入社祝い金
助かるかも知れない方法をしつこく聞いて、コーヒーと菓子パンを奢ったら死神ちゃんはしぶしぶ教えてくれた。
ノアルと契約した悪魔を見つけ出して私も契約する。
死神だからできないでしょ?って言ったら、死んでいないから未だ死神では無いって。
死神ちゃんは死神の中でもリクルーターで採用係だから、主任クラスなんだって、上司とか死んだ後もいるのは嫌だ。と言ったら会社じゃないんだからって笑われてしまった。
話がずれた、二重契約の場合力の強い方が優先されて、弱い方は手下として働く事になるらしい。
死神ちゃんは主任クラスで強い方だから、大丈夫だと思うとか言ってるけど、負けたら死神ちゃん、悪魔のパシリになっちゃうんだよ。って言ってるのに、笑って真剣に聞いてくれない。
「僕が悪魔に負ける訳ないでしょ! 一応神だからね。」
「なんでそこまでしてくれるの?」
「入社祝い金みたいなものかな」
死神ちゃんに迷惑かけちゃったらどうしようって、言いたいけど言えなかった。
で、どうやって探すのか?
「そんなの簡単だよ、夜中の12時にノアルの家の前に居れば、悪魔は歩いてやってくるよ、
そこで契約の話しをしたら良いんだ」
「早速今晩決行します。」
死神ちゃんは付いて来てくれなかった。
「僕が居たら悪魔が警戒して来ない」
とか言って私1人で行く羽目になった。
勢いで今晩決行とか言っちゃって、少し後悔していると。
マンションの駐車場の方からノアルの家に向かってくる人影が見えた。
ホストみたいな苦手なタイプの男の人だ。ノアルは好きそうだけど。
声をかけるのは嫌だけど、一応悪魔か確認しないと。
でもなんて聞けばいい、、
来ちゃう、、、、
「あ、悪魔さんですか?」
「うえ!!」
すいません、そりゃいきなり夜中に道端に立ってる女から悪魔ですか?なんて聞かれたら驚きますよね〜
「あ〜びっくりした。君は僕のことが見えるのか?」
当たりを引いた様だ。
契約の事を言ったら一瞬怪訝な顔をされたが、二つ返事で承諾してくれた。
「願いは何?」
考えてなかった。
どうしよう、世界平和なんて言えないし。
「後日申告でも良いですか?」
課長にでもいう様な言い方になってしまった。
「なんだいそれ、良いよ。欲が出たんだね、じゃ契約の儀式をするよ。目を閉じて」
良かった。
言われるままに目を閉じた。
キスをされた!ふざけんな、キスされた!!
思った瞬間、グーで殴っていた。
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