると三人は料理を少しずつ平らげる。


ルシウス「今日もおいしかったよ」


ルミネ「そう……嬉しい♪」


エルド「あっそうだルシウス! 見てほしいものがあるんだ! ほらこれ!」


エルドは腰の皮袋から古い文字で書かれた鉄片を取り出した。


ルシウス「あ、神代文字だ、なになに……天に掲げ、これを覗き星界をみよ……」


《神代文字》一つ前の時代である神代暦の古代文字、神代暦は神々が繁栄した時代である、読める者はほとんどいない」


エルド「この間北の森の遺跡で遊んでたら見つけたんだよ」


するとルシウスが鉄片を天に掲げる。


ルシウス「ん〜なにもみえないね……」


ルミネ「星界って星空のことじゃない? 夜にもう一度試してみれば?」


エルド「お! さすが俺の妹! 天才じゃん!」


ルミネ「お兄ちゃんがおバカなだけだよ」


エルド「えぇぇ……ひど!」


ルシウス「まぁまぁ二人とも、落ち着こう、夜になったらまた試してみるね」


エルド「じゃ! そんときまで寝てるわ! おやすみいいい! ふぁぁぁぁ……」


エルドがそうゆうと寝床へ向かいベットに飛び込む大きな音と共にルミネが呆れたため息をつく。


ルミネ「そうだ、野菜収穫しなきゃ! ルシウスも手伝ってくれる? ほらお兄ちゃん寝ちゃったし……」

ルシウス「うん、手伝うよ」


ルミネ「やった! ありがとう! ……うへへルシウスと二人きり」


ルシウス「ん? なんて?」


ルミネ「うんうん! なんでもない!」


そして二人は畑で黙々とトーマトの実を収穫をしていると、天から轟音が鳴り響く。


ルシウス「また隕石か、最近多いなぁ降ってくるの」


ルミネ「んね〜……メテオライト……ありがたいんだけど……こんなに多いと少し危ないよね……」


ルシウス「まぁトーマトの収穫が終わったし家に戻ろう」


ルミネ「うん、そうだね……」


《隕石•メテオライト》 この世界における重要資源であり謎の多い天からの贈り物、通常の金属とは異なり不思議な力を宿している、稀にクリスタルが生成されている時があり、その結晶は高い魔力エネルギーを生み出す。特定も周波数の魔力を加えることで自己増殖する性質もあり、建材や武器、火、電気、水などを生成することも可能。


ルシウス、ルミネ「ただいま〜」


家に着くとルシウスはトーマトが詰まった籠を床に置く。


エルド「ふぁぁぁ〜……おかえり〜……」


大あくびをしながらエルドが起きてくる。


エルド「あぁ? ごめん……野菜採るの忘れてらー……眠っ……」


ルミネ「次からしっかりしてね!」


エルド「ういうい〜」


窓から指す日が弱くなり、吹く風は少し肌寒い。


ルシウス「もうこんな時間か、薪持って来るね」


ルシウスはそう言うと家の前に置いてある薪を取ろうとする……。


しかし、ここでルシウスは肌で空気がピリつく感覚を覚え、異変を感じる。


ルシウス「なんだ……これ……嫌な予感がする……」


そしてルシウスは思い出す。


ルシウス「待て。俺は今日誰と会った? ……俺とエルドにルミネ……ほかの村……人は?」


空気が凍り付く、まるで時が止まるかのような感覚がルシウスを包む。


???「ho………………」


ルシウス「ああああ! 頭がァ! クソッ!」


???「………………wo」


ルシウス「誰だ!」


???「…shi…i………」


ルシウスは後ろを振り向くが誰も居ない、しかし何者かが分からない言葉で語り掛ける。


???「……ni…no……」


ルシウス「あああ! ……やめろ! ……やめろ!」


知らない言葉が激しい痛みとともに


ルシウス「クソ! クソ! クソ! ……」


???「……………ri…」


記《呼び覚ます》憶


ルシウス「はぁ……はぁ……はぁ……なんだった……んだ……」


ルシウスは激しく疲労と長い時を経た感覚を抱きつつ薪を持ちに家に戻る。


ルシウス「ただいま〜待たせ……ちやっ……た……ね……」


ガタンと薪が床に落ちる音が鳴り響き目の前で起きていることに困惑する。


ルシウス「エルド? ……ルミネ? ……なんだ……これ……」


ルシウスは時間が止まっていることに気づく。


ルシウス「!? これは、エルドが見つけた鉄片……」


鉄片が机の上で青白い光の粒子を放ちながら淡く輝いていた。


そして振り向くとついさっきまでオレンジ色の空がこれまで見たことのないほどの美しい星空になっていた。


ルシウス「……天に掲げ、これを覗き、星界を見よ……か……よし、やってみるしかないな」


ルシウスは星空に掲げると鉄片がガラスの様に透き通り、レンズの用になったかと思えば映り込む星々が星座の如く繋がり弓矢の形となる、しばらくすると矢を射る様に一筋の光が北の森の奥を照らし出す。


ルシウス「あそこに行け、と……」


ルシウスは時が止まった世界で北の森へと足を踏み入れる、すると、奥に進むにつれて鉄片に似た光の粒子が辺りから出てくる。


ルシウス「着いたか……ここの遺跡に何かあるそうだな」


ルシウスは光に照らされ、露出した床を調べる。


ルシウス「……!? ……鉄片と同じ形で欠けてる。ここに嵌めてみるか」


ルシウスが輝く鉄片を床にはめると床に刻まれた神代文字が輝き出す。それと同時ににルシウスの視界は暗くなりその場に倒れてしまう。目が覚めると無限に続く白い世界にいることと目の前に一つの剣が浮いていることに気付く。


ルシウス「どうなってるんだ、白い空間が無限に続いてる…それになんだ、あの剣……浮いて……」


???「ここは世界の記憶、その果て」


ルシウス「誰だ!」


ルシウスは不審な白ローブの人に敵意を向け、臨戦体制に入り誰かと問いかける。


???「名前はもうないよ、名乗るとしたら星に流れる誰かの記憶、その思念体さ、襲うつもりは無いし、倒すなんてこともできないよ」


ルシウスは渋々剣を仕舞う。


ルシウス「わかった、信じてみるよ。それで?あの剣は何?そしてさっき頭に俺かけて来たのはお前か? そしてなぜ俺達の世界があんなことになってる? 知っているか?」


???「まずはこの星の正しい歴史から知らないとね、この星、君たちの言うメテオラシアは三つの時代がある。新しい時代から順に君達の時代《降星暦》そして一つ前の時代《神代暦》……そして、最後に神代暦の神々でさえ知らない《旧世界暦》、世界はある一体の怪物により一度滅ぼされたんだ、かの兵器の名は《ニビル》旧世界のメテオライト兵器が暴走した成れの果て…この世界は一度再生した後の世界だ」


ルシウス「なるほど、その怪物が旧世界を破壊し尽くしたから誰もその時代を知らない……待てよなんで知ってるんだ?」


???「言ったろ?星に流れる誰かの記憶、思念体だって」


ルシウス「で剣となんの関係が?」


???「その剣はニビルに唯一対抗することが出来る剣、《星刻メトシエラ》……そして君は幾星霜の時を経てこの剣に選ばれたのさ」


ルシウス「俺が選ばれた?」


???「そうだよ、そして二つ目の質問、さっき君に語りかけていたのはこの星の記憶そのものだよ、私でもあるけど私でもない。君にしか感じ得ないものだと思え。最後に三つ目の質問、君達の世界がおかしくなった理由、ニビルが目覚めようとしている。それに反応してメトシエラが時を止め、星の祈りを呼び覚まし、君を導いた。これは世界の命運を背負った戦いだ、頼めるかね?」


ルシウス「つまりこの世界の今後は自分が背負うことになるのか……正直そんな重荷は背負いたくない、けれどもその怪物や影響が存在する限り家族が傷つく……ならやるしかない、それ以外に理由はいらない」


???「なら、話しは早い、それを手に取ればあとのことは剣が教えてくれるはずさ」

ルシウス「わかった」


ルシウスは勇気を振り絞り、剣を掴んだ。するとルシウスの意識は薄れ、その場に倒れ込む。意識が戻ると北の森の遺跡で目を覚ました。


ルシウス「夢じゃ……ない……」


ルシウスの手はしっかりと剣が握られている。


ルシウス「なんで俺が選ばれたんだ……とりあえず村に戻ろう」


森の中に風が流れ、音がする。そしてあの星空はオレンジ色の空に戻っていた。さっきまで無かった炎と共に。


ルシウス「村が……なんだあの魔物の数……見たことないぞ……」


見たことの無い魔物が群となって村を襲う。すると、剣が耳鳴りの様な音で鳴く。


ルシウス「あぁわかった、奴を倒す。よろしくな相棒!」


剣を掴むと戦い方が、知らない知識が記憶を呼び覚ます様に流れ込む。


ルシウス「……いくぞ……」


走り出すと光の粒子がルシウスの体と剣を包み込み。森を高速で突き進む。現れた魔物達を斬り伏せながら。


ルミネ「……イノセントブレイズ! はぁ……はぁ……」


エルド「ちっ……なんだかこいつら……いくら魔法矢を打ち込んでもなかなか倒れてくれねぇ……はぁ……はぁ……」


ルミネとエルドはいくら攻撃しても数体しか倒せない。


ルミネ「イノセントブレ……!?」


エルド「!? まずい! 避けろ! ルミネ!!」


魔物からルミネへ向けて熱線が放たれる。


ルシウス「ルミネに手を出すなぁぁぁ! ネビュラスラスト!」


未知の魔物A「キェェェェェ!」


ルシウスは星雲の如く光を纏った一撃で魔物に切り掛かった。


放たれた光の粒子一つ一つが小爆発を起こす。


エルド、ルミネ「ルシウス!?」


エルド「お前!どこ行ってたんだよ!」


ルミネ「ルシウス……村が……」


ルシウス「説明は後、今はこいつらを倒す!」


エルド、ルミネ「わかった」


ルシウス「……ブレイブプレアデス……」


ルシウスは瞬時に六回の斬撃を一撃一体の魔物に切り伏せる。


すると他の魔物は不利だと思ったのか霞が散る様に姿を眩ました。


ルシウス「……逃げたか、皆んな無事?火が広がる前に村の外れまで行こう、そこでいろいろ話したい」


そして三人は村の外れに出た。


エルド「なぁ、ルシウス。さっきの魔物とその剣はなんだ、両方ともすっげぇエグかったぞ?」


ルシウス「世界を滅ぼした魔物、それが目覚めようとしているんだ、ニビル…そいつの名前だ…おそらくさっきの魔物はその残滓みたいなものじゃないかな?そしてこの剣、これは奴にトドメを刺せる唯一の武器だ、そして俺はこいつに選ばれたようなんだ、さっきの魔物はきっと剣の魔力に反応して俺を殺しに来たんだと思う」


ルミネ「殺しに来たって……それにルシウスはこれからどうするの?」


ルシウス「俺はヤツを倒す。のそために世界を巡る。使ってて気づいたけどこの剣、どうやらまだ力を完全に引き出せないみたいだ、だから開放する旅に出ようと思う」


エルド「なるほど、なら俺様もその旅に付き合ってやる! ルミネも来るか?」


ルミネ「うん! もちろん」


ルシウス「いいのか? 危ないぞ?」


エルド「だってそいつ倒さないと世界が滅ぶんだろ? なら答えは一つだよなぁ!」


ルミネ「うん、お兄ちゃんの言う通り、正直かなり怖い……それでも村が燃やされた……それだけでも理由は十分だよ」


ルシウス「わかった、とりあえず今晩はここで野宿だな、明日出発する」


エルド「ういうい〜!」


ルミネ「待って明日の朝出発前に村でお祈りしに行かない?」


ルシウス「そうだね、皆んなの魂、送らなきゃ」


エルド「じゃ準備して寝るわ、おやすみー」


ルミネ「うん、私も寝る」


ルシウス「おやすみ」


エルド「なぁルシウス、妹を守ってくれてありがとうな……」


ルシウス「お礼なんていいさ、二人とも無事だったんだそれだけで十分だよ」


ルシウス「さぁ明日は早いよ、おやすみ」


エルド「おやすみ……」


暗闇の中薪を囲い三人は眠りにつく、やがて鳥がさえずり朝を迎える。


ルシウス「おはよう」


エルド「お祈りに行こう」


ルミネ「うん!」


灰の残り香が立ちこめ、朝日が三人を照し村へと向かう。


ルミネ「ここにしよう、さぁ手を繋いで」


三人は輪になって祈り始める。


ルシウス、エルド、ルミネ「我が星よ、見ていますか、我らの命、流光の如き輝き行くまで明日へとお導きを……」


祈り終えると一人一輪づつ花を置いた。


ルミネ「ちゃんと送れたかな……」


ルシウス「あぁ……きっと送れたさ……さぁ旅に出よう」


エルド「……そういや旅に出るってもよぉ、まずは何処に行くんだ?」


ルシウス「まずは隣街に冒険者ギルドがある、そこでお金を稼ごう」


エルド「じゃ! 隣街、ミルアルヴだな!」


ルミネ「行こう、私達の冒険に!」


ルシウス「あぁ救ってみせる、この星を、みんなを!」


降星暦XXXX年、ここに新たな英雄譚が始まった、少年少女らは旅に出る、祈りを背負い、世界を巡る。


星を携えて。


星降るメテオラシアにて。

一応創作初心者なので温かい目で見てくだせえ!!

誤字やご意見、感想はいつでも受け付けております。

以下テンプレート


気分で書いてるから投稿頻度不安定かも?

一応、流光オラシオンは4シリーズ完結予定です。

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