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死神の見える女  作者: 5414
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安寧

パーティー迄の三日間はパーティーの作法やら挨拶の仕方、身のこなし、歩き方などの特訓が行われる。

言わなきゃ良かったと後悔しても始まらない。

やるしかない。


通勤時間が勿体無いと言う事で、宿舎の用意が出来るまでホテルを取るとエカテリーナが言っている。

どんだけハードな特訓が行われるのだろうとげんなりする。

買い物で一日が終わり、

特訓は明日からと言う事になりホテルに向かう、ビジネスホテルかと思っていたら、リッツカールトンに連れて行かれてしまった。


貧乏性の私は寝るだけなら東横インでも変わらないんじゃないか?

勿体無いと思ってしまう。


今日買ったばかりのスーツ一式もクリーニングに出されて明日は別のスーツ。

寝巻きもシルクのパジャマをエカテリーナが買ってくれた。

高校のジャージで慣れている私はなんだか寝付けない。


皆こんな生活に憧れているんだろうなぁ〜とか思って、でも私は今までの緩い生活の方が合っていると感じてしまう。

庶民が来る所ではない、気疲れが半端ないんだもん。



特訓が始まった、いきなり歩き方から難しい。

ヒールに慣れていないのでうまく歩けない。

優雅に歩けって言われても、普通にも歩けない。


今回はローヒールで良いと匙を投げられる始末。

先が思いやられる。


覚えてろよ、皆んな冥府に送っちゃうからね〜


ダメだしされながら、そんな事を思いながらひたすら特訓をこなしている。


豆は潰れるし、腰も背中も痛い。

姿勢が悪いって矯正されている。


ホテルのベッドに倒れ込む。

何も考えられずに眠りに落ちる。

マジ東横インでも良いんじゃね。


当日がきた。

恥をかくのも勉強のうちとかエカテリーナは言っている。

特訓の成果はこの言葉を聞けばお分かりでしょう〜

空手の型ならビシッと決められるのに。


キラキラしたパーティーバックに櫛名田比売を忍ばせていざ出陣!!


ワタワタしながらエカテリーナについて会場に入る。


隅の方で一息入れているとエカテリーナに見つかった。

悪魔の皆さんにご紹介タイムの時間だ。

大企業の起業者や与党の政治家、なんだかわからないがアナリストとかフィクサー。

会場の2割ぐらいが悪魔の手先だ。

この人達は悪魔ではなく悪魔に取り憑かれて悪魔の思うがままに動かされているらしい。

純粋な悪魔は(悪魔に純粋とか使いたくないけど)8人ぐらいだった。


昨晩の打ち合わせどうりだと、しにがみちゃんとチャラ男悪魔が会場の出入り口を締め切る。

電話で合図があれば櫛名田比売を付けて眩しがってるやつを片っ端から正拳突きを喰らわす。


ドキドキしてきた。

出来るだろうか?

やるしかないけど、大騒ぎになってしまいそうだ。


ノアルの仇、人類の為、スサノオの顔を潰さない為にって思って弱気な考えを吹き飛ばす。


マナーモードの電話が鳴ったBluetoothイヤホンで出るとしにがみちゃんの弾んだ声で「GO!!GO!!」


全くあの神様ときたら、はしゃいじゃって!


両頬をパンパンひっぱだき、靴を脱いで裸足になる。

ドレスの裾を結んでいると周りから変な目で見られる。


櫛名田比売をおもむろに出し頭につける。

全身が膜に包まれる。


近くで眩しがっている奴から順々に正拳突きをかまして行く、良い型だ!!


会場に悲鳴と怒声が入り乱れる、逃げ惑う一般人は無視をして紹介された悪魔を探し会場を飛び回る。


最後にエカテリーナが残った。


「そう言う事だったのね、まさか神々が直に来るなんてね、でも私は冥府には行かないわよ、なぜって?それは貴方と契約してるから、、、」


「ゲームオバーね、私の完敗よ、貴方を主人と認めるわ」


後ろから羽交締めにされ床に押し付けられる、一般人の軍人や男の人達に押さえ込まれる。

警察を呼べ〜とか叫んでいる。


私もやり切って観念した。


パトカーのサイレンを聞きながらエカテリーナのドレス姿に見惚れてしまっている。



女子専用の留置場に入れられている。

ドレスや下着も全て脱がされ、婦警に隅から隅までチェックを受けて留置場に備え付けられた◯に留とマジックで書かれたスエットを着せられている。


櫛名田比売は保管庫に私物と共に預けられている。


やり切って虚脱感が心地良い。

シルクのパジャマからスエットになって良く寝られる。

明日はお風呂の日だ、夏の時期は3日に1回入れるそうだ。


官弁と呼ばれるお弁当も割と美味しい、ロシア旅行が留置場生活になってしまった。

エカテリーナが私選弁護士を付けてくれたらしい。

今はまだ接見禁止の措置で面会はできないそうだ。

黙秘を続けているかららしい。

弁護士がそう言っていた。


留置場の隅にチャラ男悪魔が体育座りをしている。

しにがみちゃんは担当台で暇そうにしている。

夜になるとノアルがやってくる、なんでも強烈な眠剤を病院で飲まされていたら幽体離脱体質になってしまったらしく、夜から朝まであっくんとイチャイチャしている。

あああウザい。

独居房なのに独りになれないんですけど。


保釈申請が通れば帰れるらしい。

黙秘をしなければ申請も通りやすいと弁護士はぼやく。

明日は検事調べで検察庁まで行く。

昔のドラマをYouTubeで見たあの木村さんのドラマ。


はぁ〜なんて言って良いかわからない。

取り調べでも黙秘を続けている。

説明したって頭がおかしいやつって思われるだけだし。


エカテリーナがなんとかするって意気込んでいるらしいので、何とかなるんじゃないかと思う様にしている。

差し入れの雑誌や小説を読んで1日が過ぎる。



久々の安寧な生活。

終わりました。皆さん読んでくれてありがとうございます♪

シリーズ化できそうです。

また機会があればイツキとしにがみちゃんとの世直し物語を書きたいと思います。

今後は黒猫のエンディングを目指して頑張って書きます。

本当にありがとうございました♪

皆さんの訪問が活力となりました。

ではまた!!

オマケで短編

イツキの出所を書いてあげてます。

お礼の短編です。よろしかったらどうぞ。

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