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[第五部完結]【書籍化】大魔術師様に嫁ぎまして~形式上の妻ですが、なぜか溺愛されています~  作者: 狭山ひびき
大魔術師様の妻は譲りません!

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セイレンの襲撃 3

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 サンゴキノコの赤ちゃんは、親指の先から親指ほどに成長しました。

 ですが先にわたくしの魔力が限界に達して、わたくしとグレアム様はお部屋に戻ることにしました。


 ……明日には大きく育てばいいのですけど。


 お城で出されるお食事は、さすが海底の町だけあって海鮮ばかりです。どれもとっても新鮮で美味しいです。念のため、妙なお薬が混入していないかどうかは魔術で調べていますが、今のところおかしなものが混入されたことはありません。


 お食事を終えてお風呂に入って、わたくしたちは少し早めに就寝です。

 魔力をたくさん使ってわたくしが疲れているだろうからと、グレアム様が気を使って早めに休むように言ってくださるのです。


 グレアム様に抱きしめられていると、あっという間に眠たくなってきます。

 グレアム様は、ご自分の方が大変だというのに、わたくしのことばかり気にしてくださいます。


 ……待っていてくださいね、グレアム様。勝利は目前です。


 しっかり休んで、明日で勝負を決めるのです。

 決意を固めて眠りに落ちたわたくしは、けれど、朝になる前に目を覚ましました。


 ……今、物音がした気がするのです。


 わたくしが目を開けたときには、すでにグレアム様も起きていらっしゃいました。

 部屋の中を光魔術で照らして時計を確認しますと、まだ夜中です。


「グレアム様」

「し!」


 グレアム様が音を確かめるように窓に近づき、窓から顔を外に出しました。

 わたくしもグレアム様を真似して窓から顔を出します。


 ……何の音なのでしょう。それほど大きくはないのですけど、ドーンという鈍い音がしている気がします。


 夜なので、あたりが暗くて町の様子もあまりわかりません。

 わたくしは闇の魔術を使って、暗闇での視界を確保します。

 グレアム様も、闇の魔術は魔石を介して使えますので、魔術を使用されました。


 ……どこから音がするのでしょう。離れたところからのような気がしますが。


 魔術で暗闇でもはっきりと見えるようになっても、よくわかりません。

 見える範囲に原因がないのかもしれないです。

 グレアム様は窓から様子を探るのを諦めて、部屋の扉を開けると、廊下に立っている兵士に声をかけました。


「何の音だ?」


 グレアム様の問いかけに、兵士さんも困惑した顔をしています。


「今、仲間が様子を確認しに行っています」

「……そうか」


 グレアム様はもしかしたらご自身で確認に行きたいのかもしれませんが、今は魔術がろくに使えない状態ですから、ぐっと我慢していらっしゃるのでしょう。


「グレアム様、ドウェインさんにお願いしてみますか?」

「そうだな……、いや、兵士が様子を確認しているのなら待とう。何かあったときのためにドウェインは近くにいてもらった方がいい」


 ドウェインさんのお部屋はわたくしたちのお隣です。もし危険なことが迫ったときにドウェインさんがいてくださったほうが心強いです。わたくしだけではグレアム様をお守りできないかもしれませんから。

 扉を閉めて、わたくしたちは再び窓から外を眺めます。


 ……どのくらい経ったでしょうか。


 何もすることもなく、でも眠るのには不安で、窓から外を眺めてぼんやりしていると、響いていたドーンという音が静かになりました。


「おさまったみたいです」

「そのようだな」


 原因が何かはわかりませんが、音が止んだので安心していいでしょうか?


 まだ夜中ですからね。わたくしとグレアム様は話し合った末、眠りなおすことにいたしました。

 明日の朝、何かわかったかどうか兵士さんにお話を聞いてみましょう。





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