表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[第五部完結]【書籍化】大魔術師様に嫁ぎまして~形式上の妻ですが、なぜか溺愛されています~  作者: 狭山ひびき
竜の巫女と言われても困ります!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

172/181

風竜様はお寝坊さんです 1

お気に入り登録、評価などありがとうございます!

 魔物が活発化する三日を終えて、わたくしはようやく風竜様の眠る岩で作られた山にやってきました。


 どうやらこの山にもお名前があって、ピラミッドというらしいです。

 ずっと昔に、バラボア国の方々が風竜様のために岩を切って運んで積み上げて作ったのだそうですよ。


 ……途中でエウリュアレーとかいう『ホホホホホ』と奇声を発しながら走るキノコに遭遇したらどうしようかと思いましたが、空飛ぶ絨毯での快適な移動だったので遭遇せずにすみました。


 わたくしが鍵に魔力を込めますと、ピラミッドの岩の一部が重たい音を立てて移動し、侵入口を作ります。

 風竜様のご寝所は、侵入口から続く階段をずーっと地下に降りた先にあるのだそうです。


 ……ふと思ったのですけど、このピラミッドの上はどうなっているんですかね。ただ岩を積み上げているだけなのでしょうか。それともお部屋があるのでしょうか。ちょっと気になりますが、階段は地下にしか伸びていませんので確かめようがありません。


 わたくしは光の魔術で光玉を作ると、慎重に階段を下りていきます。

 ご寝所の前まではファティマさんもサラーフ様もついてきてくださるそうです。

 護衛の方々は階段が狭いことと、それからピラミッドの中へは王家の人間と巫女以外は立ち入り禁止というルールがあるため外でお留守番とのことでした。


 ……外は暑いですが大丈夫でしょうか? 影になっている部分で休んでくださいね。それから水分をしっかりとらないと倒れてしまいますよ。


 護衛の兵士の方々のことが心配ですが、魔術師の方も二名ほどついてきていらっしゃるので、彼らが過ごしやすくしてくださるでしょう。


 ……それにしても長い階段です。


 以前、この階段を下りたときはどこまで続くのかわからずに途中で引き返したのですけど、もちろん今日は最後まで下りねばなりません。

 帰る時のことを思うと、自分の足が限界に来ないかと心配になりますが、致し方ありません。

 これも、巫女としての役目を終えてグレアム様たちの元へ帰るためですもの!


 階段を下りはじめて十五分ほど経過したあたりでしょうか。

 ようやく階段の終わりが見えてまいりました。

 階段の終わりには扉があり、竜の絵が描かれていました。


『あれが風竜様のご寝所へ続く扉だ。私たちはその先へは進めないので、ここで巫女の帰りを待つことになる』

「わかりました。行ってきます」


 わたくしは、鍵穴に慎重に鍵を差し込みます。

 すると、鍵の持ち手の魔石の輝きが強くなって、かちりという音とともに扉が開きました。

 わたくしが中に入りますと、背後でひとりでに扉が閉まります。

 そして、周囲の壁に埋め込まれていた蝋燭に、一斉に炎が灯りました。


 ……す、すごいです。


 ご寝所は、円の形をしていて、中央に巨大な天蓋付きのベッドがございます。

 天蓋は降りていて、おそらくその中に風竜様の魔石があるのでしょう。


「風竜様、失礼いたします」


 わたくしはそーっとベッドに近づいて、天蓋を持ち上げ――


「ええ⁉」


 目を丸くしました。





ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ