カウント
ノアルから週末にまた食事に誘われた、私がカラオケ店に忘れて行ったピアスの片方を預かっていて返すついでに食事に行こうと言う。
死神の見習いになってしまってそんな気分では無いのだけれど、お気に入りのピアスだったので仕方なく行く約束をした。
呑みに行くなんて、
沢山の人の死期が見えてしまったら面倒臭いのに。
お気にのピアスを無くしてしまって死神になった事よりもショックだったから仕方がない。
ノアルは仕事をしていない、親の持っている何軒かのアパートの管理をしている。
親はどこかの大きな企業の取締役だと言っていた。
いわゆるお嬢様ってやつ。
なのでいつも私の会社の最寄り駅まで来てくれる。
普段出かけないから気分転換になるらしい。
羨ましい悩みね。
改札口付近で待ち合わせる、いつものNewDaysの脇で待っていると改札からノアルがやってくるのが見えた。
額に数字が書かれている、、、、
無限地獄に落ちては困るので、小声で
「2023年8月1日午後10時55分」
しばらくすると額の文字はカウントダウンに変わった。
今まではマジマジみていなかったけど変わるのね。
新発見をしてちょっと嬉しくなったんだけど、それどころじゃ無いんじゃない?
ノアルが三週間後に死ぬって、、、、、、
額にって言ってるけど、額らへんの空間にゲームのステイタスみたいに数字が浮いている感じ。
ノアルのカウントダウンが気になって、気になって食事の味もなんだか味気ない感じ。
お酒呑んでも全然酔わないし、、、
死神ちゃんは死期はわかるけど、どうやって死ぬのかはわからないのだって言ってたし、、、
どうしよう。
助けられる方法なんてあるのかな。
死神ちゃんに聞いてみよう。
あの後も死神ちゃんはコンビニの前にいつも居る。
急いでいる時や、話すのがめんどくさい時なんかは軽い会釈程度で前を通り過ぎて居るけど、結構IQOS吸いながら死神ちゃんとは話す間柄になったし、って言っても私の職場の愚痴を私が言ってる感じなんだけど、、、友達だし知ってたらおしえてくれるかも。
酔いが回ったと言い訳を残して私は死神ちゃんのいるコンビニを目指す。
ノアルの為何か方法があるならおしえてもらうために。
「死なない方法?そんなの無いよ、ある訳ないじゃん」
「ですよね〜」
「あ、でも死んでも存在を保ち意識も記憶もそのままってのはあるよ。」
「何言ってるの?ちょっと難しいんですけど、もっとわかりやすく説明してくれない」
「ようは、死神になれば良いんだ。」
「へ、、、、、?」
「だからね、君が死んで本採用になった状態にその友達をすれば死んでも君には見えるでしょ?君は死神が見えるんだから」
「死神契約すれば、輪廻の輪には入らないけど無限地獄に落ちる訳でもない。この世界地獄みたいな物だけど、慣れひたしんだ地獄なら良いでしょ?」
「考えておきます。他は?」
「後はお勧めしないけど、」
「もったいぶらないで教えてよ」
「悪魔」
怖くするって難しくないですか?
怖くするかぁ〜(笑)