表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[第五部完結]【書籍化】大魔術師様に嫁ぎまして~形式上の妻ですが、なぜか溺愛されています~  作者: 狭山ひびき
大魔術師様の妻は譲りません!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

132/181

サンゴキノコの作り方 2

お気に入り登録、評価などありがとうございます!

 すやすやと安心しきった顔で眠ったアレクシアを見ながら、グレアムは小さく笑った。


(まさか、アレクシアが来るとは思わなかったな)


 心配しているだろうなとは思っていたが、自ら探しに来るとはグレアムも想像していなかった。

 ましてや、ファシーナにのしかかられている時に、部屋に飛び込んでくるなど誰が想像できただろう。


 ――わたくしの夫に何をするのですか‼


 普段からは考えられないような剣幕でファシーナに向かって怒鳴るアレクシアには本当に驚かされた。生来、怒るのはあまり得意でないようなので、迫力はまったくと言っていいほどなかったが、それでもあのアレクシアが誰かを怒鳴りつけるなんて思いもしなかったのだ。

 華奢な体で、必死にグレアムを守ろうとする姿はたまらなく愛らしかった。


(まあ、恥ずかしくもあったのだが)


 とんだところを見られたと思ったし、アレクシアを守るはずの自分が逆に守られているという状況は情けなくもあったが、今まで見たこともないアレクシアを見られたのは少しだけ嬉しかったりもする。

 愛されていないとは思ってはいなかったが、他の女が触れて嫉妬するくらいに想われていたのだと思うと一種の感動すら覚えた。


(嫉妬するのは俺だけだと思っていたんだが、違ったんだな)


 アレクシアの周りには何故か目障りな男が集まる。ジョエル然り、ガイ然り。ドウェインも油断ならない。

 アレクシア本人が気づいていないのだからなおのこと心配でやきもきしていたのだが、アレクシアもグレアムにちょっかいを出す女がいたら焼きもちを焼くらしい。

 頬を撫でると、眠っているアレクシアがふにゃりと笑う。


(勝負とやらは心配だが、腕輪が外れない以上、アレクシアに任せるしかないか……)


 ファシーナの言ったサンゴキノコが何なのかは知らないが、ドウェインがいるのだ。キノコがかかっている以上、最悪ドウェインが何とかするだろう。

 もし負けたとしても、アレクシアとドウェインがいるので外部と連絡が取れる。クウィスロフト国を通して抗議すれば、ファシーナとて太刀打ちできない。

 どう転んでも問題ないはずだ。


 グレアムはアレクシアを腕に抱きなおして、目を閉じた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ