表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[第五部完結]【書籍化】大魔術師様に嫁ぎまして~形式上の妻ですが、なぜか溺愛されています~  作者: 狭山ひびき
緊迫の新婚旅行へ向かいます!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/181

祭壇の調査と炎のキノコ 1

お気に入り登録、評価などありがとうございます!

 祭壇の謎が深まったおかげで、中にあった火の魔石をもらう相談を持ち掛ける暇はありませんでした。

 でもグレアム様のことですから、あきらめてはいないと思いますけどね。折を見て、ジョエル君に相談しそうな気がします。


 ドウェインさんは今日からケントさんとともに火竜の一族の書物の中から、祭壇の奥の空洞について書かれているものを探すため、ケントさんが使っているお家に泊まることになりました。


 夕食を終えたわたくしは、寝室でグレアム様の晩酌にお付き合いしています。

 ベノルトさんからスパイスを漬け込んだお酒を頂いたのですよ。度数が高いのでわたくしはご遠慮しましたが、グレアム様は味が気に入ったようです。


 窓際のソファに並んで座って、わたくしはお酒の代わりに蜂蜜入りのホットミルクを頂いています。

 おつまみは、ドライフルーツ入りのチーズです。ちょっぴりお酒の香りのする大人の味のチーズでございます。美味しいですが、香りで酔ってしまいそうなので、わたくしは控えめにしておきます。


 窓の外には、キラキラと宝石のようにお星さまが輝いていました。

 今日は星も月もよく見えます。星がこう、銀色の帯のようにまとまっているのが見えます。とってもきれいです。

 星を眺めながらグレアム様と過ごす夜は、時間がとってもゆっくり流れていく気がします。

 お酒を飲んでいるわけではないのに、心がふわふわしますし。肩に回されたグレアム様の腕が、お酒を飲まれているからなのか少し熱くて、それがまたぽかぽかして気持ちよかったりします。


「アレクシア」

「はい……ん」


 返事をすると、口の中にチーズが押し込まれました。

 ドライフルーツ入りのチーズは甘くておいしいです。お酒の香りが、鼻からふわーっと抜けていきます。


 チーズを咀嚼して飲み込めば、今度は唇がふさがれました。

 そっとわたくしの手からホットミルクが入ったカップが取り上げられて、テーブルに置かれます。

 グレアム様の手がわたくしの後頭部に回って、頭皮をくすぐるように撫でてから、頬に異動します。その間わたくしの唇は塞がれたままで、だんだん頭がぽーっとしてきました。


「ドウェインが書物を探しているから、明日は特に何もする予定がないが……アレクシアは何がしたい?」


 唇を啄みながらささやかれますので、ちょっとくすぐったいです。

 小さく笑ってわたくしが肩をすくめますと、グレアム様も笑って、キスが深くなります。

 こんな時に不謹慎ですが、わたくしはこの時間がとても好きです。

 グレアム様はこうしてわたくしをいっぱい甘やかしてくださるから……、とってもとっても、ふわふわして幸せな気持ちになります。グレアム様大好きです。


「ん……皆さんのお土産を買うのは、まだ早いですから……、お散歩……」

「散歩か。だが、見渡す限り森しかないぞ」

「でも、魔石……たくさん、ありそうだから……」


 グレアム様は魔石がいっぱいあると嬉しいでしょう? わたくしの声にならない言葉をしっかりと受け取ったグレアム様が苦笑なさいました。


「それは俺がしたいことであって、お前がしたいことではない気がするが」

「グレアム様が嬉しいとわたくしも嬉しいです。……それに、一緒にいられるなら、わたくしはどこだって……」


 言葉途中で、グレアム様に唇をしっかりと塞がれてしまいました。

 口づけに夢中になっていると、ふわりと体が宙に浮きます。グレアム様に抱きかかえられたのです。


「もう寝よう、アレクシア」


 とさりとベッドの上に下されて、グレアム様が魔術で部屋の灯りを消しました。

 そしてまた、唇がふさがれます。


 ……グレアム様と過ごすこの時間が、大好きです。だってとてもとても、ドキドキしてそわそわして、そして優しくて幸せな気持ちになるのです。






お読みいただきありがとうございます!


皆様のおかげで本作の書籍化が決まりました!

12/18発売予定です!

ただいま予約受付中ですので、どうぞよろしくお願いいたします!


☆12/18発売予定

タイトル:大魔術師様に嫁ぎまして~形式上の妻ですが、なぜか溺愛されています~

レーベル:novel スピラ(ファンギルド)

イラスト:木ノ下きの先生

ISBN13:978-4910617176



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ