表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[第五部完結]【書籍化】大魔術師様に嫁ぎまして~形式上の妻ですが、なぜか溺愛されています~  作者: 狭山ひびき
大魔術師様の妻は譲りません!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

134/181

サンゴキノコの作り方 4

お気に入り登録、評価などありがとうございます!

 桃色サンゴはお城のお庭にたくさん生えています。

 つくづく、ここには水もないのになぜサンゴが元気でいられるのでしょうね。不思議です。


 わたくしはお庭の左側にある桃色サンゴを使ってサンゴキノコを生やすことになりました。

 ファシーナ様は右側です。


 ……ファシーナ様は、全属性の魔力を均等にとおっしゃっていましたね。


 一度にたくさん注ぐと失敗しそうですから、少しずつ様子を見ながら魔力を注ぐことといたしましょう。特にわたくしには闇と土の属性の魔力がありませんから、結婚指輪の魔石を使いながら注がなければなりません。魔石の方の魔力の注ぎ方に合わせてほかの属性の魔力も注ぐのがいいでしょうね。ゆっくり。ゆっくり……。


 グレアム様は魔力を封じられているからか、魔力の動きも感じ取りにくくなっているそうです。

 なので、ドウェインさんに見てもらいながら注いでいきます。


「姫、火の魔力が少し多いです。他と揃えてください」


 サンゴキノコがかかっていますから、ドウェインさんも真剣です。


「わかりました」


 わたくしは火の魔力が一番多いそうですから、調整が難しいですね。


「今度は水の魔力が強いです。そして土の魔力が弱いです。均等にしてください」

「わ、わかりました」


 ドウェインさんは簡単に言ってくれますが、すっごく難しいんですよ、これ。

 かなりの集中力を要するからなのか、わたくしの額に汗が浮かんできます。


 ファシーナ様のお話では、注いだ魔力が一定量を超えると生えてくるそうです。もしかしたら数日――下手をすればそれ以上かかるかもしれませんね。だって、結構魔力を注いだのにまだ何の手ごたえもありません。

 集中していたから気が付かなかったのですが、いつの間にかお昼になっていたみたいです。

 兵士さんがお昼ご飯の時間だと伝えに来ました。


「昼食よりキノコです」


 ドウェインさんがまた勝手なことを言っていますが、そろそろ疲れてきたので休憩したいですしお昼ご飯も食べたいです。


「アレクシアの魔力量でもまだ生えないのか。いったい何なんだ、サンゴキノコって」


 こんなに苦労して生やしたサンゴキノコが、肌をピンク色にして硬直させるだけのキノコなんて悲しすぎますね。

 わたくしはキノコの赤ちゃんが生えていないかと目を皿のようにしているドウェインさんを放置して、グレアム様と昼食を取りに行きました。

 かなりの魔力を使ったので、魔力が回復するまで休みたいのです。

 魔力と体力は似ていて、休まなければ回復しません。


「大丈夫か、アレクシア。無理はするなよ」


 グレアム様のためですので無理をするのはなんてことないのですけど、それを言うと心配させてしまいますから「はい」と頷いておきます。


 ……それにしても、オレンジジュースが美味しいです。喉が渇いていたのでしょうね。


 お食事を食べながら、なんとなく庭を見下ろします。

 ファシーナ様の様子が気になったのですが、ファシーナ様もお食事中のようですね。お庭に姿が見えません。


「ファシーナ様はどこまで進んでいるのでしょうか?」

「魔力量で言えばアレクシアが圧倒的に有利だ。大丈夫だろう」

「だといいのですけど……」


 魔力量が上でも相手は女王陛下ですからね。やっぱり心配にはなります。早く魔力が回復するように、いつもより頑張って食事を摂りますよ。しっかり食べて魔力を回復するのです。

 お腹をさすりながらぎりぎりまで食事を胃に押しこみます。


「アレクシア、無理はするなよ」


 グレアム様が、もう一度同じことをおっしゃいました。


 大丈夫ですよ!







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ