プレタポルテ
高そうなティーカップセットにこれもまた高そうな茶葉を入れてくれた。
良い匂い。
渋みはキツくなくサッパリとした味。
紅茶ってあんまり飲まないけど、美味しいのね。
まあ高いから当たり前だろうけど。
「って、聞いてる?通勤で疲れちゃったの?大使館員の宿舎用意しましょうか?」
いけない、またやっちゃった。
課長にもよく怒られるんだ。
考えが飛んじゃって人の話聞いてない病、、、
「ごめんなさい、紅茶が美味しくって、、、」
「あら、わかるの?嬉しいわ日本人はコーヒー好きだって印象だから」
「それで仕事内容なんだけど、当分は私に付き添って居てくれるかしら、そうすれば他の仲間の悪魔にも紹介できるから。それで良い?」
やばい、いきなり計画が崩れて行く!
どうしよう。
「あの〜ワガママ言っても良いですか?」
「何?良いわよ聞くだけ聞くわ」
「一堂に揃った悪魔の皆さんをみてみたいかなぁ〜とか思うんですが、、、」
「そうね〜」
軍人風の男が口を挟む
「領事官主催のパーティーが三日後にありますが、主要メンバーも集まります。これに参加するのはどうでしょうか?」
「あの使えない領事官?馬が合わないのよね〜」
ここで押さなきゃ女がすたる!
「わぁ〜パーティーって行ってみたいなぁ〜素敵なんでしょうね〜」
「そうね〜」
エカテリーナは少し考え込んでいる。
よし、もうひと押し!
「エカテリーナさんのパーティードレス姿見てみたいなぁ〜カッコイイだろうなぁ〜みたいなぁ〜」
「良いわ、そこまで言うなら、今後パーティーにも出なきゃならない訳だし、あいつのパーティーなら少々の粗相も良いでしょう。練習のつもりで行きましょう」
「じゃ出かけるわよ」
「へ?」
「貴方パーティードレス持っていないでしょ?さあグズグズしてないで支度してっ!」
ハイブランド巡りが始るらしい。
今度はエカテリーナのドレスも買うのだそうだ。
「今回は時間がないからプレタポルテで良いわね?」
「アクセサリー類は私の物を今回は貸すわ、それで良い?」
なんだかわからないが、頷いておく。
ただ凄い世界に来てしまったらしいと、なんとなく居心地が悪く感じている。
しまむらがユニクロが遠くに感じられる、、、、
早く帰りたい。
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