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死神の見える女  作者: 5414
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コンビニのおじさん

会社の帰り道、パチンコ屋を過ぎてコロッケの美味しい肉屋の隣にあるコンビニの喫煙所に、ここ二週間ほど毎日同じ顔を見かける様になった。


初めて見る顔なのだけど、なぜか懐かしい様な以前会った様なそんな気がしてコンビニの前を通ると気になってしまう。


印象の薄いうだつの上がらないおじさんだ。

仕事で顔を合わせているのかと思って会社に来るドライバーの顔をよく見る様にはしているけど、こんなおじさんはいなかった。

私は運送会社で配車係をしている。毎日自社や提携会社のドライバーがやって来る。

その中にいるんじゃ無いかって思ったけど違うみたい。

会社は定時にあがれるので、ほぼ毎日同じ時間にここを通っている。

おじさんはタバコを吸うでもなく、ただ通行人を見てなんかブツブツ言っていたりしているから、ちょっと怖い。

でもなんか懐かしい様な以前会った様な気がして気になってしまう。



久しぶりに高校時代の友人のノアルとご飯に行って、少しお酒を呑んでカラオケであいみょんを歌ってきたので、終電近くで帰ってきたけど、コンビニの前にはいつもと変わらずあのおじさんが立っている。

ホームレスなのかしら?

でも身なりは汚れているでもなく、よく見ると高そうな腕時計もはめている。


酔っているせいもあるのか私はIQOSを鞄から出して喫煙所に向かった。

おじさんとは灰皿を挟んで通りを見ながら立つ。

我ながら大胆だなと思いつつスイッチを入れて加熱を待っていると、おじさんの独り言が聞こえてきた。


「2025年3月7日午前10時3分」


「2028年1月1日午後2時34分正月からご愁傷様」


何を言っているのだろう、ご愁傷様だなんて縁起でも無い。


おじさんの独り言が気になって聞き耳を立てていたらIQOSは吸えないまま熱くなってしまった。


もう一本吸おうと思って鞄を弄ってタバコを出して顔を上げると、目の前にニヤニヤ顔のおじさんが立っている。

思わず悲鳴をあげそうになったけど、身体をずらして視線を避けタバコとIQOSを鞄にツッコミ店内に逃げ込もうとした時。


「あんた、もしかしておじさんのこと見えてるの?」


訳がわからず困惑して曖昧な笑顔で店内に逃げようとしたけど足が動かない。

今度こそ悲鳴をあげようと必死で声を上げようとしても、声が出て来ない。


恐怖で心拍数が跳ね上がって、胸が苦しい。

泣きそうになりながら口をパクパクしていると。

おじさんが私の眉間に人差し指を押し当ててきた。

気持ち悪くて怖くて吐きそうになる。


「大丈夫だ、何もしないよ、おじさんは神様なんだ。」


やばい、ものすごくやばい指でおでこを触られたし、自分のこと神様とか言っちゃってるし、このおじさん行っちゃってる。

自分の大胆な行動にもの凄く後悔して崩れ落ちそうになるが、身体が固まって崩れ落ちることもできない。


「君には前にも合ってるよね、もっと幼かったけど、確かイツキちゃんだね」


なんで私の名前を知っているの、怖いんですけど、マジ怖いんですけど。


「あのぅ」

声が出た、悲鳴、、は出ない、、、


「あの、どこかでお会いしているんですか?こどもの頃とかに?」


声が出せて心拍数は早いままだが、少しは落ち着いてきた。

だけど怖いものはやっぱり怖い。


「君が子供の頃おじいちゃんの余命を言い当てて家族にびっくりされたでしょ?覚えて無いかな。」


「おじさんが君に教えてあげたんだよ。」


なに言ってるのこの人、、??

あああ思い出した。そんな事あった記憶が蘇ってきた。


その後俳優さんや、政治家の余命も言い当てて神社にお祓いに連れて行かれたんだった。


ホラーのコンテストにって書き出しました。

黒猫の方も手を抜かず頑張りますのでよろしくお願いします。

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